バックドロップシンデレラの翌日はINORANの1年ぶりとなるワンマンライブを見にDRUM Be-1へ。最近思うのがこのブログはもはや福岡地方公演について執筆しているアマチュアのライター的性質のものになっているのではないかということです。まあ、それはどうでも良いんですけど、とにかくINORANです。
正直むちゃくちゃ毎回リピートして聞くという音楽でも無いんですけど、それでもこの方のライブに行きたくなるのは、あの場所でしか味わえない何かがあるからなんです。僕の中ではそれは感動であり、愛みたなものだと思っています。後ロックのライブで音楽そのものを聞き込んで堪能するなんてライブはINORAN位だから。毎回ぼっちで行くんですけど、年齢層の高い方々も結構いて会場の中にはホーム感が溢れていました。
1.Thank you
2.Get feeling
3.might never see,might never reach
4.Awaking Myself
5.Let It Out
6.Because of you
7.Tell me
8.some way
9.Wherever I go
10.Come Away With Me
~楽器隊Session~
11.Beautiful Now
12.One Big Blue
13.Rightaway
14.grace and glory
15.Get Laid
16.All We Are
Beautiful Nowの延長線上、また旅を回りたいという思いで作られた「Thank you」。そういう意味では今回のツアーはBeaitiful Now Again 2とも呼べるし、雰囲気的にはBeautiful Nowの頃のライブにも通じる空気を感じました。アルバムとして完成度で行くと前作はじっくりと作り込んでいったと思うんですが、今回のアルバムはインスト曲も結構入っているし、完成度とかいうより今の自分に純粋に向き合ってその中から生み落とされたものを形にしていったような印象がありました。Beautiful Nowをリリースして後ライブで重ねていった中で生まれた想いをThank youという言葉と共に歌にして返したかった、そんな前アルバムへのアンサー的な...兄弟作みたいなイメージを。
ライブそのものは前回以上にアグレッシブだったし、金髪にしていることにも通じる様に、INORANのテンションが高かったし、一つ一つの楽曲の浸透力みたいなものがこれまでで一番激しかったです。体全体を使って揺さぶるシンプルながら序盤の「Thank you」から広がりを見せるバンドサウンド、村田さんにしろUZOにしろRYOさんにしろ各々のプレイスタイルが確立されてて演奏が凄く安定してました。「might never see,might never reach」では一転してスリリングに躍動させつつ、「Awaking Myself」の上へ向かっていく解放感、「Let It Out」では轟音を生み出し、「Because of you」ではコーラス部分での声の小ささに「福岡元気ないなー!!」等と話す場面も。結構、歓声は凄かったと思うけど、まだまだ物足りない位すごいものを求めていました。以前は「Home」が担っていたインストルメンタルのパートで演奏された「Come Away With Me」でさえも、奏でる音の一つ一つに感情を注入しているような姿が伝わってきました。
前日の熊本がソールドでかつ内容的にもあまりに感動して号泣してしまったとの話があったので、客席に期待してしまう部分が強く出てきてるのかなと。もっともっと盛り上がりたい、もっと一つになりたい、もっと良いライブがしたい、そんな内側から溢れる思いを実際強く伝えていました。俺、こんなにINORANがストレートに言う人だと思ってなくて、正直感動したし、カッコいいなこの人って思いました。
楽器隊セッションでは村田さんが「俺を無事に東京に帰らせてくれ!!」みたいな熱いMCをかましていたのを覚えています。そこからの「Beautiful Now」を経て「One Big Blue」「Rightaway」「grace and glory」「Get Laid」まで途切れることなく畳み掛け。バンドの音も安定感の中に攻撃性が剥き出しに迫ってくる荒々しさが付加されていて凄かったです。INORANも「ようやく福岡らしくなってきたな!」との言葉。「Get Laid」では男と女で歌わせる部分があったのですが、2:8位の割合で男が少なかったのですが、それでも「男すごく胸に響いた!人数が少なくても負けてないってことが証明されたな!!」と言ってくれました。
「Get Laid」の後余りの盛り上がりのためか最前線から一人スタッフによって運び出される女性がいる場面もありました。どうも脱水なのか眩暈なのかそういった状態になってしまっていたようです。この間も特に動じることなく「みんな仲間だから」と言って演奏を始めようとせず、女性が無事にステージ後方で落ち着くまで見守っていました。そしてほかの客席の皆さんにも水を配るという気配りまでしていました。うん、カッコいい。
最後の最期は前回同様「All We Are」の一体感の中、前回来たときにも感じた音の洪水に包み込まれたような極上の時間の中、終演を迎えました。
シンプルながら純粋な想いを包み隠さず音に乗せた音楽のように、INORAN自身も凄く何かから開放されているように感じました。だから凄く客席とのコミュニケーションを取ることが楽しそうだし、何時も笑って話してくれる。やっぱりあそこでしか味わえない感動があるなって感じたことは良かったんですけど、INORANの中で今回の福岡公演は消化不良気味だったかもしれないので、次何年先か分かりませんけどまた福岡でライブがある時には元気ないじゃんって言われないようにもっと気持ちを素直にぶつけていきたい、そんなライブでした。