志情(しなさき)の海へ

かなたとこなた、どこにいてもつながりあう21世紀!世界は劇場、この島も心も劇場!貴方も私も劇場の主人公!

東アジア共同体研究所(EACI) News Weeky Vol.047 「琉球共和国」

2015-11-29 06:19:03 | 日本の過去・現在・未来

東アジア共同体研究所(EACI) News Weeky Vol.047 「琉球共和国」

 
受信トレイ
x
 
 
 

東アジア共同体研究所(East Asian Community Institute/EACI) puberr.backend.sys.combz.jp 経由

13:09 (17 時間前)
 
To 自分
 
 
 
 
 
================================

    EACI News Weekly 第47号(11月27日号)
   東アジア共同体研究所(East Asian Community Institute )
    http://eaci.or.jp/

================================
 「いいね!」で、東アジア共同体研究所の最新情報をお届けします。
Facebook : http://www.facebook.com/east.asian.community.institute
================================
 【目次】

 【1】《今週のニュース 11/21-11/27》
  政治(3)、経済(3)、国際(2)、社会(2)

【2】《UIチャンネル放送予告 No.129》
 11月30日(月)20時
 「やんばるから平和の発信を」
 http://live.nicovideo.jp/watch/lv243271507

 【3】《EACIレポート》
 12月17日早稲田大学で開催されるイベントに孫崎享所長が登壇
 http://www.waseda9.org

 【4】《研究員コラム》
 緒方修(東アジア共同体研究所 琉球・沖縄センター長)
「琉球共和国」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【1】《今週のニュース 11/21-11/27》
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【政治】
■石垣島に500人規模の陸自配備へ 南西諸島の防衛強化
 (朝日新聞  2015.11.26)
http://www.asahi.com/articles/ASHCV4WG6HCVUTFK00K.html

■首相、辺野古「確固たる決意」 米海兵隊トップに
 (琉球新報 2015.11.26)
http://ryukyushimpo.jp/kyodo/entry-178006.html

■宜野湾市長選:辺野古が争点 志村氏政策発表
 (沖縄タイムス 2015.11.27)
https://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=143348

【経済】
■民主 TPP政策大綱検証し追及へ
(NHK 2015.11.27)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151127/k10010320941000.html

■ 中国首相:自由貿易区、中央部や西部など他地域にも拡大すべきだ
 (ブルームバーグ 2015.11.27)
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NYFKP36JIJUR01.html

■ASEAN経済共同体発足へ署名式
(NHK 2015.11.21)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151122/k10010315881000.html

【国際】
■ ロシア軍機撃墜でトルコに報復、投資凍結・輸入制限など制裁策定
 (共同通信 2015.11.27)
http://jp.reuters.com/article/2015/11/26/mideast-crisis-russia-turkey-wrapup-idJPKBN0TF23F20151126

■「深刻な懸念」、中国けん制=南シナ海で東アジアサミット議長声明
 (時事通信 2015.11.24)
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2015112400735

【社会】
■抗告訴訟議案提出へ 県議会開会 知事「正当性主張」
 (琉球新報 2015.11.25)
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-177655.html

■「辺野古問題」のゆくえ
(ハフィントン・ポスト  2015.11.26)
http://www.huffingtonpost.jp/hiroshi-meguro/henoko_b_8637606.html

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【2】《UIチャンネル放送予告 No.129》
 11月30日(月)20時
 「やんばるから平和の発信を」
 http://live.nicovideo.jp/watch/lv243271507
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

11月30日(月)20時からの第129回UIチャンネル放送は、「やんばるから平和の発信を」(取材:東アジア共同体研究所 琉球・沖縄センター)をお送り致します。

■11月30日(月)20時「やんばるから平和の発信を」
 http://live.nicovideo.jp/watch/lv243271507

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【3】《EACIレポート》
 12月17日早稲田大学で開催されるイベントに孫崎享所長が登壇
 http://www.waseda9.org
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

当研究所の孫崎享所長が12月17日、早稲田大学で開催されるイベントに登壇いたします。前々回のUIチャンネル出演者である山口二郎氏も同じ場に出る予定です。

■■■ 早稲田から安保法制を撃つ! Democracy Strikes Back!! ■■■

日時:2015年12月17日(木)18:15~20:40
場所:早稲田大学・大隈記念大講堂(座席数1121席)

タイトル「立憲主義・民主主義と平和を考える早稲田大学の集い
 ~早稲田から安保法制を撃つ! Democracy Strikes Back!!~」
共催:安全保障関連法の廃止を求める早稲田大学有志の会
   早稲田大学メディア・シティズンシップ研究所

講演:
<第1部> 学術編 立憲主義・民主主義の危機を語る~研究者・専門家から学ぶ~
長谷部恭男(早稲田大学)
孫崎 享 (元外務省情報局長)
竹信三恵子(和光大学)
青井未帆 (学習院大学)

<第2部> 文化・芸術編 ~危機を嬉々として楽しむ~
神田香織(講談師)
ほか

<第3部> 現場編 立憲主義・民主主義の危機に抗して~国会内外の活動から学ぶ~
山口二郎(法政大学・学者の会・立憲デモクラシーの会)
福山哲郎(民主党)
田村智子(共産党)
高田 健(総がかり行動)
ほか

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【4】《研究員コラム》
 緒方修(東アジア共同体研究所 琉球・沖縄センター長)
「琉球共和国」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
琉球共和国
私の沖縄ノートは既に50回に近づいている。これまで一度も沖縄独立のドの字も出てこないことに奇異な感じを持たれている人がいるかもしれない。先住民としての権利を唱える琉球民族独立総合研究学会が出来たが、ここには沖縄人以外は入れない。ヤマトンチュに対しては逆差別、これが受けたのか会員はたちまち増えた、と聞く。過去、数百年、ヤマトからの積み重なった差別に比べれば、これくらいの異議はむしろ控えめすぎるかもしれない。しかしこの学会の方針が大方のウチナーンチュに受け入れられたとしても現実の独立運動には結びつかないような気がする。
沖縄独立を語るには、日本との政治・経済・文化の関連、つまり歴史上のつながりや、周辺アジア諸国、との外交の歴史などもわきまえておかねばならない。もちろんこの地域を牛耳る米国、中国、「日本」の動きに眼を光らせ、遠くスコットランド、カタルーニャなどの自立の動きを学ばねばならない。いやでも軍事・外交上の厳しい検証も必要。特に日本の外務省を中心とする勢力が何をしかけてくるか、予測しなければならない。独立宣言をした瞬間に日本からミサイルが飛んでこないとも限らない。独立の動きは、日本政府が、米軍と結託し、しかも米軍は手を下さないで、直接日本本土からつぶされるに違いない。
そんなことは承知の上で竹中労は「汝、ニッポンではない」と唱えたのだろう。

今回はほぼ半世紀前に出版された本をご紹介しよう。沖縄現代史の正史から外れた「琉球共和国」(竹中労―ちくま文庫)、「反国家の凶区」(新川明―社会評論社)。そして8~90年前の時間の底から水面に浮かんでくる泡のようなつぶやきを聞いてみよう。「沖縄文学選」(勉誠社)から、「奥間巡査」(池宮城積宝)、「滅びゆく琉球女の手記」(久志富佐子)。
前の2冊は復帰運動はなやかなりし頃、日本復帰に逆らう反復帰論が基調をなしている。「琉球共和国」の副題は「汝、花を武器とせよ」。琉球独立、アジア最貧民との連帯を唱えた、猥歌いっぱいの楽しい本だ。

史上最低の国王
「琉球共和国」には、現在も学ぶべき根底的な指摘がある。
竹中は、琉球王国の繁栄を過去のユートピアとして持ち上げるのを止めよ、そうした思想では平和憲法・経済大国ヤマトへの復帰を拒否することはできない、と強調する。
尚真王(1477年~1526年在位)は歴代第一の名君とされる。この間に寺院、墓陵が築かれ橋が架かり、道路が整備された。つまりインフラが整い、染色、工芸、音楽、舞踊も盛んになった、というのが「定説」だ。
竹中によれば「史上最低の国王であったと尚真王を規定するべきなのだ。この馬鹿王は、ポルトガル進出でアジア貿易の主導権を奪われていく厳しい情勢をかえりみず、豪勢な家を建てたり、池を掘ったりすることに凝り、華美な織物や陶器を愛で、美女の膝を枕にチクトンテンと歌舞に明け暮れて、祖(おや)が貯えた財産を蕩尽してしまった。」
竹中は―この治世が、琉球人から進取の気象(性?)を奪い去り、海洋独立国としての主体を腐食、喪失させた半世紀であった―と「正史」を逆転させる。
正史では、薩摩侵攻。しかし・・真実は琉球王どもが戦わずして負けたのではないか。
「オエラガタにあてこすって申そうなら、首里城明け渡し金持ちケンカせず悲憤慷慨するこたァない。そもそも慶長の役=薩琉戦争の勝敗は火器の優劣で決まった。ポーヌサチカラピヌンイジティ(注・棒の先から火が出た)、原爆をくらった第二次世界大戦のニッポン低国とご同様、無条件降伏ギブアップ。敗戦の弁解までそっくり。「無辜の民草をこれ以上殺傷することは忍び難い・・」そらぞらしいことを!」
竹中は琉球の支配者を腰抜け、とののしる。
彼が評価するのは「各の義勇兵である。近代兵器である種子ガ島銃に山刀、鍬、豆打棒をふるって立ち向かった、無名無告の戦士たちである。この真に勇敢であった人々を想え!」

ちなみに竹中は米軍基地襲撃プランを立てていたが、実現しなかった。
沖縄ヤクザとも共闘を考えていたのかもしれない。沖縄のヤクザは米軍の武器を容易に入手できる。米軍から盗むのだ。いやヤクザに限らず誰がも(沖縄では誰もが、と言わない)やっていたことだ。「戦果」といって、コーラやビール、レーション(アメリカ弁当)、缶詰は言うに及ばず、建材をトラックで盗み出し家を建てた者までいる。
私が、復帰直後に初めて沖縄を訪れた時、米軍の払い下げ?店が山ほどあった。店内にバズーカ砲、屋上に軍用飛行機が載っているのを見て、唖然としたことがある。
時期は、ずれるが、第4次沖縄ヤクザ抗争の真っ最中(昭和50年1月)に沖縄連合旭琉会山原派の特別行動隊のアジトなど6カ所から押収された武器は以下の通り。「ベトナム戦争で使われた米軍用自動小銃M16ライフル2丁、自動短銃3丁、ドイツ製ワルサー38口径1丁、ルガー25口径1丁、イタリア製ベレッタ25口径1丁、米軍用手投げ弾M26A型2個、45口径短銃の実弾199発、自動小銃弾495発、38口径短銃弾25発、25口径短銃弾99発、自動小銃弾倉11個、22口径短銃弾倉2個、銃剣1丁、ヌンチャク、手錠など」「旭琉」(山平重樹―幻冬舎アウトロー文庫より)
これに比べると高倉健のヤクザ映画が、微笑みたいくらい牧歌的に見える。
竹中と同時期に沖縄に入り映画作りをしていた同志に布川徹郎がいる。ドキュメンタリー映画「モトシンカカラヌー(元手がかからない=売春婦)」を完成させた。彼らのグループは黒人兵の中のブラックパンサーとも話をつけ、本気で米軍基地破壊工作を考えていた。

反国家の凶区
凶区の凶とは「凶状持ち」の凶。気になって手もとの辞書(角川必携 国語辞典)を引けば、出ていない!岩波国語辞典では「前科者」と一言。
辞書ふうに記せば「国家に反対の前科者たちが住む区域」。では沖縄は刑務所か更生施設か、自ら凶区と言ってる意味は、と疑問が起きる。副題は「沖縄・自立への視点」と急におとなしくなる。著者は沖縄タイムスの元記者、後に社長・会長まで務めた新川明氏。

竹中労は名君「尚真王」を馬鹿王と言った。
新川明は沖縄学の創始者「伊波普猶」を、民権運動の英雄「謝花昇」を、そして当時熱狂的に進んでいた「祖国復帰運動」をこき下ろす。
伊波は「日琉同祖論」をかねて唱えていた。後知恵で批判するのは簡単だが、その頃は「今の琉球人は早く日本人と同化するのが幸福を得るの道」と発想した、としてもやむを得ない。
新川は、敗戦直後の日本共産党がアメリカを“解放軍”と規定したことにもふれ、伊波が「民主主義の守護神視されていたアメリカの庇護のもとでの沖縄独立を描いたとしても怪しむに足りない、といい得るだろう。」と指摘。
「だとすれば、伊波のこのような発想と論理は、かつて伊波自身が「沖縄人の最大欠点」として糾弾した「忘恩思想」と「娼妓主義」の事大主義を、みずから身をもって立証したものにほかならず、「沖縄人の第二の天性となって深くその潜在意識に潜んでいる」と排斥した「御都合主義」から、伊波自身も逃げることが不可能だったことを物語るものである。」

謝花昇についても厳しい。日本の自由民権運動が、帝国議会の開設と共に、天皇制国家権力の形成主体となって自壊していった、と記した後、以下のように述べる。
「そのような日本自由民権運動の決定的な崩壊期においてなされた沖縄における謝花らの自由民権運動とそれを支える思想もまた、天皇制国家の成立を規定づける「明治憲法体制そのものに対する疑惑も批判も全く持ち合わせなかった」ばかりでなく、むしろそのような明治憲法体制に対して強烈な救済幻想を持った地点から発想されていた、と考えられる、ということが私の想定であった。」

上記の二つの引用から、祖国復帰運動の幻想に対する批判も容易に想像できる。
ここではその先を予言したような一節を引用する。
「沖縄の存在は、日本[本土]の体制変革の拠点となり得る歴史的、地理的な可能性を所有していると私は考える(この点はなお多くの説明を要する)が、本土への幻想をつぶされた沖縄の思念を思想化し、日本(本土)を否定する存在として沖縄を日本(本土)に対置する闘争を沖縄で持続的に、しかも熾烈に闘うことによってその可能性は現実性を持つことになることは間違いない。」
この後に「全軍労闘争は、その起爆剤として存在している点で、その闘争は私たちの想像力=革命への構想力を問うているといえるのである。」と述べている。

残念ながらいま全軍労闘争はないが、辺野古闘争が違った形で新しく日本本土の体制変革の拠点となりつつあるのではないか。
新川氏の本を乱暴に引用したが、当時真っ盛りの復帰運動に冷や水を浴びせる行為だったろう。主流をなす党派からは毛嫌いされたに違いない。

最後に1922年に「解放」に発表された「奥間巡査」(池宮城積宝)と1932年に婦人公論に発表された「滅びゆく琉球女の手記」(久志富佐子)から数行引用する。

「奥間巡査」より・・出身の奥間百歳は、巡査を志願し見事合格する。ところが勤務についた途端に態度をガラリと変え、人びとの期待を裏切ってしまう。民に対し、これまでの生活を改めるように厳しく言う。
「それから、夜遅くまで飲酒して歌を歌ふ事も禁じられて居る。酒を飲む事を謹んで、もっと忠実に働いて、金銭を貯蓄して今よりも、もっと高尚な職業に就くようにしなければならない。」―「奥間巡査」。

「滅びゆく琉球女の手記」より・・琉球女である主人公には叔父がいる。たまたま帰省した叔父は、別れ際にこう言い捨てる。
「僕の籍は×県へ移してありますから、実は、誰も此方(こちら)の者だってこと知らないのです。立派なところと取引をしてゐるし、店には大学出なんかも沢山つかってゐるので琉球人だなんて知られると万事、都合が悪いのでね。家内にも実は、別府へ行くと云って出てきたやうなわけですから、そのおつもりで・・」―「滅びゆく琉球女の手記」
この小説については沖縄県学生会前会長と会長が、著者を訪ね謝罪を要求する。
著者・久志富佐子は次のような「釋明文」を出す。
「学生代表のお話ではあの文に使用した民族と云ふ語に、ひどく神経を尖らしてゐられる様子で、アイヌや朝鮮人と同一視されては迷惑するとの事でしたが今の時代に、アイヌ人種だの朝鮮人だの、大和民族だのと、態々(わざわざ)段階を築いて、その何番目かの上位に陣どって、優越を感じようとする御意見には、如何(どう)しても、私は同感することが出来ません。」そして久志富佐子は二度と小説を書くことはなかった。

この小説が書かれた80年前と今では時代が違う。しかし沖縄県知事が「差別と感じる」状況は依然として続いている。ヤマトに対する「救済幻想」は今はない。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 ■メール内容に関するご意見・ご要望はこちら
 アドレス:info@eaci.or.jp
 ■購読解除はこちら
 アドレス:info@eaci.or.jp
発行  :東アジア共同体研究所
      〒100-0014 千代田区永田町2-9-6 十全ビル706
 WEB  :http://www.eaci.or.jp/
 Facebook:https://www.facebook.com/east.asian.community.institute
 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
本誌に掲載されている文章の無断使用及び転載を禁じます。
Copyright (C) 2015-2015 東アジア共同体研究所 All rights reserved.


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。