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「金井喜久子物語」は興味深い!NHKの朝のドラマで取り上げられてもいい宮古島出身の日本が誇る女性作曲家ですね!

2022-11-10 10:39:06 | 琉球・沖縄芸能:組踊・沖縄芝居、他

金井喜久子https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%91%E4%BA%95%E5%96%9C%E4%B9%85%E5%AD%90は、戦前の沖縄の歌姫多嘉良カナの妹。お二人は宮古島出身で川平家のお嬢さんでした。川平家は首里の由緒ある名家です。首里から宮古島に検見使者相附として派遣された川平里之子親雲上朝章と現地妻(宮古)の美しい女性マツとの間に生まれたのがオミトで、彼女が来間家から養子に迎えられた朝儀と結婚して生まれたのが、川平喜久子やカナです。一男三女の次女(カナ)と三女(喜久子)になります。

男系の血筋ではなく養子縁組による女系だということが興味深いです。同じ川平門中と川平朝清さんがチラシに登場しています。男系ではなく女系の系譜は、王府時代や戦前は、珍しくなかったのかもしれませんね。川平家の娘としての誇りを懐いていた喜久子とカナです。
 しかしカナは川平朝章が辻遊郭に囲っていた詰みジュリ(愛妾)新垣ツルの養女になります。金井喜久子の著書『愛のトゥバルーマ~ある歌姫の物語~』を読むと、金井喜久子の宮古や那覇での戦前の生活の様子がうかがえます。喜久子の音楽への情熱の凄さ、先駆的なエネルギーの根本に何があったのでしょうか。沖縄への思いの深さに圧倒されます。

多嘉良カナの養女になった多嘉良和枝がカナを継承し、多嘉良カナとして歌三線としてチラシに登場します。初代多嘉良カナの残した歌を披露するのでしょうか。その多嘉良和枝の実の妹が「大城幸子」です。先日他界しました。
和枝さんと幸子さんはお母さんが同じ城間鶴子でお父さんは異なります。幸子さんの父親は米兵のようです。ゆえに『ソ-ッツカミジャ-』と呼ばれたのですね。多嘉良カナと城間鶴子は戦後の料亭で知り合っています。鶴子さんはカナさんに劣らない歌三線演唱者だったと言われています。

大城幸子さんから多嘉良カナや金井喜久子について聞き取りした事柄を含めて戦後の沖縄女性のオーラルヒストリーとして残したいと考えているのですが、興味深い戦後史の彩りです。喜久子とカナ姉妹の愛情と相克、多嘉良和枝と大城幸子姉妹の愛憎の人生が二つ重なってくるようです。

作曲家としての金井喜久子の情熱(パッション)の根にあったもの、そのスケールの大胆さは、戦前の沖縄を考える時、想像を超えます。何が彼女を突き動かしたのだろうか。日本の音楽界で力量を発揮しています。「八月十五夜の茶屋」の科研プログラムから注目してきた女性です。

是非、公演を観たいと思います。

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