今月に入ってから行ったことのないライブに行く機会が非常に多いのですが、その先駆けともいえるのが10/2のキノコホテルのライブ。彼女たちはBARKSでビクターからニューアルバム発売みたいな記事を見たのが知ったきっかけで、それまで全く影も形も知りませんでした。で、Voodoo Loungeでライブがあるのもその時に知って、アルバムを一聴してみて、もう独自色満載だったし(流浪ギャンブルが一番はまりました)マリアンヌ様のあのキャラクターや徹底されたコンセプトとルックス。どこにもいないし、真似できない。偏見かもしれませんが世界感に拘るという意味ではビジュアル系とかあの辺りの拘りに通じるものがあると思いました。
Voodoo Loungeは今年で閉館になるので非常に寂しいです。2010年のどらみどらと去年のモーサム2本でまだ4回しか通ってないライブハウスでしたが、蔦が生い茂ったり木目調のダンスクラブのようなホールの造りになっていてライブハウスの中でもすごく独特なので好きでした。今回のライブは7月に発売されたニューアルバム、「マリアンヌの革命」の発表に伴うもので、きちんと聞き込んできましたが、活動歴が9年目という長いバンドで、過去の曲は全く分からないという状態でした。メガネ男性比率高いなあと。
暗転と同時に80年代のディスコ風のSEが流れ始め、メンバーが次々に入場。マリアンヌ東雲は客席の合間を塗って登場しました。(余談ですがこの時床に段差があることに気付かずに躓いたけれど誰も気にかけてくれなかった(=気付かなかった)らしく、MCでそのことに憤慨していました)沸き立つフロアに応えるようにアルバムの1曲目の「反逆の季節」の生演奏から開始。
ルックスに奪われがちですが活動歴が長いだけあってバンドの音が激しく、まとまっていました。「おねだりストレンジ・ラブ」にて本格開始。ニューアルバムの空気感を象徴している1曲で僕に取っては出会いのきっかけの曲から「流浪ギャンブル」へ。この曲は歌詞がマリアンヌの決意表明のような歌で、ニューアルバムで一番好きなのですが、いきなりフルスロットルまで行くかの如く展開で、畳みかけるようにガレージ風の「ばら・ばら」とアップテンポな曲の連打。
ブレイクを挟んでの「マリリンモンローノーリターン」から「遠雷」「てのひらがえし」「月よ常しえに」とニューアルバムの本髄というべき長尺曲を演奏。ミディアムテンポの曲でしたが、ダレることなく続いていたし集中力も全く途切れませんでした。付け加えると実はずっと注目していたのはベースでした。縁の下で一定のリズムでバンドの音を支えていますが、ギターやドラムに埋もれないほどに主張している音。本当はもっと弾きこなせる筈なのに敢えて一歩下がって支えることに徹している...プレイの中に相当な熟練者だと感じさせる演奏でした。ジュリエッタ霧島。何者なんだ。(と結局ライブが終わって後日色々調べる羽目になりました)
「てのひらがえし」の前でマリアンヌ嬢はMCやってましたがアルバム買ってない人がいると「なんでいるのよ」と言い、ラジオで福岡に来たのに聞いた人がほとんどいないことを知ると「なんでいるのよ」と怒っていました。
そのMCからもなんとなく思っていたのですが「革命」という言葉は何処か攻撃性を向けるような印象ですが、これまでに無かった作風だったり、真摯に音楽に向き合って生まれたものをダイレクトに外に向けて解放していくことが彼女にとっての革命なのかなと感じました。凄くセンチメンタルで、繊細で孤独。それがライブで聞いた曲と彼女への感想です。目が凄くキラキラしてたのも印象的です。
「月よ常しえに」の余韻を残すフェードアウトから一転してアグレッシブなベースプレイのリフレイン。「エロス+独裁」です。冒頭のアップテンポな雰囲気とはまた違った地を這うかのようなダークな雰囲気を纏って「球体関節」「愛はゲバゲバ」「回転レストランの悲劇」と畳み掛けます。ラストは「恋の蟻地獄」「恋はモヤモヤ」「愛と教育」「キノコホテル唱歌」だったと思うんですが、ジュリエッタ霧島があのハスキーボイスでMCで会場が沸き立つのを見るや「なんなのよそのノリは。こんどからアンタ(=ジュリエッタ霧島)喋んなさいよ」と怒っていました。そんな場面もありつつ、マリアンヌ嬢とギターのイザベルケメ鴨川がフロア前まで出てギターソロを寄り添って弾いたり、マリアンヌ嬢もキーボードの上でタイトスカートなのに大股開きで煽りまくるなど、迫真のパフォーマンスを魅せつけて本編が終了しました。
アンコールでは「赤ノ牢獄」のセッション風な演奏から再開されましたが、その名前にちなんでいるのかマリアンヌ様は赤のド派手なドレスで登場されました。アンコールは「真夜中のエンジェル・ベイビー」のカバーでラストは「キノコノトリコ」で終了。
濃厚な独演会でした。インタビューで仰っていることですが、曲調にしろ展開にしろニューウェーブ調だったりオルタナだったりプログレだったり何処となくポップだったりと、一つのジャンルに括ることが不可能な、衣装、女王様的なMCも相まってどのジャンルにも属していない「キノコホテル」としての世界がありました。非常におそらくアルバム毎にライブの空気感も変わってくるようなバンドじゃないでしょうか。次が見たい..そんな時間でした。