リスト/巡礼の年報 第1年「スイス」 4.「泉のほとりで」,S.160/R.10,A159
この前読んだ本の影響で、リストの楽譜を取り出してきました。
比較的最近・・・といっても5,6年前だ当時習っていた、大学の先生のところに、
このかわいい曲が好きです、と持って行ったところ、
先生はにこやかに、しかしさらりと、
「こういう無邪気で細かい動きの曲は、私は苦手ですよ。」と、
別の曲をすすめられ、それでも、引き下がらず見ていただいた思い出?があり、
今となっては本当に反省したいのでした(>_<)
さて、タイトル通り、水がわき出てくるような曲、
右手の、流れの上声部と、水面がきらきらするような内声の
拍の頭にできる倚音(いおん・「倚」の字には寄りかかる、の意味があります)の響きに、
前にすすみたい力を感じ、
左手は水が弾むように右手と交差して、楽しいリズムを作っています。
具体的に描写する音楽ではないと思いますが、たとえたら、
ささやかな笑い声のように始まった水の流れは、
幅や表情を変えながら、小さな滝や渦巻きのような経過句を挟んで進み、
流れから遠ざかり、おだやかにほほえむように終わります。
久しぶりに楽譜を見返したら、最初の、sempre non legatoが目に入りました。
当時、するっと弾いてしまったけれど、もっとこぽこぽと音のつぶが湧き上がるように弾きたいと思う最近です。
とても思い出深い曲なんだけど、
今、振り返ってみれば、自分がどのように弾いたのか、
まったく覚えていなくて、
入試直前に、その大学の先生の所にレッスンに行った時に、
同じ受験生の子が弾いていた演奏が、とっても記憶に残ってるんです。
こんなに柔らかくて色彩豊かで、どんな鋭いものも一瞬のうちに優しいものに変わるような音だったのに、
当時の私は、他のエチュードやベトソナと同じように
ガツガツに弾いていたかもしれないなぁ・・と思ってしまいます。
lemonさんが、この曲が好きというのもわかるなぁ・・
この曲には、その時のそうした夢ねこさんの特別な時間や思いがいっぱい詰まっているんだね
きっとそれもまたその年齢の夢ねこさんの、すてきな演奏だったろうな
(今の夢ねこさんのピアノも聴けますように)
あっさり花マルがついてしまった、私のへたなこの曲(う~子供みたいやわまだまだ弾けていないってむきになったら、「かわいいね。」って先生は笑うねん)
ここからは自分で考えなさいって意味だね