Pains パリの味

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生食パン?

2021-08-14 17:27:01 | Weblog
働く蟻の姿、

夕暮れの汐留、ゆりかもめ、

高い小麦粉とバター、それに生クリーム、更に菓子パン生地とほぼ同量の砂糖を配合し、生焼けまたは半熟というか、火通りの悪いパンの総称ですね。
生食パンの専門店を立ち上げたいと言う方の支援で、この気持ち悪い生食パンを試作して、配合、製法を提供した事があった。今年初め、そんな依頼があって、食パンとは到底思えないパン作りをした。

本来のパンの姿をどこまで曲げれば気が済むのか。日本人は。

欧米ではバターをパンに使う事はありません。バターが入ればそれはケーキという文化です。フランス、アメリカで仕事をして来て、小麦の香りと発酵で出来た豊潤な香りを求めてパン作りをして来た。今も依頼があればこの様な食パンを提案する事が多い。また発酵種をその依頼者のために独自の物を作り、提案し、その店独自の風味作りを生業としている。

粉メーカーにより、粉のグレードによりできるパンの性格が全く異なる。高い粉を使えばそれは白い内相のパンになり、円やかな香りが実現できる。しかし、この生食パンはグレードの高い粉を使用し、バターを使用し、おまけに生クリームを大量に使い、砂糖は菓子パン生地並みに使いう。これではパン本来の風味を実現出来ない。残存水分が多い為カビの発言は早い。高い材料を無駄に使っているだけのゲテモノ。いつまでこんなパンに夢中になるのか?

トーストにして美味しい食パン、サンドイッチにして歯切れが良く、潰れず、フワッとしている食パンが良いと思う。パンにはパン本来の香りが必要。