久しぶりに博士課程後期総合ゼミのクラスを聴講した後、パソコンの前で資料の印刷などして過ごして夜9時には駐車場に向かった。野外ライトに照らされてサッカ―に興じる若者たちの声が聞こえる中、私の耳には懐かしいコウロギの鳴き声が入ってきた。思わずデジカメで草むらを撮った。すると雨蛙の大きなコーラスもまた聴こえてきた。夜の雑草の中の音楽会が繰り広げられている。このコーラスをいっしょに聴きたいね。
コウロ . . . 本文を読む
5月15日は復帰記念日である。特別な催しがあるのだろうか?毎年復帰記念平和行進がなされる。本来のあるべき沖縄の姿を求める政治的な活動の一環である。日本本土からも多くの方々が参加する。この間ほとんど平和行進に参加したことがない。学生時代のあの政治の嵐からすでに遠くに来てしまった。かといって状況が改善されたとは言えない。今でもヤンバルに帰ると米軍演習地からは機関銃の実弾訓練の生々しい音が聞こえてくるの . . . 本文を読む
以下の詩編は与那覇幹夫(山之口貘賞受賞・現選考委員)の最新詩です!詩集『母音・子音』に収録される予定だそうです!同氏は以前発表した詩を改稿、これをもって決定稿とするようです! 【俯(うつむ)く時代は】 少女たちが今、 携帯(メール)を打ちながら 周りを気にも止めず 赤信号を渡って行ったが 少女たちはこの先―、 幾つかの信号を . . . 本文を読む
『生首』の詩集を右ならえして
即興詩でもつらねてみよう。
詩がことばの凝固の美なら
これは思いつきの言葉のたれながし
詩の神への冒涜か?
若いころ読んだボードレール
の詩集『悪の華』には確か「女の生首」が描かれて
いたような記憶がー?
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【石を抱く男】
へらへら笑う顔が
消えて
凡庸な塊が歩いている。
心の中で
刀を振り上げる
エイ!
男の屍骸がこ . . . 本文を読む
【生首】という題のおぞましさに惹かれてその詩集があるかと聞くと身近にいる詩人は持っていた。それで急いで読んでみた。同時に読んだ後で若者にも手ごろに見えたホームレスに石を投げつけて殺した詩「ズボズボ」を読ませてみた。すると「学校の教科書にのせて虐め問題を考えさせるのにいいね。こんなものが今の詩の時流なの?」などと聞くので、長い散文詩「入江」と「地蔵背負い」をさらにページをめくって見せた。「入江はよく . . . 本文を読む
「八月十五夜の茶屋」関連論文の御紹介です。名嘉山リサさんの完全論稿は「独立行政法人国立高等専門学校機構沖縄工業高等専門学校紀要」としてON-LINEで読めます。ただコピーや印刷はできません。総論を書いた私の論にディテールで埋めているというのが感想ですが、徐々に『八月十五夜の茶屋』の小説、演劇、映像の中身は掘り下げられています。おそらくこのプロジェクトが最初の膨大な資料に基づいた論稿の山(?)となる . . . 本文を読む
(「新むんじゅるー」の場面、さゆきさんは右端で最近ふくよかな美しさが増した)
朝11時開演の劇団伊良波(伊良波冴子座長)の舞台をまず最初に見た。伊良波冴子さんは琉球歌劇のマドンナのような方でその美声にはいつもほれぼれしている。冴子さんの姪の伊良波さゆきさんがしっかりと伊良波尹吉(彼女の祖父・天才的琉球歌劇戯作者・役者)の作品を「沖縄芝居役者」として継承している姿は、いじらしいほどに頼もしい。さゆ . . . 本文を読む
琉球古典音楽の中でも詠われる伊集の花が満開である。母の日は恒例の沖縄芝居が花盛りだが、今年は3劇団の舞台を見ることができた。宜野湾、那覇、そして石川へと車で移動したのだが、自動車道で満開の「伊集の花」に魅了された。
辺野喜節
伊集の木の花や
あんきよらさ 咲きゆい
わぬも 伊集やとて
真白さかな
(伊集の木の花は真白な花であんなに美しく清らかに
咲いている。わたしも伊集の木のように美しくあり . . . 本文を読む
Southern Review No. 23 (2008)米軍政府批判テキストの「汚染の言説」―ジョン・パトリックによる『八月十五夜の茶屋』の翻案-渡久山 幸功
この論稿は好評でしたが、渡久山さんの希望でこのブログから削除いたします。関心を持たれた方は琉球大学図書館所蔵『Southern Review』No.23、2008年を読まれてください! . . . 本文を読む