オーブンとは
パンはオーブンの内部に蓄熱された熱で焼く。焼かれる。
オーブンの内部に張られたレンガに熱が蓄えられ、その熱で焼き上げる。
古い窯はオーブン内部、焼き床の上で薪を燃やし内部を高温に上げ、薪をかき出した後にパン生地を並べパンを焼いていました。焼いている最中は電気のヒーターやガスバーナーが有るわけで無いので、パン生地を並べる前に加熱し、蓄えた熱だけで焼くわけです。
これがオーブンです。
レンガに蓄えられた熱、そこからは遠赤外線が発され、その遠赤外線がパンの中心に火を通し、美味しいパンに仕上げます。特に大型のパンは遠赤外線が大変重要な役目をします。
ヨーロッパの大きなパンは生地で2~3kgあるので、焼成時間は2時間或いはそれ以上必要です。2~3時間窯内の温度を維持する必要があるので煉瓦の壁を熱くしなければなりません。この壁の厚さがパンの焼きを保障していました。
この壁の厚さ、現在のオーブンは高性能な蓄熱材が使われ薄くなりました。。セラミックや高密度の耐火煉瓦が開発され蓄熱性能・効果は非常に良くなりました。しかし、煉瓦は蓄熱材としてだけでなく、同時に断熱材の役目も果たし外部に漏れる熱を遮断していました。今は良質な断熱材が各種開発され、この蓄熱材と断熱材を組み合わせて焼きを保障します。
パンはオーブン内部のヒーターの熱で直接焼くのではなく、蓄えられた熱で焼くのだということを理解して頂きたい。
安いオーブンは断熱材が少なく、蓄熱材も質と厚さを落としています。安いオーブンはそれ自体小さくコンパクトで、重さも軽く、デザインもすっきりしている。これが、安いオーブンの売り文句、キャッチコピーに使われています。逆に言えば、焼きは良くないと言っているだけのことですが、素人には本当の意味が理解できないでしょう。
良いオーブンの特徴は、重く、大きく、不格好。機能を追及すればこうなります。当然のことです。
メーカーを選ぶ、ベーカリー機器は、本物は其れなりの価格がします。通販の安物は本物では無い。net通販に出ているベーカリー機器は厨房メーカーのもので、ベーカリー機器専門メーカーの製品は出ていません。厨房メーカーとベーカリー機器専門メーカーは違います。
断熱材少なければ、内部の熱が外部に漏れているわけで、無駄に熱を消費しています。と言うことは、内部のヒーターは常時通電され、熱を発しています。電気のオーブンなら電気を、ガスオーブンならガスを無駄に消費しているわけで、光熱費の負担が多くなります。