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趣味と商売

2018-05-10 06:28:51 | Weblog



GW以降寒い日が多く、また雨が多く、カメラを持ち出す機会がなくなりました。プロの技術や知識、経験をどんなものか知らずいい気になって写真を撮っています。おそらくとんでもない開きがあるので有ろうと思いつつ。ついカメラ屋で説明を受けると出来そうと思い込んでしまう。そしてあれこれ買い込んでしまい、その機材に慣れ、使いこなせる様になるため、毎日カメラ三昧の日々でした。しかし、この先が見えなくなってどうしたら良いのか、それで勉強を始めたところです。

パンもそうで、生地表面の状態、表情を見ながら、生地内部の化学的変化を理解し、どこで生地を分割して整形するか、どこまでホイロを出すか、どのタイミングで焼成するか。この判断でパンの良し悪しが決まります。知識と経験で最良のポイントを見極める、これがプロです。

しかし素人製法の天然酵母知識だけでパンを作る、まあ殆どが固く、ボリュームが無く、旨味が無く、ボソボソ、老化が早い。これで商売をする、結果は、

天然酵母、確かに響きは良いがそれだけでパンが作れたらこんなに良いものはない。しかし、天然酵母=発酵種は三段階の熟成が必要で、そんなことをしていたら商売には成りません。また一段で使えると思っている方が多いことも事実です。三段の仕込み熟成には必ず酵素が必要です。その酵素を使わず天然酵母を熟成するので、葡萄糖が足りずフワッとしたパンにならず、旨味も香りも無い、石の様なパンになる。そしてこれが天然酵母のパンであると自慢しているオーナーもいる。そんな物誰が喜ぶのか。お客さんはそんな物を求めてはいない。天然酵母で有ろうと無かろうと、求めているのは美味しいパンです。

日本酒は三段仕込みが普通で、麹と蒸した米と、さらに酵母を加えて発酵・熟成を行います。この麹の酵素群がデンプンを最終的に葡萄糖に分解し、酵母が発酵する。ブドウとの残り具合で甘口や辛口が決まる。

天然酵母のパンでは酵素(モルト)の使い方でパンの旨味、香り、老化の速さ、柔らかさ、しっとり感が決まり、その店の評判に繋がります。さらにイーストを添加する事でさらに早く、ソフトに、老化の遅いパンを作る事が出来、さらに生地冷凍さえできる様に成ります。分割・丸め後冷凍した生地をドゥーコンにセットし、翌朝成型からスタートできる様に成ります。食パンをこの方法で作れば、朝早いうちに焼き上げられます。食パンで売上が確保できたら、ベーカリーは楽に成ります。

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