フィリピン大学のカリキュラムはアメリカシステムを基軸にしているので、芸術関連の学科は東京芸大や沖縄芸大よりスケールは大きい。アメリカのKUのようなプログラムで学内に2000人収容できる大劇場と300人収容のコンサートホールがある。
スケールが大きい。アメリカの大学では、毎年ニューヨークのプロの劇団も巻き込んだ公演が毎学期、開催される。著名な劇作家や作家の講演、オーケストラの公演と多彩だ。似たような取組がなされている。
フイリピン大学がマニラの文化活動の中心を担っている意気込みはいいね。まだナショナルシアターがないという。日本をモデルにしていると聞いた。しかし京都大学の文化人類学者はランチテーブルで「ナショナルシアターとは何でしょうね?」と疑問を呈した。日本のナショナルシアターはモデルになるのですか?と暗に皮肉が感じられた。国立劇場おきなわはどうなのだろう?沖縄の伝統芸能の拠点になっている。現代演劇、コンテンポラリー演劇も新しい詩劇(新作組踊や歌劇)も上演されている。マルチな芸能公演の拠点になっている。本来の組踊劇場としては、独自にあってもいいと思う。張り出し舞台がしっかり三間四方で客が三方から見える形にはなっていない。多良間の八月踊りの形態の方がもっと組踊は身近に感じられる。
パネルでフィリピンの各地域の演劇活動の報告があり、子供たちの貧困解決のための演劇活動の報告があった。学費を出す必要がなくても学校に行けない子供たちと共に、彼らに自信を与える活動の一環として創造活動がある。またマルコス大統領時代の悪夢、時代の犠牲になった人々を悼むパフォーマンスもなされている。
貧困に向き合ってきた国である。そこに沖縄のモデルになる事例も!
交通渋滞の中でシェアリングがなされている。ひしめき合い、助けながら逞しく生きている。インドの逞しさとも異なる文化だ。
多様な文化が花開いている。