志情(しなさき)の海へ

かなたとこなた、どこにいてもつながりあう21世紀!世界は劇場、この島も心も劇場!貴方も私も劇場の主人公!

2013年度の河竹賞は渡辺保著『明治演劇史』、奨励賞笹山敬輔著『演技術の日本近代』ジュンク堂書店で購入

2013-07-05 21:54:20 | 表象文化/表象文化研究会

プロローグ 明治元年、天皇東征

第一章 近代とはなにか

第二章 天皇制国家

第三章 新時代の隆盛

第四章 改革の嵐の中で

第五章 新しい歴史の一頁

第六章 新しい演劇地図

第七章 歌舞伎と新演劇

第八章 激動の二十世紀

第九章 明治の終焉

エピローグ 天皇崩御ー明治という時代ー。天皇制による軍事独裁婚だった日本、建て前は立憲君主制だった、と渡辺氏。演劇における写実のへの思考、リアリティの追究(様式のリアリティもある)、リアリズムではない。ーー近代の終わり(明治の終わり)に個人としての女優・女が舞台に立つ。

参考文献は膨大だが、学術論文のように詳細な注釈が全くない専門書である。日本流なのだろうか?プロローグから近代まで夢中になって読んでいるが、面白い。お能、歌舞伎、文楽が直面した江戸の崩壊と明治維新。冒頭に天皇の身体の二重構造をもってくるのが象徴的である。和魂洋才、世界の外側から押し寄せる近代的な西欧文化、対する日本古来の伝統の温存、その両極による二重構造!ーーんん、今に続く構造。

近代の特徴としての、個の感性、写実性、ドラマ性、新しい技法と伝統的技法の問題、劇場の整備、経営の合理化、検閲・鑑札・課税ー私財で建てられた劇場、劇中の人間そのものを追及した能、歌舞伎、文楽。

旧体制の崩壊によって一般社会に放り出された芸術家の内部、あるいは製作者の内部から起こったもの、その精神の向こうににこそ、深部にこそ、「近代」があらわれていたのである。----んん、なるほど読ませます。分厚い本だけど、やはりわたしには沖縄との比較検証という意味で興味深い。近代とはなんだったのか?in Okinawaです。

これは引き込まれて読ませる本ですね。

 


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