かなり以前のことだが、ある地方の学会の事務所に酔っ払いがあばれこんだ。どうやら追い払ったが、その直後連絡をうけた池田は、すぐ隣近所を回り、事情を説明して”お騒がせしました”の挨拶をするように指示した。「騒ぎが収ってやれやれと、だれもそこまで気がつきませんでした」とその幹部は述懐している。
《小林正巳著 現代人物論 池田大作 p.44》
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あるとき、池田は来客との話の中で、来客が読んだある本についての話が出た。池田は読んでいなかった。客が帰った後、池田はすぐその本を取り寄せて読み、翌日その来客に読んだ旨を伝えた。ちょっとしたことだが、できないことである。
《小林正巳著 現代人物論 池田大作 p.47》
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昭和44年に発行された本より引用した。
常々、先生より「誠実であれ」とご指導をいただくが、それが実際にはどのようなものであるのか、我々はあまり判っていないのではないだろうか。
何故なら、会合等で先生のスピーチを学び、「誠実に人と接することが何より大事なのだ」ということが判ったとしても、それが具体的なイメージを伴わないからである。
無論、「誠実さ」といっても内面からにじみ出るものであり、具体的にどのような姿・行動をとるかは人によって違うだろう。また、内面を伴わないうわべだけの「誠実さ」など、簡単に作り物であると見破られてしまう。
では、「誠実な人間」になるには、どうすればよいのだろう。
それはやはり、先生の「行動」から学ぶことが大事であると思う。
先生の「行動」を通して、「誠実に人と接する」とはどのようなことなのかを学び、それを我が身に現じてゆく。そうすることで、「誠実な人間」へと成長できるのだと思う。
その意味において、もっと師匠の「行動」を学ばなければならないと、改めて決意した次第である。