昨夜(22日・17時)、民族音楽がご専門の日系二世半の教授夫妻とご一緒に読谷文化センター「鳳ホール」に向かった。新城亘氏が16年前、ワシントン州シアトルにある【ワシントン大学】で一年間沖縄の歌・三線を指導した時の音楽学部の学部長だった日系の坂田先生は、なんとアフガニスタンやパキスタン、そしてインド地域の音楽を研究されていた方である。エンジニアのご主人と二人三脚でかなりその地域に、1978年以来足を踏み入れ、緻密な調査をされてきたようだ。
それらのお話とワシントン大学で歌・三線を教えた時の新城さんの体験話が面白かった。通訳をお願いされたのだが、私自身はご夫婦のお人柄のよさと深い人生体験が滲みでるお話に興味をもって引き受けた。そのこぼれ話は後で書くとしてーー、さて芸大の定期公演だが、鳳ホールは奥行きがあまりなく、琉球舞踊からは舞台に四間X二間ほどの舞台を設営しての公演で、ホールは少し立ち見が出るほどの盛況ぶりだった。中身は丁寧な解説がついていて、「まぁいい」というところ、中身は簡単に教授夫妻には説明した。お二人が高校生時代からの熱々カップルであること、もう結婚されて50年というお話など、またアフガニスタンの芸能・文化についてのお話を中にはさみながらの観賞だったが、関係者には申し訳ないが、舞台からあまり感動を受けなかった。
ただ現在の芸大の指導者の構成が「こうなっているのか」と分かった点が面白いと思った。素敵な比嘉康晴先生はホールの入口で観衆を案内されていた。新城亘さんは教授陣にご夫妻をご紹介したり、と面倒見のいいいつものスタンスだった。笛の大湾先生などは以前お会いしたことがあったご様子で招待券は大湾先生からいただいたという。感謝!
演目は
1.琉球古典音楽斉唱
2.琉球筝曲合奏・さくら
3.琉球古典音楽独唱 散山節、仲風節、赤田風節
4.長唄 鶴亀
5.琉球舞踊 四季口説
6.琉球舞踊 醜童
7.琉球舞踊 討組汀間当
8.琉球舞踊 金細工
9.組踊「万歳敵討」
の構成である。長唄と琉球舞踊の間に15分の休憩があった。
芸大の琉球舞踊の指導者が、島袋君子、比嘉いずみ、阿嘉修、嘉手苅林一、知花さゆり、山城亜矢乃、嘉数道彦、比嘉一恵の8人の方々が中軸だということが新鮮に思えた。国立劇場おきなわの舞台でよく立役で出ている面々だったからである。『多幸山』の知花さゆりさん、『花の幻』の山城亜矢乃さん、そして嘉数さんは何度となく組踊、新作組踊に登場している。阿嘉さんもそうだ。なるほど、芸大のブレインと国立劇場おきなわはかなりリンクしているのだと納得できる。
古典音楽でもあの新垣俊道さんが助教で指導している。将来の芸大スタッフということである。比嘉先生の愛弟子たちがになっている。散山節(大濱麻末)の女性の声は澄んでいてマイクなしでなかなかいいと思った。仲風(瀬良垣幸男)はいいねと新城さんは高く評価した。赤田風節(仲尾勝成)の声質は独特でいいと思った。
他、醜童はよく見慣れているが、醜女の所作や動きに差異があるのは流派の違いなのだろうか?唯一面をつけるこの古典舞踊は面白い。今年6月に横浜能楽堂でも見たが、三間四方の舞台では琉球舞踊は4人でギリギリと感じた。
打組汀間当は爽やかな印象で、どことなく少女たちの踊りという感じ。
金細工は加那兄が太った嘉手苅さんで、真牛(山城亜矢乃)、アンマー(知花さゆり)ともに、いかにもの、水のように流れる色艶のある踊りで見せた。流れる水のイメージは色気(エロス)を漂わせるような崩れも感じさせるが昨今の踊りは思い入れが強くなっているのだろうか?以前上間初枝さんが加那兄の踊りを見た事があるが、もっとクールで淡々としたきれの良さがあると見た。どことなくの色艶とコミカルな物語のある舞踊の面白さでどこでもモテモテの打ち組踊だが、その背後の社会背景まで滲み出せたらいいね。リアリティーとしての渋さが潜んでいるのではないだろうか?表象をなぞってもね、という思いも起こった。とても楽しめたのだがーー・
さて組踊である。波平愛の謝名の子である。比嘉千晶の慶雲である。初めて見た女性の抜擢である。声音がやはり和吟で、冒頭から間延びしているように感じられた。力強い男性の吟遣いとは異なる。そこで少し興覚めも起こった。しかし彼女たちが旅芸人(チョンダラー)に扮して踊る立ち姿は素敵だった。きびきびして動きがいいのである。この仇討組踊、浜下りしてからの高平良御鎖一行の舞台上の動きは興味深い。踊りも一曲披露し、浜辺で遊んでいるという物語だが、坐したままである。舞台の構成について書いてみたい。当時、女は躍ったのか?などと意地悪な質問をしたくなる。
*******
とまぁー、芸大の定期演奏会でした。見慣れた演奏、舞踊なので、長唄はまぁあまり聞かない演目だけれどもそれほど熱いという感じでもなく、鼓などの音色に惹かれたのだが、他、どことなく特別に目立たない公演でした。休憩時間に田幸XXさんに会いました。読谷まで舞台を見に来る情熱は凄いですね。何か得る所はあったかしら?タイムス・新報の芸能担当記者は来ていますね。
読谷から那覇に戻る間の新城さんとのおしゃべりや、その後氏の行きつけのお寿司屋さんでの日系3世・2世半の坂田教授ご夫婦と新城さんの通訳をしながらの談話が面白かったですね。その中身をもっと書いてみたいと思いますが、またの日にーー。坂田さんの英語論文や著書を読みたいと思いました。きっと!今から甥の結納の場に参加しなければなりません。
それらのお話とワシントン大学で歌・三線を教えた時の新城さんの体験話が面白かった。通訳をお願いされたのだが、私自身はご夫婦のお人柄のよさと深い人生体験が滲みでるお話に興味をもって引き受けた。そのこぼれ話は後で書くとしてーー、さて芸大の定期公演だが、鳳ホールは奥行きがあまりなく、琉球舞踊からは舞台に四間X二間ほどの舞台を設営しての公演で、ホールは少し立ち見が出るほどの盛況ぶりだった。中身は丁寧な解説がついていて、「まぁいい」というところ、中身は簡単に教授夫妻には説明した。お二人が高校生時代からの熱々カップルであること、もう結婚されて50年というお話など、またアフガニスタンの芸能・文化についてのお話を中にはさみながらの観賞だったが、関係者には申し訳ないが、舞台からあまり感動を受けなかった。
ただ現在の芸大の指導者の構成が「こうなっているのか」と分かった点が面白いと思った。素敵な比嘉康晴先生はホールの入口で観衆を案内されていた。新城亘さんは教授陣にご夫妻をご紹介したり、と面倒見のいいいつものスタンスだった。笛の大湾先生などは以前お会いしたことがあったご様子で招待券は大湾先生からいただいたという。感謝!
演目は
1.琉球古典音楽斉唱
2.琉球筝曲合奏・さくら
3.琉球古典音楽独唱 散山節、仲風節、赤田風節
4.長唄 鶴亀
5.琉球舞踊 四季口説
6.琉球舞踊 醜童
7.琉球舞踊 討組汀間当
8.琉球舞踊 金細工
9.組踊「万歳敵討」
の構成である。長唄と琉球舞踊の間に15分の休憩があった。
芸大の琉球舞踊の指導者が、島袋君子、比嘉いずみ、阿嘉修、嘉手苅林一、知花さゆり、山城亜矢乃、嘉数道彦、比嘉一恵の8人の方々が中軸だということが新鮮に思えた。国立劇場おきなわの舞台でよく立役で出ている面々だったからである。『多幸山』の知花さゆりさん、『花の幻』の山城亜矢乃さん、そして嘉数さんは何度となく組踊、新作組踊に登場している。阿嘉さんもそうだ。なるほど、芸大のブレインと国立劇場おきなわはかなりリンクしているのだと納得できる。
古典音楽でもあの新垣俊道さんが助教で指導している。将来の芸大スタッフということである。比嘉先生の愛弟子たちがになっている。散山節(大濱麻末)の女性の声は澄んでいてマイクなしでなかなかいいと思った。仲風(瀬良垣幸男)はいいねと新城さんは高く評価した。赤田風節(仲尾勝成)の声質は独特でいいと思った。
他、醜童はよく見慣れているが、醜女の所作や動きに差異があるのは流派の違いなのだろうか?唯一面をつけるこの古典舞踊は面白い。今年6月に横浜能楽堂でも見たが、三間四方の舞台では琉球舞踊は4人でギリギリと感じた。
打組汀間当は爽やかな印象で、どことなく少女たちの踊りという感じ。
金細工は加那兄が太った嘉手苅さんで、真牛(山城亜矢乃)、アンマー(知花さゆり)ともに、いかにもの、水のように流れる色艶のある踊りで見せた。流れる水のイメージは色気(エロス)を漂わせるような崩れも感じさせるが昨今の踊りは思い入れが強くなっているのだろうか?以前上間初枝さんが加那兄の踊りを見た事があるが、もっとクールで淡々としたきれの良さがあると見た。どことなくの色艶とコミカルな物語のある舞踊の面白さでどこでもモテモテの打ち組踊だが、その背後の社会背景まで滲み出せたらいいね。リアリティーとしての渋さが潜んでいるのではないだろうか?表象をなぞってもね、という思いも起こった。とても楽しめたのだがーー・
さて組踊である。波平愛の謝名の子である。比嘉千晶の慶雲である。初めて見た女性の抜擢である。声音がやはり和吟で、冒頭から間延びしているように感じられた。力強い男性の吟遣いとは異なる。そこで少し興覚めも起こった。しかし彼女たちが旅芸人(チョンダラー)に扮して踊る立ち姿は素敵だった。きびきびして動きがいいのである。この仇討組踊、浜下りしてからの高平良御鎖一行の舞台上の動きは興味深い。踊りも一曲披露し、浜辺で遊んでいるという物語だが、坐したままである。舞台の構成について書いてみたい。当時、女は躍ったのか?などと意地悪な質問をしたくなる。
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とまぁー、芸大の定期演奏会でした。見慣れた演奏、舞踊なので、長唄はまぁあまり聞かない演目だけれどもそれほど熱いという感じでもなく、鼓などの音色に惹かれたのだが、他、どことなく特別に目立たない公演でした。休憩時間に田幸XXさんに会いました。読谷まで舞台を見に来る情熱は凄いですね。何か得る所はあったかしら?タイムス・新報の芸能担当記者は来ていますね。
読谷から那覇に戻る間の新城さんとのおしゃべりや、その後氏の行きつけのお寿司屋さんでの日系3世・2世半の坂田教授ご夫婦と新城さんの通訳をしながらの談話が面白かったですね。その中身をもっと書いてみたいと思いますが、またの日にーー。坂田さんの英語論文や著書を読みたいと思いました。きっと!今から甥の結納の場に参加しなければなりません。