志情(しなさき)の海へ

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組踊は「琉球方言」の伝統歌舞劇なんですね。組踊研修生はそう指導を受けます!

2018-08-12 11:14:04 | 琉球・沖縄芸能:組踊・沖縄芝居、他

(白いノラ猫とカンナの花!記事と関係ありません!)

ユネスコが紹介した『組踊』の項には「琉球方言」と書かれていません。

朝薫さんが生存して創作した時は、方言の認識でしょうか。組踊研修生の指導者の 認識は琉球方言の伝統芸能の認識なんですね。

組踊研究者の故矢野輝雄さんの組踊研究書には琉球民族や琉球語、沖縄の言葉、沖縄語、沖縄口の記載はありますが、琉球方言とは記載されていませんね。でも組踊伝承者を指導する方々、波照間永吉さんや大城學さんは琉球方言と記載ですね。研究者によって言語認識、芸能・演劇認識が異なることを示しています。私は矢野さんの視点を支持します。ユネスコが琉球諸語を危機言語と認定した背景に欧米の言語学者の提言があったのですね。2009年に危機言語として琉球諸語は記載されたのですが、危機方言として記載されていませんね。欧米の多言語政策は世界的に先駆的な取り組みがなされていると云われます。言語意識が高く、言語と文化の関連性の深さは以前ウェールズの文化運動家の方とお話した時も納得できました。しかし、重要な伝統芸能、歌舞劇を指導する方の沖縄側の首脳の認識は琉球方言なんですね。その落差に驚きます。単に琉球・沖縄の伝統歌舞を習得するにしても、その視野の中に世界の演劇や演劇史・芸能史が入っていませんね。指導者の方々の狭量さを示しているのでしょうか。

すでに観世能の代表者や歌舞伎、狂言の代表者たちは、世界の演劇とコラボレーションをしながら世界を取り組み、包摂するような文化運動を継続しています。沖縄の伝統芸能の研修者は、世界の中の伝統歌舞劇を意識しないといけない時代なのでしょうが、ちょっと、指導者のグローバルセンスが弱いようです。歌舞伎スタイルやお能スタイル、北京オペラスタイルのシェイクスピア劇も上演されている時代です。東西文化の融合・触発・止揚、新たな展開が始まって久しいのですが、国立劇場おきなわは、時代(世界)のセンスに取り残されてほしくないですね。日本の中の方言芝居「組踊」というのが現指導者の認識なんですね

沖縄芝居を歌劇と方言せりふ劇の二つのジャンルから成り立つと定義したのは、池宮正治さんでしょうか?大城立裕さんもその流れで書いています。しかし矢野さんは歌劇、史劇との記載だったでしょうか。氏の研究書の言語表記を今一度吟味したいですね。つまり言語の独自性、芸能の独自性を強調されているのですね。ちなみに、私は方言セリフ劇ではなく単にセリフ劇、あるいは沖縄語セリフ劇にしています。

第三者の視点において、琉球民族芸能や琉球語の劇認識が内部の研究者は、琉球方言認識になっているのですね。

以下国立劇場おきなわ組踊研修生についての基本的概念を転載します。研修生は琉球語ではなく琉球方言基礎を波照間永吉先生から教わっているのですね。しまくとぅば推進事業の代表として取り組んでいる方です。つまり方言の推進を意図しているのですね。

***********以下は、ユネスコが世界無形文化遺産に登載した時の定義です!

 

 

Inscribed in 2010 (5.COM) on the Representative List of the Intangible Cultural Heritage of Humanity

 

© 2009 by Traditional Kumiodori Preservation Society

 

Kumiodori is a Japanese performing art found on the Okinawa islands. It is based upon traditional Okinawan music and dance, but also incorporates elements from mainland Japan, such as Nogaku or Kabuki, as well as from China. Kumiodori dramas recount local historical events or legends, accompanied by a traditional three-stringed instrument. The phrases have a particular rhythm, based upon traditional poetry and the distinctive intonation of the Ryukyu scale, and are performed in the ancient language of Okinawa. The physical movements of the performers evoke those of a pythoness at traditional rituals of ancient Okinawa. All parts are performed by male actors, and techniques unique to Okinawa can be seen in the methods of hair-dressing, costumes and decorations used on stage. The need to strengthen transmission motivated Kumiodori performers to establish the Traditional Kumiodori Preservation Society, which trains performers, revives discontinued dramas, and carries out performances on a regular basis. In addition to classical works that emphasize themes of loyalty and filial duty, new dramas have been produced with modern themes and choreography, but retaining the traditional Kumiodori style. Kumiodori plays a central role in preserving ancient Okinawan vocabulary as well as transmitting literature, performing arts, history and ethics.

 琉球方言ではなく独特な琉球音階のイントネーションや沖縄の古語で上演されるとありますね。

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組踊研修

組踊研修は、伝統組踊保存会の協力を得て平成17年度から実施しています。研修は、「組踊」の保存継承を図ると共に将来にわたり興行的かつ定期的な組踊の公演を行いうる、質の高い優れた若手の立方・地方を確保すること、および、演者の技芸向上を図ることを目的に実践的なカリキュラムのもとに行われています。人間国宝をはじめとする各分野の第一人者が講師として直接指導を行っています。

組踊研修の研修期間は、3カ年間となっており、この間に、各専攻ごとに組踊の代表的な演目6演目(朝薫の5番と花売の縁)の習得を目指します。この組踊実技研修の他、技芸の幅を広げるため、各自の専攻とは異なる舞踊や楽器について学ぶ副実技や組踊の演者として必要な発声方法や身体作り、作法等について知るための基礎実技研修も実施しています。

 

また、これら実技の他にも、組踊の伝承者として相応しい知識と素養を身に付けるため、球芸能史琉や琉球方言等に関する講義研修、地域芸能鑑賞、歌舞伎・能・文楽鑑賞等の実習も実施しています。

 

組踊研修概要

 

研修期間 3年間
研修日・時間 月曜日から木曜日の午後6時30分から午後9時45分
研修場所 国立劇場おきなわ 養成研修室ほか
受講料 無料 ※研修生は、伝統芸能奨励費貸与制度が活用できます

 

組踊研修では、次のような研修科目が開設されています。

組踊実技 (「執心鐘入」、「二童敵討」、「銘苅子」、「孝行の巻」、「女物狂」、「花売の縁」)
副実技 (琉球舞踊、歌・三線、箏、笛、胡弓、太鼓)
基礎実技 (発声訓練、身体訓練、作法、舞台扮装)
講義 (琉球方言基礎、詞章研究、演劇・舞踊論、琉球音楽論、琉球芸能史、日本芸能史、演技・演出論)
実習ほか (公演見学、公演稽古見学、楽屋・舞台実習、組踊史跡見学、地域芸能鑑賞、歌舞伎・能・文楽鑑賞、 研修生発表会等)


組踊研修のご案内(PDF)


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