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バックドロップシンデレラ "ワンマンでウンザウンザを踊る~初福岡ワンマンやってみよう公演~" @福岡Queblick

2016-10-08 15:41:37 | LIVE

 8月のギターウルフのライブから約1か月後、9/10にQueblickでのバックドロップシンデレラのワンマンに行ってきました。
このライブは正式には『バックドロップシンデレラ2ndライブDVD「渋谷でウンザウンザを踊った」レコ発ワンマンツアー 「ワンマンでウンザウンザを踊る〜初福岡ワンマンやってみよう公演〜」』といういささか長ったらしいタイトルであります。ファミマで発見した時に文字が物凄く小さく印刷されたいたので二度見したのを覚えています。そんなところがこのバンドっぽいなと思った次第です。3月にはONTAQで、6月にも対バンでBe-1に来ていたようですが、前者は仕事と重なり、後者は対バンの相手が全くライブに行きたい面子ではなかったので見送りました。当日も実は朝から夕方まで仕事だったんですけど、打ち上げという名の半ば業務に付き合わされそうだったのを断固拒否してそのまま会場へ行ってきました。
彼らのライブは1月に打首獄門同好会のWリリースパーティを見た後以来で、以前と同じ会場だったけれど、タイトルに掲げられている通り10年のキャリアで初めての福岡でのワンマンがこの日だったという貴重なものです。少し会場の中がただの盛り上がりではなく緊張感に満ちているような気がしたのは、きっとお客さんも初っていうところでどうなるか分からない焦燥感や期待感の表れだったのかなと。

 開演時刻を少しすぎた頃SEもなく普通に入場した楽器隊。アンプを鳴らした後にペリーさんの「およげたいやきくん」の引き語り前説から開始。このバンドはこの始まり方が一般的なようですね。そのままでんでけさんが入場後、いきなりダイブをかましながら「歌わなきゃジャクソン」で演奏スタート。「さらば青春のパンク」「台湾フォーチュン」など、ライブDVDに収録されている楽曲を中心に、自分が全く知らない初期の曲も組み込まれつつ展開していきました。対バンだと客席をかっさらっていくので必殺曲のオンパレードもアリですけど、ワンマンの場合はもっと自分たちの世界をふんだんに魅せていきたいだろうし、見たいですよね。でんでけさんは地元が長崎ということもあり、九州でワンマンできることが嬉しいらしく終始笑顔でピョコピョコ跳ねまくっていました。ただペリーさん曰く「でんでけは長崎の佐世保が地元だけど友達がいなくて一度もライブができていない」とのことでした。と言っても本人は「ここにいる皆が友達になってくれるよね!」と意に介していませんでした。あとワンマンすることになったのが、「ONTAQの演奏会場を半分入れれていたら、キューブリックの会場でワンマンの箱を抑えておく」というライブハウスの会社の社長からの提案を、実現するはずがないと思い「良いですよ」と適当に答えてしまったところ、蓋を開けてみると半分以上埋まってしまい、その日の内に今日のワンマンを抑えられてしまったとかなんとか、そんなMCが前半は多かったです。多いっていうのも、バンドもお客さんも初ワンマンということで、お互い緊張し過ぎていた部分があったように感じたんですよね、序盤の空気感が。自分がそうだったからってだけかもしれないけど(笑)盛り上がってない訳じゃないんだけど、以前見たときのような剥き出しで迫ってくる予測できない危うさみたいなものが薄かった気がして。ペリーさんって風情はあんなですけど、凄く繊細な人なんじゃないかと僕は勝手に思っているので...だから、序盤7曲目くらいだったかな?初期の曲でコーラスする部分があったんですけど、あまりに観客が歌わなさすぎて思わずペリーさんが演奏をいったん中断して、「これまで福岡でやってこなかった俺たちが悪い!」などと仕切りなおすなど、東名阪ではあり得ないだろうなっていう場面もありました。
それでも中盤のバラードのような曲から「市長復活」「よのっしーがやってくる」と曲順が進むにつれ、だんだんとバンドの雰囲気が高まってきて、「後半戦いくぞー!!」の煽りからの「夕暮れにウンザウンザを踊る」「COOLです」「亡霊とウンザウンザを踊る」「激情とウンザウンザを踊る」の怒涛の畳み掛けでやっと本髄が発揮されたようなライブの展開になっていきました。客席がヘドバンやらモッシュやらと荒々しくなっていくにつれ、メンバーのパフォーマンスも躍動していきます。「だんご3兄弟」ではサークルピットが発生し、「池袋とウンザウンザを踊る」ではあの小さなライブハウスの中にウォールオブデスが発生しもうフロアがぐちゃぐちゃになっていき、そのバーストな状態のまま終盤まで突き進んでいきました。どこのラウドパークなのかと。そう、一見コミカルなサウンドや言葉並びで軽快な印象を与えられつつライブではもう何でもありなのがこのバンドのライブ。だから自分は好きなんだと。でんでけさんは天井のパイプに逆上がりするなど盛り上がりを奇怪なパフォーマンスで表す場面も飛び出しながら、最後は「月明りウンザウンザを踊る」の大合唱で締めくくられました。ちなみに終始前から2列目くらいにいたんですけど、何故か挙げてた拳をでんでけさんが握り返してくれました。

アンコールでは「ベルリントロンボーン」でスタートし、「池袋のマニア化を防がNIGHT」ではまたまたモッシュが発生しまくる荒れた展開を食らわして終了。それでも鳴りやまないダブルアンコールで登場してくれたメンバーは最後の最期に「俺がやってくる」を演奏し終了しました。

 福岡でのワンマン、多分もう、ああいう景色やノリは味わえないと感じるくらいの独特な時間でした。このバンドは単純に演奏するだけでなくて、見た目以上に自分たちの個の部分、唯一無二さにこだわっているので、そういうカリスマ性な部分が僕は好きです。メンバーは翌日には北海道に立つというとんでもないスケジュールをこなしていったようです。振り返ると後で発表された「BESTです」の収録曲と結構被っていたこともあって、BESTですツアーの前哨戦で、かつ現時点でのBESTなバックドロップシンデレラを堪能することができたのではないかと今振り返ってみて思います。11/27にまた同じ会場でライブしてくれるとのなので、またどうバンドが変化しているのか、を楽しみに待っていたいと思います。
でんでけさん、友達連れてこれるといいですね...