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lemonの日記

音楽、トールペイント、パン、猫のみかん

エルガー・エニグマ変奏曲より"ニム・ロッド" オルガン演奏

2013年06月16日 | 音楽

Rafael Ferreyra plays Elgar´s "Nimrod" at Washington Nat. Cath.

 (動画の音量が小さいので、お聴き下さる人はボリュームを上げてみて下さいね

イギリスの作曲家エルガー(1857-1934)のエニグマ変奏曲より、第9変奏「ニム・ロッド」、

何年か前、映画の「のだめカンタービレ」でも、マルレオケのメンバー達が自主的に練習を始めたシーンで

この温かい音楽が流れて、じーんとしました。

 

この曲の14の変奏に一つずつつけられたイニシャル、

それらはエルガーの妻や知人ひとりひとりにあてられたものだそうですが、

この第9変奏の「ニム・ロッド」とは、

エルガーの親友であるオーガスト・イエーガーをさすということで、

この曲に名前を冠された彼は、エルガーにとって、どれほどに誠実で大切な友人であっただろう、と思わずにはいられません。

 

管弦楽で演奏されることの多いこの曲ですが、

オルガン演奏のものでも聴いてみました。

 

教会の高い天井、ステンドグラスを透る光、澄んだ空気に響いていく音・・・敬虔な感じと、

管弦楽で演奏されるものとはまた違った倍音の重なりが、いっそうあたたかで、

ちょっとつらいことが重なった日には、

胸に染み入るように思います。

 

 エニグマとはギリシャ語で「謎」という意味だそうで、

一つ目のそれぞれのイニシャルがだれか、という謎は今日ほぼ解き明かされており、

でも、もう一つ曲全体にかけられたというかくれたテーマの存在は、いまだにわからないそうなのです。

100年以上も解けない謎も、この曲の魅力の一つでしょうか。

 


ドビュッシー/「子供の領分」より

2013年06月13日 | 音楽

ドビュッシー/グラドゥス・アド・パルナッスム博士(子供の領分)

 今日は、朝からそういえば暑いような気はしていたのですが

夕方レッスンに来た子が、学校の教室の温度計が37度もあったよ、というので

おどろきながらも、「それはさすがに温度計が壊れていたのかも?」と思っていたら、

レッスン終わってニュースを読んだら、温度計は正確だったようです

みなさんこれから熱中症に気をつけてくださいね

 

「グラドゥス・アド・パルナッサム」なる名前・・・しかも「博士」ということばが続いていますが、

ソナチネやソナタのアルバムで聞いたことがあるかもしれない、

イタリアの作曲家クレメンティの残した練習曲集からです。

 当時のすぐれた教本で、今も使われていますが、

バイエルやツェルニーさえも楽しかった私も、これは、

少したいく・・いえ、失礼しました大事だけど、根気のいる真面目なものなので、

ドビュッシーはちょっと親しみをこめてからかって、名前を拝借してみたのかな

(同じくフランス人のサティにも、クレメンティーのソナチネをもじった曲が。)

「子供の領分」の第1曲目であるこの曲は、でもとってもすてきな曲、 

教室の生徒さんたちが一生懸命、でもたまにちらちら時計や外を見て、練習しているところでしょうか?

来週からプールだよなんて、きらきら、わくわくはしゃぐ声や足音も聞こえてきそうです

 

 


リスト/巡礼の年報 第1年「スイス」 より4.「泉のほとりで」

2013年06月05日 | 音楽

リスト/巡礼の年報 第1年「スイス」 4.「泉のほとりで」,S.160/R.10,A159

 

この前読んだ本の影響で、リストの楽譜を取り出してきました

比較的最近・・・といっても5,6年前だ当時習っていた、大学の先生のところに、

このかわいい曲が好きです、と持って行ったところ、

先生はにこやかに、しかしさらりと、

「こういう無邪気で細かい動きの曲は、私は苦手ですよ。」と、

別の曲をすすめられ、それでも、引き下がらず見ていただいた思い出?があり、

今となっては本当に反省したいのでした(>_<)

 

さて、タイトル通り、水がわき出てくるような曲、

右手の、流れの上声部と、水面がきらきらするような内声の

拍の頭にできる倚音(いおん・「倚」の字には寄りかかる、の意味があります)の響きに、

前にすすみたい力を感じ、

左手は水が弾むように右手と交差して、楽しいリズムを作っています。

具体的に描写する音楽ではないと思いますが、たとえたら、

ささやかな笑い声のように始まった水の流れは、

幅や表情を変えながら、小さな滝や渦巻きのような経過句を挟んで進み、

流れから遠ざかり、おだやかにほほえむように終わります。

 

久しぶりに楽譜を見返したら、最初の、sempre  non  legatoが目に入りました。

当時、するっと弾いてしまったけれど、もっとこぽこぽと音のつぶが湧き上がるように弾きたいと思う最近です。

 


ウォルトン・「スピットファイア」前奏曲とフーガ

2013年05月20日 | 音楽

William Walton's Spitfire Prelude and Fugue

この季節になると、庭のエゴノキの花が咲いて、緑の葉とともに風にゆれ、

レッスン室のピアノに映るのを見るのが好きです。

 

 ウィリアム・ウォルトン作曲

     「スピットファイア」前奏曲とフーガ 

作曲者のウィリアム・ウォルトン(1902-1983)は1900年代のイギリスを代表的する作曲家の一人です。

(と言いながら、すみません、私は7、8年前まで知らなかったのですが

すでに音楽史の流れには新しい動きもありましたが、この時代に作られたにもかかわらず、

前衛的でなく、だれにも親しみやすいメロディーで、機能和声に新しい響きやリズムがとり合わさり、

「新古典主義」に分けられることもあります。

このあたりは、絵画もそうかもしれないけど、どういう表現をするのかってむずかしいなと思います

 

この「前奏曲とフーガ」は、映画「スピットファイア」(1947年)からまとめ上げられた曲で、

日本未公開のその映画は、イギリスの戦闘機「スピットファイア」の生みの親、R.J.ミッチェルの生涯を描いた作品で、

作品公開の際にも、数々のドラマがあったようです。

  

曲は、まず前奏曲の勇壮で輝かしい金管楽器のオープニングが、なだらかにオーケストラに迎えられ、

明るく堂々としたスケールの大きな曲想は、エルガーの「威風堂々」や

ワーグナーの「マイスタージンガー」のプレリュードも思い起こします

続くフーガは、八分音符と十六分音符による小さなモティーフが、

緻密でリズミカルに編み上げられていくように、緊張感を持ってすすんでいき、

中間部では、ヴァイオリンの美しく悲しい歌が聞こえてきますが、

最後は再び、フーガのモティーフに、先の前奏曲で出てきたテーマが重なり、

輝かしい響きとともに幕をとじます。

 

風薫る5月も後半、

大空を翔るような曲を聴きながら、元気に明るい季節を

 


ショパン・プレリュード・ Op.28 No.15 (雨だれ)

2013年05月10日 | 音楽

Vladimir Horowitz plays Chopin's "Raindrop" Prelude in D flat Major, Op.28 No.15 (ウラディミール・ホロヴィッツ・ショパンプレリュードOp.28-15)

 

雨降りの一日 その非日常も悪くない、と、うちの息子。

(続いたら、洗濯物がかわかなくて困る私です

先日のCD持ち寄りドライブで、一人が、ブラームスのヴァイオリンソナタ一番を持ってきてくれていて、

「雨の歌」とも呼ばれているその素敵な曲を、ちゃんと雨の日に選んできてくれだんだな、と思いました

今日は、そちらと悩んだけれど、

最初に思い浮かんだ、

ショパンの前奏曲第15番、「雨だれ」を。(これもショパン自身がつけたのではないけれど

そのタイトルが情景や心情をあらわしているようですね。)

この曲が作られた頃は、だんだん体調も悪くなってきていました。

曲中通して聴こえてくる八分音符の音・・・

属音がずっと続くドミナントペダルというのかな、(第71小節目だけが嬰ハだけど、ここでもトニックではない、と思います。)

優しさと、どこかあぶなげなもろさを感じる変ニ長調から中間部の嬰ハ短調で一変して、

最後に、わずかに初めの変ニ長調があらわれます。

やっと少しほほえむことができたのだと思いたいです。

 

ずっと昔、ホロビッツが晩年に来日された時、さまざまな事が話題になったなかに、

チケット代金がその時代としてはとても高い、たしか五万円だったこともありました。

当時まだお元気だった私のピアノの先生は、それを手に入れて、東京まで行かれ、

帰ってこられて、もっと早く日本で演奏して欲しかった、とつぶやいておられたけれど、

そんな偉大なピアニストと同じ空間を共有でき、音を聴けたなんて、

学生の私にはうらやましい限りでした

天の上の演奏家の音、そして天の上にいってしまわれたピアノの先生のことも思い出して、

聴いてみたいです

 

 

 

 


グリーグ 「ホルベアの時代」よりプレリュード

2013年05月04日 | 音楽

連休も後半になりました

子供が小さい頃は、テーマパークや行楽地に必ず遊びに行って、

5分くらいのコースターのために2時間並ぶのも苦でなかったり、

帰り道に渋滞に巻き込まれても、楽しかったねー!と、

くりかえし流れるアニメソングを歌ったりしながら帰り、

思えば、ほんとに若かったものです

今はお休みはゆっくり過ごす方が好きかなあ。

 

先日大きくなった子供たちと、久しぶりに出かけた時、

さわやかな初夏のドライブにはこれだ!と、選んだCDの一枚に好きなこの曲。

(当日は、どしゃ降りでしたが

佐渡裕さん指揮・スーパーキッズオーケストラ2010・ホルベアの時代より

(動画先に飛びますので、よかったらお聴きください。)

 

「ホルベアの時代」は、グリーグと同じノルウェイ生まれでデンマークで活躍した

文学者のホルベアをたたえて、彼の生誕200年記念祭のために、まずピアノ版が、

翌年弦楽合奏版がつくられたということで、1884年、グリーグ41歳の時の作品。

 

弾むリズムと美しいメロディーに心躍り、第42小節目に主題が戻ってきたところなどは、

思わず飛び上がりたくなります!

風薫る5月、元気に残りのお休みを!

 


新・フェスティバルホールのさださんのコンサート

2013年04月25日 | 音楽

最近までヒミツにしていたけど、実は、学生時代からさだまさしさんのファンです

どうしてさださんのファンになったかは、まだ内緒ですが、

昨日は、2008年からリニューアルのためしばらく閉館していた、

新・フェスティバルホールでのオープニングシリーズとしての、

さださんのコンサート<~おかえり~>に行ってきました!

 

このホールは大阪・中之島に1958年に作られた、客席数2700席という素敵なホールです。

今回は、外見もすっきり一新で椅子の幅だってゆったり

客席の傾斜など改善されましたね!

(前の2階席の後方はすごい急階段で、けっこうこわかったものです

エントランスからの赤いカーペット、新しい緞帳の絵巻の柄などもすばらしかったけれど、

ちゃんと前のホール名の字体やレリーフ、などが残り、

やっぱりここはフェスティバルホールだな~!と、うれしくなります

 

それで、すみません、曲名や内容については言えないのですが

さださんの通算3985回目、フェスティバルホールでは204回目のコンサートである今回は、

コンサートのタイトルにふさわしい、なつかしい曲がならび、

やぜひ歌ってほしいなと願っていた曲ばかりでしたが、いつにもまして熱気が!

(さださんのヴァイオリンもたくさん聴けましたよ

会場もあたたかい雰囲気につつまれていて、みなさんで一緒に歌ったあの曲やかの曲

そして、6時に始まったコンサートはトークと歌でいっぱいで、

9時15分に長い長い拍手とともに終わりましたもう感無量です。

 

天から降り注ぐようだと言われている、このホールの響きが再びもどってきたのを聴けた、

しみじみ感激の一日でした!

 


チューリップの歌の季節に

2013年04月22日 | 音楽



我が家の小さい庭でも、少しだけチューリップが咲いています。

10年前まで地域のシルバーコーラスの伴奏をしていて、当時は、毎週楽譜書きにおわれてバタバタしていましたが、

けっこう知っているつもりだった童謡唱歌にも、まだまだ知らない歌があったり、

新しく見つけることがらもありました。この歌もそのひとつです。

 

 「チューリップ」            近藤 宮子 作詞

  1. さいた さいた チューリップのはなが

     ならんだ ならんだ あか しろ きいろ

     どのはなみても きれいだな

 そして、

                      教育音楽協会

  2. ゆれる ゆれる チューリップのはなが

    風に ゆれて にこにこわらう

    どのはなみても かわいいな

  3. 風に ゆれる チューリップのはなに

    とぶよ とぶよ ちょうちょがとぶよ

    ちょうちょとはなと あそんでる

1番の歌詞は昭和の7年7月「エホンショウカ(ナツノマキ)」発表です。

「さいた」の部分で、音も一つずつ上がって、お日様のほうに開くような感じが

「ならんだ」の部分も、音も階段に並んでいます

そしてことばのくりかえし、

お母さんと子供がまねっこして歌ったり遊んだりするのにも楽しいです。

「どの花みても」では音が高くなり視界が開けて明るくなり、

再びふわりとやわらかに音が下がってきて、終わりますね。

だれにも覚えやすいメロディーに、音の高低と歌詞が自然に合うように作られた曲ですね。

 

2、3番は、昭和38年4月の新しい作品です。

1番の歌詞もふまえているけど、

1番だけでまとまっているので、歌われる機会は少ないかも知れません。

でも、「にこにこわらう」、「どの花もかわいい」、・・・お花のことのようでもあり、

子どもたちのことのようでもあります。

チューリップの季節になると、小さい子達と、この曲を3番まで、歌ったり弾いたり遊んでいます


グリーグ/抒情小品集より「アリエッタ」Op.12-1 

2013年04月20日 | 音楽

 

アリエッタとは、オペラや喜劇の中の短いアリア(歌曲)のことです。

(「そよ風」という意味もあるそうです。)

グリーグが1867年から1901年までに作曲した

「抒情小品集」の第一曲目、彼が24歳の時の作品。

変ホ長調の優しい響きのメロディーが、

ためらいや憂いを持って、それでも前に進むような気がします。

上昇していくアルペジオや、最後の第3音の余韻は、

シューマンの「子供の情景」の第一曲目を思い起こすようです。

この小さい曲が、長い旅の始まりとなり、

終曲「余韻」では、再びこのテーマが3拍子になって出てくるのも感慨深いです。

 

(動画先へいきます)

グリーグ/抒情小品集より「アリエッタ」Op.12-1/演奏:鈴木 直美

 

私事ですが、今日は、13年通っていた生徒さんSちゃんの卒業のレッスンでした!

長く成長を見守ってきた生徒さんを送り出せることが幸せでもあり、

でも、小さい時から見てきただけに来週からは会えないことが少しさみしくもあり、

そんな時に頭に流れてきたこの曲。

これからも元気で頑張っていかれますように!

  


クロード・ドビュッシー / 亜麻色の髪の乙女 

2013年04月16日 | 音楽

時々、家に娘とアンサンブルの練習に、ピアノ以外の楽器の人が来て、

演奏を聴いたり、ちょっとお話をうかがったりするのを楽しみにしています

いつかはお茶つきの「スタジオ・lemon」のオーナーに!「ティーハウス・lemon」でもいいな

(いや、・・・ないでしょう

他の楽器の方の演奏を聴いていつも思うのは、ああ、ピアノも呼吸して弾こう、ということです。

 

クロード・ドビュッシー / 亜麻色の髪の乙女 : 吉岡次郎

 

亜麻色・・・子供のとき、この言葉の響きもきれいだな、とあこがれた曲です。

(でも、またもやっぱり私はまちがって想像していて、

この色のことを、麦わら帽子色、っていうのかな、お日様があたってさらさらっとした色を思い浮かべていました。

これは、カフェオレ色とも言いたいな、茶色系に少し灰がかった色で・・

そうでした、リンネルの布の色、だったのですね

 

ペンタトニックの響き、変ト長調の色合い、

最近大人の生徒さんが弾かれましたが、

音はシンプルでも、やはり奥行きのある曲だと思います。

シャープやフラットがたくさんついていると、苦手な人もあるとは思いますが、

それでも、だからと「簡単」で「楽しいよ」と言って、移調した楽譜を渡すのでなくて、

調号のたくさんついているその調の持つ響きの美しさを感じられるような、

そしてそのことを「楽しい」と思えるようなレッスンができたらなあ、

と、思うのですが・・・どうかな?