noodlesの翌々日9/24にFuthan Richman & THE BANANAのワンマンライブでブードゥーラウンジへ。
これは私が福岡で一番のパンクバンドと思っているTHE VOTTONESのボーカルふー氏と鮫肌尻子とダイナマイトの初代ベーシストだったモクヘンことはじめさんのユニット?バンド?かともかく2人でやっているバンド。
私自身は彼らと全く面識はないし、強いて言うならふーさんがバーテンダーやってるブードゥーラウンジでドリンクオーダーする時くらい。まあ顔は知ってると思うけど、面識はない(笑)もう3年位ライブ見てるんですけどね。
で、これはSNSのタイムラインでこのバンドの告知があって、既にライブも何本かしているんだけど、スーツにハット、サングラスに60~70年代のセドリックを愛車に古き良きロック世代のオマージュのような格好をしているビジュアルに惹かれてしまったのがきっかけです。なんでも形から入るタイプなので、僕。(笑)
というか出来たばっかりなのにワンマンするくらいに持ち曲があるのか?と甚だ疑問だったのですが、とにかく仕事を終わらせて会場へ向かう事に。
開場が19時で開演が20時という時点で、なんとなく察しはついていたのですが、なんとSNSで開演は21時の予定というとんでもない通知が来て。似非ギャングみたいな格好しているのに、本当にスピード違反か何かで警察のお世話になっていたらしくその為に開演が大幅に遅れてしまうというオチ。それを逆手に取って宣伝するあたり太々しさはある意味見事。
20時50分位に会場に向かったのですが、その時点でお客さんが30人くらい。
ボギーとかオクムラユウスケとかアクのある方々も来ていました。この日はフードの出店もあったのですが、殆ど無くなっていて余っていたカレーを頂きながらレモンサワーを飲んで会場の端っこで一人待機。
そうこうしている内に暗幕がかったステージに映像が入る。
コンセプトがはっきりしているFuthan Richman & THE BANANA。
セドリックから降車してブードゥーラウンジのエレベーターを昇りそのまま会場に入場するというリアルタイムで今まさに展開しているような映像が終わると、そこには定位置についているメンバー2人。そのまま「白鳥」で開演。
ギター・ボーカルとドラムだけというシンプルなセットで展開されるライブは、大半の曲が聞いたこと過去にも聞いたことがある「白鳥」や「おいしいばい」等のふーさん節が出てるパンクのようなナンバーもあるけど、逆にカバーの「ねずみ花火のブルース」等のロック・ブルースともいうべき印象のナンバーも多かったのが印象。
着込んでいるだけに汗だくになっていましたが、最後の方ではハットとサングラスを外すというパフォーマンスもあり。
「ワンマンやるのが早かったね」と笑いながらも、恐らく彼らと公私ともに親しいであろう観客との中で終始アットホームな空気が充満していたこの時間。アンコールでは「氷室京介はソロでBOOWYしないけど、浅井健一はソロでブランキーの曲やるんだぜ」というMCからボットンズの「最下層エンターテインメントパンク」を演奏。つまり、バンドは違ってもやっている人間は同じだから例外は無いぜって意味なんでしょうね。。。最後は来ていたワイシャツを引きちぎって前全開でボットンズの彼になって、終演しました。
この日、ワンマンにして約40分という、私が今まで参加した歴代ワンマンの中で最短記録を作ってしまった日になりました(笑)終演後はそれぞれで労いながらフロアでお酒に興じていました。僕はデモのCDだけもらってすぐ帰りました。
でも、デモのCDは「白鳥」「おいしいばい」入っていたけど、やっぱ好きでしたね。パンクだけどキャッチーで、しかも歌詞は結構えぐいことを歌っているという、オチが(笑)ありがとう。
DIRのライブの翌々日9/22にnoodlesのライブでおなじみキューブリックへ。
このバンドは確かSNSのタイムラインで流れてきたのが最初だったかな?それまでは影も形も知らなかった。
「I'm not chic」という曲がカッコよくて好きになり、ライブに一度行ってみようと思ったのがきっかけです。
あとは、去年見れなかったCrispy Camera Clubも対バンで出るというのも後押しになりました。
が、この日は雨でしかも台風が夜に福岡を通過するというトンデモな夜。
本当にやるのかと思いつつ行くと「予定通り開演します」の連絡あり。
開演30分前に家を出ました。雨も風も今からひどくなる手前といった様相。
家が会場の近くだったり、公共交通機関がまだ動いていたのでどうにか会場に到着。
それでもライブハウスに行くといつもと余り変わらない空気で、知らない人たちの間に揉まれてきました。
集客は多分半分くらいかな?
【DimDamDonkey】
福岡のインディーズバンドです。2年前もnoodlesと共演した事があってとかで今回も対バン一緒にする事になったとかyoko嬢が後で言ってました。カントリー、ロック、ポップ、色んなジャンルを取り込んだ音楽という印象だったけど...記載するほど印象にも残らなかったかな。。。
【Crispy Camera Club】
SE
1.BIG EASY
2.She's so cute
3.雨が上がったら
4.アナザーデイ
5.favorite train
6.crescent moon
7.ひとりぼっちのレイニータウン
8.dear old kingdom
9.エンディングロール
10.グッバイマイフレンド
11.ネイビージョア
12.ティンセルタウン
京都発(うち一人は東京在住)の男2、女2の混合バンドです。インディーズバンドながら去年もツアーにキューブリックに来ていたのでその時から名前は知っていました。あんまり福岡まで来る他県のインディーズバンドっていないので。
音も聞いて、当初はそんなに思う事も無かったんですけど...今回初めて聞いて、思っていたより全然良いなという印象に変わりました。90年代のギターロック&ポップスの流れを汲んだ..みたいなキャッチコピーもみたいんですが、言葉にするとツインギターからなるビートに、ほぼフレーズが動きまくってまるで歌っているようなベース・ライン、そしてキャッチー・ポップかつメロディアスな歌と、明るい中に切なさを匂わせる楽曲群。個人的には、楽曲を聞きながら、「海の見える街を横目にさっそうと自転車で下り坂を駆け抜けながら歌っている」情景が浮かびました。そんな情景が浮かぶ音楽というのも堪能することが無かったし、幼い頃ジブリ映画を見ている時にバックで流れていたメロデイ、その抱擁感にも似た感覚の中、陽気な曲からバラード、切な激しめな楽曲と展開を見せながらのライブでした。まあ一つ物申すなら、ギターの男の子がMCで「サブスクしてるんですけど、CD持ってきたんで、ちょっとでも良いなと思ったらnoodlesのついでにも買ってください」みたいなMCしてて、コイツは自分の音楽で食っていく気がないのかと思いましたね。遥々こんな遠い所まで来たなら自信もって自分達の音楽紹介しろよと。そんなんじゃ余計人来ないと思うよ。
【noodles】
SE
1.I'm not chic
2.Cinnamon tambourine
3.OH YEAH
4.waring you
5.EBONY
6.Blood Waltz
7.Ruby ground
8.Buggy loop
9.GOAT HEAD
10.Bootleg
11.Beautiful Dreamer
12.Violent days
13.小さな惑星
14.She her
15.Cosmic tour
16.Ingrid said
17.We Are noodles From Sentimental
ENCOLE
18.Everybody Just Sings a Song Once
19.??
端的に言うとグランジ~オルタナのようなシンプルながらソリッドでヘビーなギターサウンドに、1950年代オールディーズ~ガールズポップに影響を受けたポップなメロディーが印象的な音楽でした。今の若い子たちでやっているバンドはいないだろうねって位、オールディーズさとキャッチーさがトレンドされたようなとんがった音楽だと思います。
福岡自体は2年ぶりとの事ですが、彼女達も4ピースからギター、ドラムと脱退していき今はボーカルとベースに、サポートドラマーという3人体制。この2年の間に色々ともがき苦しみながらそれでもやり続けるんだという意味が、「I'm not chic」という言葉にはあると以前インタビューで読みました。どれほどの逆境にぶつかっても、それでもやり続けるよっていう意思表示。言ってしまえば彼女達にとってnoodlesとは人生であり夢なんだろうと思います。笑顔でcoolに演奏し続けつつも、cuteなMCもするyoko嬢、寡黙ながら時折笑顔でクールに弾きこなすikuno嬢、サポートの吉村由加嬢、そして彼女達を見に来た筋金入りのファンの方々が思い思いに楽しみつつ、バンドもファンも笑っている人が多く、この場を通してこの2年分の空白を埋める喜びをかみしめているような光景でした。
PEDROのライブと同じように、楽曲のそれぞれの雰囲気が一貫しているのと、コンパクトな楽曲ばかりで、起伏は無く、黙々とプレイしていく流れでしたが、新譜の『I'm not chic』全曲は勿論のこと、往年のPVにもなっている楽曲群を網羅したセットリストで、彼女達の今現在のベストな姿をしっかりと見ることが出来ました。
アンコール後も挨拶も程々にささっとステージを退場後、グッズコーナーにて購入に来た1人1人と笑顔でmeet&greetしてくれました。僕は終演後にジャケ写がプリントされた黒Tを購入したのですが、もう最後かもしれないこのmeet&greetでしっかりと挨拶と握手をしてもらいました。なんてかわいいんだ!!
終演後は暴風雨吹き荒ぶ中猛ダッシュで駆け抜けて帰路に着きました。
木々が道路に散乱しているのは中々恐ろしかった。。ホントに自分でもよく行ったなと思う。
音楽的にハマる感じではなかったので、これが最後かもしれませんが、だからこそ貴重でした。
色んな意味で忘れられないライブになりました。ありがとう。
FACE IT!の翌日9/20はDIR EN GREYのTOUR19 This Way to Self-Destruction で神戸まで行ってきました。
このツアーは近年の彼らでは珍しく2か月以上の長丁場TOURで、9月公演はライブハウスで、10~11月はホールやZeppクラスの大きなスタンディング会場で行われるという2段重ねになっているTOUR。
何となくライブハウスは映像を使わずにバンド自体と楽曲そのもので押し切るようなライブになるんじゃないかと思っていたので、そういった規模ならではのリアルなライブ感を体感したいというのがありました。
で、唯一行けるのがこの神戸公演でした。
実は2daysあったこの公演。両方ともチケットを確保していたんですが、仕事のシフトや連休と被る事もあったので、その調整の兼ね合いでこの9/20のみの参戦となりました。
仕事を午前中で切り上げて午後から新幹線に飛び乗って神戸へ。
到着したのが夕方の17時頃で、そこから会場のハーバースタジオまでは地下鉄で移動。
自分は何時も何か特別なイベント毎や遠征する時は雨の時が多いんですが、この日も小雨でしたがまあまあ降っていて。神戸に到着したけど慌ただしくホテルにチェックインしてからすぐに会場へ向かいました。
最寄り駅から降りて走って行ったのですが、神戸は面白い街ですね。
丁度新神戸駅から山の斜面を下に下っていくような形になっていて、タワーマンションだったり庁舎が高い高い。
そんな巨大な人工物の中を駆け抜けるのは、まるでどこかの迷宮を探検しているような感覚で。
福岡では味わえない新鮮さを楽しんでいました。観光したといえばこの位です。
ハーバースタジオを含めたハーバーランド一体は多目的施設が沢山出ている複合施設なのですが、雨だったし時間も時間だったので、全く堪能する余裕なく、到着して5分しないうちに開場しました。
この日は2桁台で入場。
面白い造りの会場でした。
ステージが天井が高い造りになっていて、バックドロップには春の広島クラブクアトロで使われていた『The Insulated World』のアナザージャケットがあり、ステージ側からみて右手(つまり下手)が極端に開けていて、そこに大量の機材が置かれているのが分かる位の空間がありました。
で、客席はそのステージの一段下にフロアがあって、それを取り囲むように2段、3段と段差が設けられ、後方の人でもステージを見れる、あるいは見下ろすような感じ。
Be-1やLOGOSも段差はあるんですが、ステージから見てフロアが、見事な5角形の造りになっていたのが最大の違いでした。
当然最前近くにいたので押しも凄くて、必死に耐えている間に予定時刻を5分ほど過ぎて暗転。
SE
1.Downfall
2.Devote My Life
3.Merciless Cult
4.赫
5.Celebrate Empty Howls
6.軽蔑と始まり
7.絶縁体
8.谿壑の欲
9.人間を被る
10.Rubbish Heap
11.Values of Madness
12.Ranunculus
13.The World of Mercy
ENCOLE
14.HYDRA-666-
15.鬼眼-kigan-
16.Followers
17.NEW AGE CULTURE
18.詩踏み
Shiyaが黒インナー×黒ボトムに白いカーディガンみたいなヒラヒラしたもの、Dieは黒ノースリインナーに黒ノースリカーデに黒ボトム、Toshiyaも黒かったような、、、薫は白シャツに蝶ネクタイで黒字のワンピースのような衣装。近年変遷が激しかった髪型は春と同じで黒髪で金メッシュ、、多分太ってた気が、、京はノースリーブの黒地に白の水玉シャツに黒デニム、黒髪のオールバックと、既に臨戦態勢という印象。
そんな彼の姿が、この小箱ツアーの空気をダイレクトに表現しているようにも見えました。
序盤から「Downfall」で瞬く間に会場は熱狂状態となりいきなり雪崩が発生する事態に。
何とか観客だけで持ち直すも、「Devote My Life」「Merciless Cult」など勢いは止まらない。
ブレイク挟んでの「赫」。歌モノ系でありながらも、既にサビで観客が合唱するような激しさと一体感を伴っていました。ここから「Celebrate Empty Howls」と複雑怪奇な展開を経ての「軽蔑と始まり」へ。次から次へと、激しい曲の連発。京も何度も何度も煽っては汗だくで頭を振りまくる。そしてステージと客席の距離がほぼ無いので本当に超至近距離なのもスリリングで溜まりません。
アルバムの世界観に忠実に慎重に表現していた印象の春ツアーに比べると、そのツアーを経て、より生々しく、楽曲の持つ激しさや勢いで畳みかけるような、近年の彼らのライブでは見れなかったダイレクトな展開が逆に刺激的でした。
中盤で演奏された「絶縁体」。初めての鑑賞になりましたが、7分の大作でありながら序盤飛ばしまくった反動もあるのか、じっくりと、そしてしっくりとその世界に浸れました。ここから「谿壑の欲」「人間を被る」と徐々に激しさを取り戻すような展開なのですが、個人的にはこのブロックがこのライブというか、このツアーの世界観を一番表現しているように感じました。
そして、「Rubbish Heap」「Values of Madeness」と激しい楽曲のラストスパート。「Rubbish~」では京は煙草を片手にお立ち台の前に出ては煽りまくります。なんでこんな速い曲でタバコをふかすのか疑問ですが、時に口に咥えたまま咆哮しまくります。Values of Madness」では上手下手で何度も入れ替わり煽りまくり。ここまで感情むき出しなライブパフォーマンスも久方ぶりな気がする。
そして終盤にかけてはストーリー性のある展開になっていました。アルバム最期を飾る「Ranunculus」。これまでよりさらに感情表現が激しくなっていて、益々聞く度にこの曲が今の彼らにとってより大切な曲になっているような気がしました。そして、最新シングルの「The World of Mercy」へ。
10分20秒の大作ですが、実質この曲のためにこれまでの楽曲がピースとしてあったのではないかという気さえする、そんな堂々たる世界感、存在感でした。決して複雑な展開があるわけでもないし、神がかり的な言葉が使われている訳でもないけれど、京が『The Insulated World』の最後のピースと語るように、この曲が「Ranunculus」と続けて演奏する事で、本当の意味で『The Insulated World』が完成したんだと改めて実感しました。
アンコール。Shinyaと薫がツアーTに着替えたのみで、京は最新アー写に使われていた目が沢山付けられた人面を被って登場し、久々の「HYDRA-666-」から、演奏後は仮面を脱ぎ捨て「鬼眼」へ。こと「鬼眼」に関しては演奏を聞く度に激しさを増しているように思う。爆発力のような半端ない。
そして中盤での「Followers」ですが、もうバラードというより曲を介して、京は絆を確かめ合っているように見えました。「お前ら生きてんのか!?」と彼は何時でもステージで叫んでいるけど、本当のFollowersはすべてではない事も知っていて、その現実を少しでも変えたくて叫んでいるように見えました。
「NEW AGE CULTURE」という、10年ぶり位に生で聞いたレア曲も飛び出し、最後は「詩踏み」という、熱狂と激情の約2時間は幕を下ろしました。
Dieや薫は長く最後まで残っていましたが、京やToshiyaはさっさと帰っていました。。何かあったのか。。
ライブハウスという事で、予想していた通り映像演出せずメンバーとファンと楽曲のみで作り上げていくライブでした。世界観をじっくり魅せていくのが本来のしたい事だと思うけど、生々しい感情剥き出しな空気は、『Withering to death.』の頃のライブの空気を思い出しました。
アンコールも久しぶりに聞いた曲が多くて嬉しかった。
自滅の道と掲げられたツアータイトル。
隔絶された世界を自分達の手でぶち壊して新たな世界へもがいているようにも感じました。
その続きを、また来月見たいと思います。福岡で。ありがとう。
ちなみに僕は翌日の朝8時台の新幹線に飛び乗ったんですが、既に新幹線が満席という凄まじい状況に圧倒されつつ、11時ごろに自宅に到着し、12時から友人の結婚式に出席し、旧友たちと何年かぶりに再会して23時頃まで飲んで帰るというすさまじい一日でした。
そういう意味でもこの9月のハイライトだった....
Yellow Studsのライブから5日後9/19にキューブリックで開催されたイベント「FACE IT!!」へ。
これは、地元のイベンターだったかが春と秋に企画していて、今回はその秋にあたるイベント。
もう純粋に見たかったバンドしか出ていないので、迷わず行くことにしました。
開演ギリギリに到着したのですが、既に8割近い若者たちで会場は埋まっていました。
【アイビーカラー】
去年なんかの対バンでこのキューブリックで見て以来なので1年ぶり位です。バンドとしては新しく男のドラマーが加入して男2,女2の男女混合バンドになっていました。SNSとかでよく名前をこの1年で見るようになったバンドの一つですね。彼らの音楽は激しく無くてすっと耳に馴染んでいくように響くのもこのバンドならではだと思います。「君」と「僕」と、愛を歌い上げたその名の通り、ノスタルジックで瑞々しい、繊細さと純粋さに彩られた音楽でした。「か細い」印象が強い。毒々しさのない、透き通るような感触と併せて。タイミング的には来月『boyhood』というミニアルバムを発売するので、「青い風」「short hair」という楽曲も演奏してくれたような。年末年始はそのレコ発ツアーもあるので、新旧網羅したセトリが聴けた貴重なタイミングでした。
【about a ROOM】
1.好きに生きたって悪くないでしょう
2.On your side!!
3.何もしてない
4.いつかのあの太陽を忘れない
5.新曲
6.笑って泣きたい
7.燃え尽きるその日まで
2016年に開催された「ファンファーレを鳴らせ!」という自主企画以来約3年ぶり。
過去のインタビューで「楽しいだけじゃなくて、その感情に訴えるような音楽をやりたい」と語っていた彼ら。その言葉通り、奏でるポップでギターの音色が心地いい音楽はそのままに、吉原氏の「いくぞおおお!!」というシャウト混じりの叫びが混在する感情的なライブでした。THE INCOSでも何度も見たギターの谷氏は、アバウトではコーラスしないので、好き勝手に弾きまくってて楽しそうでした。出演バンドの中で唯一福岡発な自覚もあるのか、「福岡のabout a ROOMです!」と何度も叫んでいた姿は、「福岡のバンド、なめんじゃねえぞ!!」っていう意地のようにも見えました。音楽を通して何かを相手に伝える、そんな気持ちを今回一番強く感じました。
【ココロオークション】
名前だけは何度も知っていたんですがライブは今回初鑑賞となった奈良発のココロオークション。バンド名は「自分たちの音楽を聴いてくれた人のココロの価値を高めていきたい」という想いからだそう。ボーカルの人が「自分が病気がちでよく入院していた時に気分晴らしに歌うようになって、それが今に...」みたいな事も言ってました。
壮大なバラードから幕を開けた彼らのライブは、その後ギターロックテイストのテンポの速い音楽にシフトチェンジして、徐々に徐々に熱気を帯びながら会場を自分達色に染め上げていくような展開でした。「今日は熱いね」とMCでも言ってましたがこの日は客席のノリも熱くて結構歓声が飛び交っていました。選曲的には「蝉時雨」という有名な曲ありつつも最新アルバム『VIVI』から「ハンカチ」「タイムレター」といった楽曲も披露。激しくなりながらも、「歌モノバンド」に重きを置いている事もあってしっかり歌詞やメロディが活かされた楽曲になっていました。演奏の安定感、盛り上がりも一番あったし、完成度の高いライブだったと思います。
【べランパレード】
敢えてこのバンドをトリに持ってきた辺りに主催者側のイタズラ心みたいなものを感じたのですが、バンド・インするや轟音で、ぐちゃぐちゃになった音の塊をもみほぐしように「アイスクリーム」で開始し、「スクラップインマイルーム」へ雪崩れ込むという。明らかに去年のワンマンや今年の1月よりも、バンドが荒々しく迫力が増していて、実感できるモノを纏わせていました。選曲は新曲「メモリーズ」も含めつつ、最新アルバム『スクラップインマイルーム』が中心でしたが、「パン」等、とにかく訴えかけてくる曲のパワーがこれまでの比じゃない。あびさんは「よろしくー!!!」と絶叫しながら無邪気に笑顔混じりで歌いつつ、Kota Kamimuraは頭を振り乱しながら激しくギターを弾き、ゆりえちゃんは、飛び跳ねつつ終始ドラムを見ながらマイペースに弾きこなし、もっこりさんはそんな轟音を骨太の屋台骨で支えて、以前から持っていた無邪気さやポップさに加えて、ロックやタフネスさを増していました。
あびさんはなんかカリスマになりつつあるな。MCも、「ドラムの人と喧嘩した事があって、その時ドラムの人がセットから出てきた瞬間にびっくりして泣きながら「それは反則じゃん」って言ったことがある」とか変な事を言いつつ、いざ歌が始まるとなんか楽しそうに聞こえるのが不思議。悲しい曲とかラブソングでも辛さを感じない。単純にポップとも言い難い、そんな不思議な歌声を持ってる。
本編最後の「ナイトウォーリー」、そしてアンコールで披露してくれた1曲含め、終盤にかけては拳を全員に挙げさせてあびさんも最前柵に登って歌い上げる高揚さ。それまでの対バンが築き上げてきたものすべてを文字通りスクラップにして、新しく自分達の旗を突き刺したような、そんなライブでした。
これでもまだ発展途上だから恐ろしいんですよ。この次の新作でさらにどう化けるのかが愉しみで仕方ない。
そんな訳で、ここ何年かで観たかったバンドが一同に観れたし、それぞれのバンドなりの意地とか音楽とか、「俺たちはこうだ!!」みたいなものをぶつけていました。これから先、もっと大きくなって行ってもらったら。
充実した対バンでした。ありがとう。
lynchのライブから5日後に福岡のバンド「ザクロ」のVoざくろ嬢の生誕祭という名の対バンライブへ。
このバンド自体は影も形も知らなかったんですけど、確かSNSの広告かなんかで「ラピスラズリシンデレラ」という曲のPVが流れていたんですよね。何故か分からないけど「ああ、良いかも」って思った。丁度『PARADISE』というEPを出して、そのツアーファイナルでもあったこの公演。対バンに名前は知っていたけど見たことがないっていうバンドもあったし、THE INCOSも出るし、行ってみるかという軽い気持ちでした。
そもそも主催のバンドがどういうバンドか詳しく知らないので、ちゃんと音源を予習して。
この日は仕事がギリギリまでかかって、到着した時点ですでにトップバッターのthe shirafuの演奏が始まっていました。
【the shirafu】
去年12月に同じキューブリックで見て以来でした。当時に比べて格段に歌も上手いし、演奏も上手いし、楽曲もエモーショナルで激しくてカッコいいんだけど...個人的には、それだけなんだよな...
...ただ、この日やった「drawing」という曲は、好きです。
【THE INCOS】
SE
1.ヒドラの毒
2.BASARA
3.安心の科学
4.she's gone
5.恋ノ桃源郷
3月の主催「ドラスティックは止まらない」リリースツアーファイナル以来...あれからもう半年以上!?お久しぶりです。
セットリスト的には『ドラスティックが止まらない』中心でしたが、「ヒドラの毒」とかライブで初めての曲もありました。
「安心の科学」の振り付けダンスは多分今後もずっとやっていくのかな...やるのが恥ずかしい。
まあそんな可愛らしさと、繊細さと時折見せる爆発する部分が出てくるのがこのバンドの魅力かなと。
あと、よく分からないけど...凄く大人しい人達なんじゃないかと思いましたね。
ライブで見れば見る度に音の圧よりもメロデイだったり、楽曲の雰囲気だったりで魅せていく、繊細さを凄く感じるので。
彼らなりのライブをいつも通りやっていました。
それに、この後の対バンが段々荒々しくなっていくので振り返っても彼らの存在で稀有だったなと。
あと、「BASARA」という曲のPVのリツイートが5000超えたら一人にニンテンドーDSを挙げるという企画をしていたらしく、
ブレイクの合間に当選者に渡すという譲渡祝をやってました。
帰りにこのアルバムを買って、1年ぶり位に話しました。まあ、向こうは覚えていなかったけど、おっさんですから、忘れてもらって全然大丈夫ですけど(笑)
ひいろ大先生は相変わらずcuteでbeautful過ぎて釘付けでした。あの人ホント何者なんだ?
赤いワンピース来ていたんですが、パジャマにしか見えなかった。ちょっと元気なさそうに見えたけど、、気のせいかな?
【phase2】
それまで20人位しかいなかったフロアに今まで何処にいたんだ?って位に人がごった返して8割型埋まっていました。
サウンドチェックした後「phase2ですー。よろしくー」みたいな軽快なノリで、そのまま違和感なくすっと始まりました。
たしかこのバンドも名前だけは以前見たことがあって知ってたんですが、生で見るのは今回が初めて。
ヒップホップ的な歌いまわしにファンクなギター、メタル~ポップまで幅広い音色で奏でられるギター、それを支えるドラムとそれまでの瑞々しいライブの雰囲気との落差が凄まじかったですね(笑)
そんな軽快でリズミカルで体を揺らさずにはいられないミクスチャーロックでした。
調べたら2008年から活動していて、そりゃそんだけ続けてたら筋金入りのファンが沢山いるよ...と実感。
あんまりライブ活動を多くはしていないみたいで「久しぶり。なんも変わってないでしょ?」と笑顔で話すボーカルの方。
「ざくろちゃん誕生日おめでとう~。phase2です。俺ららしく好き勝手にやらせてもらいます」とあくまで自分達のペースのまま6曲演奏してスパンと帰っていかれました。佇まいそのものに安定感と余裕があって、しかも楽曲もそんな感じで、一番熟練めいたものを感じたステージでした。
【envoy from the silence】
SE
1.罪と罰
2.在りし日の姿へ
3.何も始まらなかった1日の終わりに
4.生きる音
5.阿慈砕
6.黒い朝 赤い夜
正直今回のラインナップで一番痺れたのはこのバンドでした。
名前だけは知っていたけど体感したのは初めて。
音出しをした後演説のようなSEが終わるや、重い一撃を食らうような轟音で幕を開けるや、頭を振り乱して暴れまくるGu,choのa2ko嬢、フード全開で重厚なドラムを叩くやまけん氏、激情をそのままぶつけるようにBaを掻き鳴らしながら叫びまくるVoのKyo4-low氏。全てが初聴きだったし、何処から何処までが終わりなのか分からなかったけど、そんなものを超越する音の力。
目を外せない緊張感と緊張感とスリル。
「盛り上がっていこーぜ!」
とにかくスゲエ...と、感嘆してしまう、メンバーを変遷しながらも15年続けてきたバンドの迫力がそこにありました。
あっという間の時間でした。
こんな感覚久しぶりなので帰りにCD買おうと思ったのですが、対バン相手の人とずっと喋っていて気付きもしなかったので帰りました。
【ザクロ】
SE
1.こけら落とし
2.?(曲名不明)
3.楽園
4.ラピスラズリシンデレラ
5.stereo
6.Blackout
7.Midnight Hero
全員アーティスト写真と同じく白一色で統一された衣装で登場。
ボーカルのざくろ嬢とベースのRina嬢は麗しいのですが、ドラムのとかげ氏のピアスの数に驚愕。
いや、パンクスだろと。そんな事思いつつ開演。
冒頭「こけら落とし」で「ザクロでございます!」と宝塚みたいにお辞儀をしてから始まった彼女達のライブ。
Voのざくろ嬢が舞いながら歌う姿はまるで音楽舞踏のようでありつつ、
時折こぶしをきかせながら力強く歌うギャップも面白かった。
正直楽曲自体が無茶苦茶好き!っていう訳ではなかったし、演奏面で行くと前の2バンドの方が上手いと思うんですけど、その分ほかでカバーをしっかりしているというか。全体的に90年代のキャバレーにいるような歌謡とクラブを掛け合わせたような楽曲群が一つの空間を作り上げ、そこにビジュアルだったり、パフォーマンスが加わる事で、唯一無二な立ち位置を完成させていたと思います。それは自分達がいかにすれば魅力的になるのかというのを考えているように見えました。それにベクトルがそれまでのバンドと違うというか。魅せ方というのが上手だなと。
生誕祭という事でざくろ嬢の実の父親から花束を渡されるというサプライズもありつつ、EP「PARADISE」の選曲を中心に、まるで歌劇のような雰囲気を感じさせつつ、アンコールなしで終演しました。
ザクロ自体は結成して1年半らしいのですが、一体どういうきっかけで実現したんだろうという位のジャンルもバラバラなバンド達が集まったまさにミクスチャーなイベントでした。帰りはザクロを囲んで記念写真をされている方々が続出。ああ、もしかしたらポルカドットスティングレイのように、凄まじい勢いで上がっていくんじゃないか?と思いました。そんな勢いをその光景を見ながら感じました。面白い対バンライブでした。ありがとう。そしておめでとうございました。
DOCTORS OF MADNESSの濃厚なアンダーグラウンドな対バンライブの翌々日の14日
Yellow Studsの「ごくつぶしが鳴く夜2019」福岡でのワンマンライブに行ってきました。
イエスタは昨年DRUM SONでのFUNKISTとLHSという異色な3マンライブ以来なので、1年半ぶり。
あの小洒落つつ人間臭い歌詞としゃがれた歌声で奏でる生々しい音楽が好きだから、もう一度行きたいと思ってた。
そんな中発表された今回の福岡市でのライブ。
しかも今回はワンマンツアーという事で、オフィシャルで即効予約してA1という発見番号をゲットしました。
前回のライブ後の間にドラマーが交代したり、結成15周年を記念したベストアルバムも発売されており、アンサンブルも選曲も期待していました。
会場は他県から通い詰めたであろうイエスタファンの方々、地元の僕のようなファン。
世代的にも老若男女問わず、、どっちかというと中高層が多く、馴染めました。
【THE KITCHEN】
今回はEggs(タワレコ、ドコモ、レコチョクによる新人やインディーズバンドを支援するプロジェクト)が後援している関係と思うんですが、各会場で地元の若手バンドがO.Aを行う構成になっていて、福岡はこのTHE KITCHENという初見の熊本出身のバンドでした。
彼ら自身もイエスタのファンらしく、個人的に音が凄くダウナーで重くで暗くて、、要は明るくないんですね(笑)キラキラしたポップで前向き賛歌な歌が多い若手バンドの中では異色に見えました。へー、こんな音出す子達がいるんだと(上から目線ですいません)故に、好きでしたね。全部で7曲だったかな。PVも作られているこの「嘘を育てる林檎」もそうですが、複雑に各楽器が絡み合って目まぐるしく構成も変わりながら、歌詞やメロディも刹那な印象を強める楽曲が多くて、聞いてて辛くなりますね。そんな世界感もきっちり持っているバンドだと思いました。ポテンシャルが相当高いんじゃないかと。勢いとノリで盛り上げるのではなく、自分達の音楽をじっくり浸透させながら、徐々に徐々に会場全体の熱気が充満していくような、そんなジワジワと来るうねりのようなものがありました。ボーカルの子は最後最前の柵に上半身を乗り出して感情むき出しにしていました。他には被災した故郷の事を歌った曲もあって、それも好きでしたね。そんな人間臭い部分や、陰鬱さも持った世界が、イエスタのライブもマッチしていたし、O.Aを立派に果たしてくれたと思います。
【Yellow Studs】
客席左壁に設置されたスクリーンにバンド紹介とツアーメッセージを兼ねたオープニング映像が流れるという意表を突いた演出で始まりました。
オープニング映像
1.さえずり
2.ブーツ
3.ヤモリ
4.脱線
5.馬鹿が悲しい顔してる
6.カナリヤ
7.僭越ながら
8.ロック
9.晴れろや
10.ライブハウス
11.汚い虹
12.中野サーフ
13.ガソリン
14.言葉にならない
15.ジャンク品
ENCOLE1
16.夜空に願いを
17.フィルム
ENCOLE2
18.バード
前回同様黒スーツに身を包んだ5人。
前回同様..というよりライブではオープニングに必ず披露されているっぽい「さえずり」から開演。キーボードの音色とウッドベースの絡みが絶妙なこの楽曲から一気にイエスタ一色へ。そんな洒落た部分とギターとドラムが奏でる激しいビートが絶妙なアンサンブルとなって唯一無二の世界を彩っていきました。個人的に植田氏のベースの巧みな使い分けを演奏、そして自身は余り主張しない佇まいが好きですね。
序盤「ヤモリ」「脱線」と乗っ気からアッパーな楽曲を連打しては早くも最初の絶頂を迎えていました。
新ドラマーの高野さんはイエスタハットにメガネと超お洒落な格好で、終始笑顔でスマートに叩かれててこちらもこちらで好きですね。どことなく余裕さえ感じられて、かなり熟練された方という印象を持ちました。
ブレイク中も「すごい!」とか「やばい!」と興奮冷めやらぬ声が響く中、Voの野村太一氏は一言「楽しいです」と語りミドルテンポのセクションへ突入。「次は、ファン投票で上位に食い込んだ曲を...あれ何位だっけ?2位か3位で、」といって途中で曲名を当てた男性ファンに「お兄さん、もう一度曲名お願いします」と振って「僭越ながら」を演奏。「僭越ながら君が好きなんだ 一緒に暮らそうぜ」というシンプルな言葉に浸りつつ、ソウルフルな「ロック」とじっくりと会場を盛り上げていきました。
ワンクッション置くと、会場からギターの奥平氏の歓声が多く「めっちゃ言われとるやん」と太一氏が奥平氏に突っ込む場面も。そこからツイッターの話になり、「フォロワー数がどっと1日で減っていました。あれ何で外すんですか...!」と笑いを誘っていました。「昨日は広島でライブをしてきました」とか近況を語りつつ、「学歴コンプレックスのある人いますか?俺もそうです、でも高卒だろうがなんだろうが、このバンドに賭けてきました。そして今こうやってバンドをやっている事が楽しいです」みたいなMCからの「晴れろや」へ。
このバラードも歌詞が良いんですよ...「馬鹿正直に生きていけばいい」って。「晴れちまえよ」みたいな歌詞。その余韻を残しつつジャジーな側面を強くしたさらに、「ライブハウス」へ繋がって行きます。
「誰かが歌って 誰かが揺れて 誰かが泣いて 皆何かを背負っていて」というフレーズも妙に染みた。
さらにワンテンポ置いてからの「汚い虹」へ。この曲では太一氏の独白のような部分が冒頭にあるんですが、内容的には「辛いことの方が多かった」的な内容で去年と一緒だったんだけど、去年と違っていたのは最後前向きな言葉があったんですよね。「ここまで続けてきて、こうやって見て頂いてる方がいるから」みたいな内容だった気がする。そこからの「汚い虹」は、そりゃもう、激しかった。良平氏のつんざくようなギター、そしてお客さんも暴れたりはしないけれど拳を上げては必死に各々の想いをステージへ届けているようでした。間違いなく、このライブのハイライトだったと思います。
そして「中野サーフ」での太一氏の絶叫を皮切りに終盤戦へ突入。「ガソリン」そして「言葉にならない」という太一氏の絶叫や各楽器の激しさを増した演奏し、奥平氏や良平氏は何度もギターソロでフロントに出ては汗だくで掻き鳴らしては会場を盛り上げ、2度目の絶頂を迎えました。最後はリクエスト1位だったという「ジャンク品」を演奏。盛り上げから最後、一体感で包み込むような温かい空気で締めてくれました。
歌詞の中にある「答え合わせは死ぬまでにすりゃいいんじゃねえか」という言葉にまた胸に突き刺さりました。歌詞がここまで響いてくるバンドってそうそうないと思う。おそらく「ジャンク品」ってバンドの事、というか生き方を揶揄している気がします。世間一般でいう所の「真っ当」な生き方をしていない自分はジャンク品かもしれないけど(別の曲では社会のダニとさえ言っている)、本当にそういう存在だったかどうかは死ぬ時に分かるんじゃないかと。それまではどんな立ち位置だろうと走り続けるという言葉は、序盤で演奏された「脱線」にも通じるものがありますね。「ドロップアウト、なあそうだろ?」
アンコールでは「ありがとうございます」と言いつつ、最初に登場したのが一番黄色い声が多かった奥平氏でした。実はこの日が福岡..というか九州では初ワンマンだったらしく、「3回目にしてワンマン出来てありがとうございます」とあいさつ。ここから奥平氏と、ここまで余り喋らなかった良平氏で福岡の食べ物の話で盛り上がり、餃子でテムジンという名前の店がある事に驚いていたり、バンド名のハッシュタグをつけて店の名前を書いてくれたらエゴサしておきますと笑いを誘っていました。
そんな和やかな雰囲気の中バラード「夜空に願いを」、「今もこの子と一緒に暮らしています ラブソングです!」という前説の後の「フィルム」で綺麗に締めてアンコールが終了するも、鳴りやまぬダブルアンコールですぐに戻ってきた5人。「ダブルアンコールありがとうございます。また福岡に来れるようにがんばります」的な挨拶を挟み、太一氏が「実は今からやる曲で、ある時別の会場で「飛べ!」と煽ったんですが、飛んだのは俺だけでした(観客爆笑)その時16年間バンドをやってきて初めて凹みました。だから同じように煽りません...でもやっぱり%&#”@!!」みたいなMCからのラストは「バード」。
最期は、観客の殆どがサビで飛び跳ね、楽器隊も含めフロントが全員客席近くまで出てきて大盛り上がるという光景。そしてしみじみと目に焼き付けるように眺める太一氏。そんな解放感の中で、この日の全てが終わりました。
定位置から殆ど動かずとも終始笑顔で演奏していたリズム隊。ノリまくりの奥平氏、一番汗だくになりながらも、恐らく誰よりも熱く激しく感情を音で表現していた良平氏、表情は殆ど変えずポーカーフェイスでありながらもじっくりと客席を眺めながら歌っていた太一氏。対バンでは分からなかった彼らの姿は、一つのジャンルに形容できない彼らならではの音楽であり、人間味のある歌詞としゃがれた歌声がより重みを持たせて訴えかけてくる、そんな生々しく人間臭い姿でした。歌詞に関しては、この太一氏の歌詞が今までのアーティストで一番好きかもしれない。闘ってきた人間だから書ける歌詞だと思うし、それもまた彼らの魅力だと思う。
福岡に来てくれた時ぐらいでしか会えないとは思うけど、また次回も行きたい。
ありがとう、Yellow Studs
9月最初のライブは9/12にUTEROで開催されたDOCTORS OF MADNESS主催の対バンライブ。
ドクターズオブマッドネスについては、「プログレッシヴなエレクトリック・ヴァイオリン、シアトリカルな演出や詩世界などで大きな話題を集め、プログレと英国モダーン・ポップを結ぶ、またBOWIEとSEX PISTOLSを結ぶミッシング・リンクと称された「PUNK BEFORE PUNK」ことRICHARD STRANGE率いるDOCTORS OF MADNESS」-という記載を見たのですが正直そんな昔のロックのルーツはさっぱりなんですが、今回40年ぶりに『DARK TIMES』というアルバムを発売して、ジャパンツアーでUTEROに来るって言うのも面白いなと思って。
あと、実は去年も来ているのでその時から知っていたのですが当時も迷って結局行かなかったんですけど、今回、同じようにツアーをするっていう事と、サポートミュージシャンがシスターポールで、サポートアクトに鮫肌尻子とダイナマイトやTHE SUICIDESと、去年1月に観たUTEROのライブとほぼ同じ面子。何気にあの1月にUTEROで見たライブは良かった記憶があるし、マニアックな時間を堪能できるなと思って、今回は行くことにしました。そして入場すると客が10人しかいませんでした。
【Blue King Club】
完全に初見のバンドでしたが、轟音のガレージロックンロールでした。楽曲が全くアップされていないんで曲名とか分からないんですけど、ツインギターでツインボーカル+ドラムという編成でした。のっけから重たい一撃を食らったような濃厚なライブをかましてくれました。
【THE SUICIDES】
ドラムの人がUTEROでスタッフしているガールズバンドです。たぶんお互い知っているはずなんですがお互い人見知り(たぶん)な上、愛想がない印象なので3年経った現在も赤の他人です。たぶんこれからもないでしょう。ボットンズのライブに彼女達が来ているし、逆にボットンズの人が彼女達のライブに来ているのでお互い関係は深いんだろうなとは思います。この日もボットンズのボーカルの人が来てました。
全員黒のライダースジャケットに白インナー、赤の紅葉みたいなデザインの入ったワイドパンツにサングラスという成り立ちでした。サウンドチェック後そのまま演奏開始。彼女達のライブもこれで3回目。相変わらずMCも休憩もなく淡々と20分位かけて抑揚のない楽曲を延々と演奏していくというスタイルも変わらずですが、なんか、変な中毒性があるっちゃあって、それはそれで好きですね。なんだかんだで客に媚びてない、そんなスタイルが好きなんでしょうね、自分。あと、ギターの人はほかにもバンドやっているのか、掻き鳴らす音が荒々しくなってました。あのギタープレイは好きだった。見てて退屈しなかったですね。タイミングあった時に見るなら良いかなと。
【鮫肌尻子とダイナマイト】
このくらいの時間になると30人位になっていたのかな?
後述のドクターズオブマッドネスが音楽も空間も全てをゆったりと堪能するライブだとしたら、対照的に一番大盛り上がりしていたのは彼らだったと思います。約1年9か月振りでした。『イントロダクション』をBGMに、ボロボロになりつつある紙芝居を持って鮫肌尻子嬢が登場しては「キミも仲間にならないか!!」と叫んでスタート。彼らもまた他のバンドに左右されることなく、自分達なりのハチャメチャなロックンロールを奏でていました。「ゲルピンロック」「GO!GO!世界征服」「もしよかったら」「火曜日のギグ」「このレコードが売れたら」等等やってくれました。滑舌が悪いのか音響の問題なのか、MCで何を言っているのか分からなかったけれど、ギターを咥えたり頭に何度も打ち付けたりステージ上でさらにパフォーマンスがさらに狂気じみていたギターのアビィ。完全に目がイッてたよ。それを黙々と支えつつ強靭なリズムで支えるベース&ドラムのウエットン渋谷とジャッキー江口。髪を切ってパーマをかけて大人な雰囲気を出しつつ、アビィさんのパフォーマンスに負けない位の存在感とボーカルで熱唱し、さらにはハイトーンなシャウトもかましていた鮫肌尻子嬢。全国津々浦々駆け巡ってライブしているだけあり、バンド全体がパワフルになっていました。アルバムを出すのかレコーディング中らしく9月のライブがこの日と併せて計2本、との事ですが、そんなレコーディングで溜まった鬱憤やらストレスも発散しているようにも見えました(笑)それに今後の新譜に収録されるであろう新曲も演奏されて、これまでとこれからの過程を観れたのは貴重でした。博多のめんたいガレージロックバンドを引き継ぐとはよくフライヤーに書かれていましたが、本当にそういう存在になってきているんじゃないかと思います。
余談ですが鮫肌尻子嬢の出身が屋久島で家庭の事情で終われるように来福したという話をMCでしていました。壮絶。
セットチェンジ後、衣装チェンジの時間の間という事で、この日「DOCTORS OF MADNESS」のサポートであるシスターポールのみで2曲披露。MCではリチャードとの今回のコラボレーションへの感謝の言葉を述べていました。その後、満を持してリチャードが登場。
【DOCTORS OF MADNESS】
Tシャツにジーンズというラフな軽装から、マリンブルーで光沢ばりばりセットアップスーツに白T、黒ハットというまるでサーカス団員かそれとも古き良き1970年代のロック衣装なのか、そこは不明だがそんなド派手な衣装に身を包んで登場したリチャード。把握している楽曲はニューアルバムから先行発表されていた「Make It Stop」だけだったけれど、それでも「from 1st album」「from 2nd album」とか曲毎にMCで曲紹介らしきものをしていたので、ああ幅広い年代からセレクトしとるんやなというのは分かりました。全部英語だから何をしゃべっているのか分からなかったけれど(笑)セットは約1時間でしたが、UTEROには珍しくスクリーンが後方に設置され、楽曲ごとにイメージ映像が挿入されていて、視覚的にも見ていて面白かった。内容的に結構社会風刺的な印象は持ちましたね。現在の世界各国の首脳が映像に出てきたりとか。。サポートのシスターポールも奇抜な衣装も封印して、敢えて黒子に徹していて、リチャードのライブって言うのを大事にしていた気がする。まあ、Mackkiさんは着用していた緑のシャツが汗で変色していましたが(笑)
パンクばりばりな前衛的な曲から、クリーントーンに彩られたミドルバラードまでグラム、プログレ、パンク、ガレージetcジャンルを超越した楽曲群。半世紀近く前に、こんな音楽をやっている方がいたというのが衝撃でした。そしてステージで叫び、音に合わせて体を揺らすリチャードは、70代にも差し掛かろうというのにそんな年齢を感じさせない渾身のパフォーマンスでした。楽曲も全く知らないのに、このシンプルで古臭く感じるこのサウンドが、聞いている内に何故かジワジワと来てしまう。シンプルイズベストってこういう事を言うんだなってね。こういうサウンドに触れる機会って、もう今の時代無いんじゃないかなと思うんで、本当に見ることが出来て貴重だったんじゃないかと思います。
余談ですが、このライブ中にシスターポールから今後の航空用のチケット代金カンパの募金箱が出てきたのですが、その回収係がアビィさんでした。あのステージでのイカレた姿はどこへやらの腰の低さに呆気に取られてしまいました。
この時点で終演が23時過ぎで、さすがに疲れて帰りました。。リチャードとはライブハウスから出口に向かう階段でお客さん一人一人に「Thank you」と声をかけていました。こちらこそ日本のこんな西の田舎まで来ていただいてThank you very very muchですよ。。
14日にも親不孝のBassicでライブがあったのですが、別のライブと重なっていたので、行くことは叶わず。
来年あるのかどうかさえ分からないけれど、それでも貴重でした。ありがとう。
燃え尽きた2時間だった....。
8月の締めくくりはUTEROで行われたthe twentiesのワンマンライブ。
1年前のニガミ17才の対バンライブ以来なので本当に1年ぶりの再会。
GLIMMERのアルバムリリースツアー後は表立った新譜情報もなく早1年。ライブの対バンでその後も何度か福岡に来ていましたが他の用事と重なったりで行けずじまいで結果こんなに月日が経ってしまいました。
今回は会場限定発売される新譜『Will Be a Legend』『+PUS?!』発売に伴うツアーですが、
そんな事は気にせずに彼らがワンマンを福岡で行うという事だけで即効でチケットを買いました。
当日は仕事終わりでそのまま会場まで向かいました。開演ギリギリでしたが、まあまあ余裕があって下手のポジションを確保。デジタル色の強い不穏なSEが流れ出し開演。
1.Guilty
2.Come!!
3.電撃ロックンロール
4.palm
5.追憶ダンス
6.ドドドドド
7.Bon!!
8.カフェ・オ・レ
9.荊棘
10.201
11.ロンリー
12.幻夏夢
13.5
14.keiki hAppy
15.+PUS?!
16.Spit
17.fire
18.LET IT DIE
19.Will Be a Legend
ENCOLE
20.THE WORLD IS MINE
21.R.E.D
初っ端の「Guilty」から凄まじい轟音と共に開演。尋常無く鼓膜を揺さぶられる。
ぐるぐる目まぐるしく点滅するストロボとステージ上で暴れまわるメンバーに呼応するように体を揺らす客席のぶつかり合い。序盤にかけてはこれまでのthe twentiesを凝縮したように年代様々なアルバムから激しい曲の連発でファンも暴れまくる。「好きなように楽しんで」とギターのウルマさんの煽りもあってのっけからお祭り状態。
「ワンマンだと時間長いから喋らないといけない」と口で言いつつ、タカイさんはしたくてたまらないように何度も挨拶。で、気持ちが上手く言葉にできないのか身振り手振りは派手なのに言葉は「ありがとう」「さっす!」「v( ̄Д ̄)v イエイ」とか殆どワン・ワードしか発せずにギターのウルマさんやBaの野菜くんがフォローをする場面も(笑)
来ていた白Tシャツを脱ぎ捨てて上半身裸になると所狭しと入れられているタカイさんの入れ墨に驚愕。
「荊棘」から始まった中盤は『GLIMMER』でも見たミディアムテンポなナンバーを中心に構成。
「201」「ロンリー」と見せた流れは一気に音の洪水に引き込まれるような感覚にさせつつ魅せていく。
このあたりでアー写では金髪になっていた野菜くんの髪型が紫になっている事をウルマさんから指摘されて、ピンスポットが当てられて恥ずかしそうにそれを断る野菜くん。ちなみにアンソニーダイナソーが単発でおかっぱ部分がオレンジになっていました。上半身裸じゃなくてゆったりとした白Tシャツで普段着みたいな格好。けばけばしくなったリズム隊。一体何が起こったのやら...個人的に野菜くんの長髪は似合っていないと思ったので、今ぐらいの髪型が好きですね。
後半ブロックでは新譜の楽曲を中心とした選曲にライブの定番曲を織り交ぜながら盛り上げモード再開&ラストスパートへ。
意図的でないにしても、曲順そのものが彼らの歴史と未来を体感できる構成になっている事に気づく。
はっきりしていたのは最新の楽曲ほど、その音の訴えかけてくる力が過去最強である事。
「5」「+PUS?!」「Spit」「Will Be a Legend」等、the twenties流デジタルハードコアとも言うべき彼らの「らしさ」と凶暴性を兼ね備えた新曲群は、序盤に披露された既発曲よりさらに熱く、激しく会場を盛り上げていました。モッシュピットが発生する位に。「keiki hAppy」「fire」といった慣れ親しんだ楽曲でさえも印象を変えてしまっていました。もうどのタイミングでラストを迎えても可笑しくない程の高揚と絶頂のループ&ループ。ウルマさんも野菜くんもアンソニーもヘッドバンキングや体を揺らしながら荒々しさに拍車がかかり、タカイさんに至っては、マイクスタンドを何度も左右に振り回しては、持っていたギターを置いて最前柵に足をかけ、登り、叫び、客席にダイブや絶叫を繰り返していました。誰よりも今この瞬間に感動・興奮していたに違いない程に。
「福岡、ありがとう!!」何度も何度も感謝の言葉を口にするタカイさん。
「Will Be a Legend」で本編が終了しても、一旦引き上げることなく徐にドラムセットに座りドラムをたたき始める。
たまたま残っていたウルマさんが野菜くんのベースを持って即興のリズムセッションが開始。即興であるにも関わらず絶妙なコンビネーションを見せていると、今度は野菜くんが登場してウルマさんのギターを弾いてメロディを弾く。さらにアンソニーも登場して「福岡大好きだ!」とラップ調でマイクを取る始末(笑)
その後定位置に着く前に「福岡は初めてやった会場が四次元だけど、お客さんは0人だった。PAとSEとバーカウンターの店員だけ。その時からMCも始めた。悔しい想いもしてきた。大きな会場でやれればそれはそれで嬉しいけど。それだけじゃない。今日も小さな箱だし、ソールドアウトしてるわけじゃない。でも、お客さんが1人でも2人でもうれしい。だってoじゃないから。だから今日来てくれたことが本当にうれしい」とはっきり喋ってました。
「今日、ここ、この場所が世界の中心です」と叫んでの「THE WORLD IS MINE」そして、「R.E.D」を持って全てが終了。
最期タカイさんはバテバテなのか客席に倒れ込むようにしながら、最後の楽器締めにてドラムセットに倒れ込んで破壊。
そのままステージに倒れ込んだまま、ウルマさんの「また会いましょう」のさわやかな言葉。
そして、タカイさんはステージにぶっ倒れた。まさに完全燃焼。
前回のGLIMMERの時もO.Aがいたので完全なワンマンではなかったから、本当に意味で丸裸の彼らを初めて見れました。
本当に命を賭してライブをこなす。そんなロックなライブを久々に見せて頂きました。間違いなく好きでいるコトは間違いじゃなかった。
これからもライブに行こう、そう思えた金曜の夜でした。ありがとう。
帰りに食べたラーメンしんたろうの豚骨スープの余韻と共に...
LASYgunsBRISKYに彩られた週末を経て僅か2日後の8/27、DRUM Be-1でキリトのライブへ行ってきました。
Angeloとしてのキリトの姿はもう毎年見ていますが、ソロのアーティストとしてのライブは今回が初めて。
彼がソロ活動を開始したのがPIERROT活動休止中の2005年ですが、PIERROTの解散、Angeloの始動を経て2007年に『Negative』をリリースして以降は、AngeloのDOGMATIC PARTYでその後単発ライブがあったのみで一切ありませんでした。
突如として昨年1月からソロ活動が再開され、3月のアコースティックライブ、8月のライブハウスツアー、そして今年4月のアコースティックライブを経て、5回目にして東名阪以外の地で開催されたのが今回の「DERIVED」。
Angeloメインになってから、もうソロのライブは見れないと思っていたし、ツアーやるにしても東名阪だろうと思っていたので、正直福岡が組み込まれているのがレアだと思いました。彼がこのタイミングでソロ活動を始めたのかは、はっきりとオフィシャルに述べられていないので分からないけど、Angeloというバンドが10年以上しっかりと活動できているからこそ、さらに自身の表現の幅を広げていくためだったのかもしれないし、PIERROTの時のように「今、やれる(やりたい)と思ったから」という単純な気持ちかもしれない。そこは不明ですが、そんな所じゃないかなという気がします。
僕自身はもう行くという選択肢しかなかったので、チケットも即効GET TICKETして、当日を迎えた...のですが、九州北部豪雨真っ只中。本当に体験したことのない大雨で開催するのか、いやできるのか心配になりながら、何とか会場へ。ステージにはツアータイトルが掲げられた以外バックドロップもないシンプルなセット。
開演10分前くらいに入場したのですが、割と段差の合間があって、結局2段目後方でのんびりとできる場所で待機。ほぼ開演予定時刻と同時に暗転。
SE
1.Act
2.METHOD
3.INTER CUTTER
4.Torque
5.PLOT
6.PAST
7.毒薬
8.DOOR
9.Cheery trees
10.砂丘
11.Sea
12.Awaking bud
13.Suicide View
14.COLD
15.TEAR
16.カンナビス
17.DECIDE
ENCOLE
18.GARDEN
19.PERIOD
20.Ray
21.PRAY(Angelo)
サポートメンバーが入場後、金髪に七分袖の黒のTシャツに黒のブーツという衣装で登場したキリト氏。
上手にギル(新鮮!)、下手ギターにVistlipの海、ベースにNBのMasa、ドラムのアレンとイケメンぞろい。
昨年発表された新曲の「Act」「METHOD」を立て続けに序盤から演奏しつつあっという間に呼応していく観客。
「外は大雨ですが、そんな中来てくれた君達が最高と思ってもらえるように、命をかけて歌います」
「Torque」「PLOT」「PAST」「毒薬」とキリトならではといった変拍子とダークな空気が入った楽曲も多いですが、ソロの楽曲の発表されたタイミングがタイミングなだけに、自身のパーソナルな、特にギリギリの部分を曝け出したような、言ってしまえば「キリト」という一個人の想いを綴った楽曲が多いなという印象。「DOOR」を経て、個人的に大好きな一曲である「Cherry trees」が披露された時は、素直に感動している自分がいました。
「数えきれない傷も、抱えきれない夢も、この胸に確かに刻まれてるー」
ブレイクを挟んでのMCでもお決まり通りに「親愛なる大切な、僕の...キ××イ」とキリトならではの言葉遣いで笑いを取らせて会場をリラックスさせていました。
「僕は...キ××イと言い続けている内に、とうとうテレビに出なくなりました」
「でも..僕は居場所がなくなっても...その先で居場所を見つけます」
「ここからは激しいメニューです...ここに首を落として帰れよ」
「なんなら持って帰りたい...JALで(爆笑)」
「僕は乱れてる人が好きです...色んな楽しみ方があっていいんですけど、お父さんお母さんにも見せたことのない乱れた姿を僕に見せてください!」
と、「Awaking bud」「Sucide View」「COLD」「カンナビス」等アップテンポな曲を畳みかけていくのですが、頭を振りまくるより、拳を上げて、時に歌ったりという一体感に包まれていました。
Angeloの時のような破壊的な激しい曲ではなく、その激しさよりも、しっかりと歌を活かしたシンガーの曲。
それに、バンドとソロのイメージが何となくわかってきたというか。彼自身バンドが好きと語っているように、Angeloというのは、5人5人が五角形で見事なバランスを構築しながら各々の立場で音をぶつけていく。
その中で狂人のような存在感を放つキリトがいるのは、もちろん彼自身だからこそではあるけれど、バンドの中にいるからこそあのパフォーマンスや存在感が生まれてくるものでもあるんじゃないかと。
逆にソロというのはそういうプレッシャーを感じないというか、敢えて肩の力を落としているというか、等身大の自分をぶつけている、そんな気がしました。「TEAR」や「DECIDE」を聞きながら、特にそれを感じましたね。
だからその違いというのが見えてきて、歌っている人は同じなのに、空気感がまるで違うから、新鮮な気持ちのまま、本編を終える事が出来ました。
アンコールでバンドメンバー紹介していて、ギルもいたのですが、MCしなかったのが却って新鮮でしたね。他にもビジュアル系を通ってきたような若手のミュージシャンばかりで、しかも皆イケメンという。誰かが「イケメンパラダイス」と言っていました。わかるよ。。
MCでは客の反応がちょっと薄かった際に、
「あ、すいません、まだダメですが。やっぱりチ〇ゲ&アス〇じゃないとダメですか?キリト&MASA(サポートBa)はどうですか?」と一番の爆笑を誘い、
「キリマサでお願いします!」Masa「僕はついていきます!」海「オマエ本当に軽いな!」
と突っ込まれるコントのようなやり取りがありつつ、キリト的にはこの豪雨の中で来てくれた方々への感謝の気持ちが強かったのが、
「なんか、今日は楽しいです...うん、今日は特別な日になりそうです...今日は来てくれて本当にありがとう」
とMCして、「GARDEN」「PERIOD」「Ray」を演奏して、バンドメンバーが退散....したのですが、その後中央にセットされるアコースティックギター。
それが本当のラストでした。キリトだけが残り、アコースティックギターを持ち上げて最後のMC
「今から歌うのはAngeloの曲なんですが、バンド初めて20年以上になりますが、良いこともあれば悪いこともあって、その度に自分を信じて前を進んできました。幼い頃、何も無かった頃、ただ僕は願う事しか出来ませんでした。でも願い続けて前に進んで、今こうやっています。だからこれからも続けていきたい...そんな想いを込めた曲です。PRAY」
こういう誰もが体験するであろう葛藤を歌にできるのがこの人の凄さの一つだし、葛藤してきたからこそ表現できる詩。「前に進んでいく」そう願い、立ち向かってきた男が今、目の前で大切なメッセージを投げかけている。それに感動しない人などいるはずがない。そしてそれは勇気をくれる。「自分もできるかもしれない」という勇気を。
「DERIVED」とは「派生」という意味を持ちます。このソロがAngeloから「派生した」表現方法という意味なのかもしれませんが、彼の想いというのは、どんな逆境であっても、決して諦めずに、前を向いて、突き進んでいく...表現方法が派生しようとも、核だけは変わらない。そして、そうやって生きて行って欲しいというファンへのメッセージ...。
そしてラストにキリトではなくAngeloの楽曲を演奏した事で、彼の今の核は、Angeloなんだとも思いました。
ビジュアル系らしい刺々しい雰囲気は皆無で、むしろ相反するほどに穏やかな雰囲気を残して終演しました。
帰りも雨が降り続いていましたが、不思議な程その中を歩くことにけったいな気持ちになりませんでした。
ありがとうございました。次はAngeloでお会いしましょう。未だ見ぬ"FAUST"と共に...
8/14に誕生日を迎え、その翌々日の8/16に年を越して最初のライブ、つまり安藤裕子の前に、ビレッジマンズストアのワンマンライブに行ったのを忘れていました。。。なので、改めて書きます。。。。お許し行脚。
ビレッジマンズストアは去年の1/25、丁度「TRAP」をリリースした頃にモーモールルギャバンとの対バンで同じキューブリックで見たのが最後でした。別に興味が無くなった訳でもないのですが、対バンは結構見てきたので次はもうワンマンで良いかなと思ってずっと足が遠のいていました。今回は村立15周年(結成15周年)という事で今までお世話になった地域に足を運ぶという、所謂周年記念ツアーの一環でした。この行脚は会場によっては私服だったり、アルコール前提の泥酔だったり、撮影OKだったり、ファン投票反映ライブだったり企画ものを含みつつ今も廻っています。福岡は割と前半の早いうちでスケジュールに入っていて、企画でも何でもない純粋なワンマンライブだったので、久々に行ってみる事にしました。
彼らを知ったのは2016年。バックドロップシンデレラと打首獄門同好会のダブルリリースツアーでSHIMAと一緒に出ていたのが最初。「正しい夜明け」リリースツアーの時と、ワンマンライブ、そして『TRAP』リリースツアーと見てきてこれで5回目。
前回のワンマンライブはgrafで、その時も結構人が埋まっていたのですが、今回それよりもキャパの広いキューブリックで、会場は平日だったにも関わらずほぼ満員でした。バンドがずっと音楽活動を続けてきたことで知ったであろう若い子たちが今か今かとバンドTシャツを着こんで臨戦態勢に入っているのを見ながら、ここまで大きくなったんだと感じずにいられませんでした。
1.WENDY
2.Don't trust 20
3.堕落、若しくはラッキーストライク
4.黙らせないで
5.不明(忘れた)
6.地獄のメロデイ
7.不明(忘れた)
8.すれちがいのワンダー
9.スパナ
10.ビレッジマンズ
11.御礼参り
12.帰れないふたり
13.夢の中ではない
14.最後の住人
15.アディ―・ハディー
16.不明(忘れた)
17.サーチライト
18.逃げてくあの娘にゃ聴こえない
19.眠れぬ夜は自分のせい
ENCOLE
20.車上A・RA・SHI
21.PINK
セトリが中途半端ですみません。
本題に戻すと、1st ALBUM『YOURS』のインタビューでVoの水野ギイ氏が、「広いフィールドの中で戦うバンドでいたい。変わりたいのではなく、大きくしていきたい、広げていきたい」という言葉を語っていたんですが、今回のライブを体験して、結論から書いてしまうと、ああ、そういう大きなバンドになってるなって印象でした。
先の「正しい夜明け」リリースツアーで、対バンだったポルカドットスティングレイと同じく出ていたDroogのギターだった荒金祐太朗氏が現在一緒にやっているという事自体が、ある種の「事件」だったし、そんな彼のギターと作曲が加わって、バンドにとって更なる「武器」になる事も予測できてました。実際、荒金氏を加えた編成のライブに行くのが今回が初めてだったので、個人的にはどう変化があるのかも気になっていました。
ギイ氏が襟足金髪になったり、ドラムの人の髪色が何故か紫になっているというビジュアルの変化はあったけれども、ビレッジマンズストアとしての音楽性が、あの1stアルバムを作った事でも、前任ギターが脱退して荒金氏が正式加入した事によっても、劇的に変化している訳でもなかった。
ただ、自分達の音楽に懸ける想い...みたいな、情熱と言っても良いと思うけど、それがこれまでに行ったライブよりも遥かに熱く燃え滾っていました。何となく、彼らを追いかけている理由っていうのがその時に分かって。常にその情熱が大きくなってからなんですよね。彼らにしか描けないドラマがある。声が掠れるほどに歌い、叫び、そして目の前にいる客の手を握り、そして時に足車にして立ち上がりなら切実に想いをぶつけるギイ氏、体を揺らしながら激しく振り乱し、時にダイブをかましながら弾きまくる弦楽器隊と、各々が生き様を音に乗せてぶつけている。言ってしまえば俺らの人生だと。
八方塞がりというか、背水の陣のようでもある姿勢。
これが最後になっても全力で歌うから、と。
この日は台風が迫っていたか、通り過ぎたかの日で、若干人が来るのかを不安にもしていたようだったけど、蓋を開けてみれば、多くの客が来ていて、それが何よりも嬉しい、そんな表情で。
「福岡が、大切な場所になったよ。ありがとう」と感慨深そうに話すギイ氏。
その汗まみれの笑顔が、全て物語っていました。
灼熱の熱い男たちの饗宴。ありがとう。