Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

不幸中の幸い?

2010年03月27日 | 那覇、沖縄
 24日は沖縄アジア国際音楽祭の「アジア伝統音楽」のイベントに参加した。出演は韓国、台湾からの来日グループと沖縄からはかつて首里奥王府で演奏されていた御座楽のグループで、私たちガムランは当初はロビーで演奏するはずだった。そのために静かな曲の練習をしてきたのだが、本番まで1ヶ月をきったある日、主催者から「ロビーでの演奏の許可がおりない」という趣旨の連絡をもらった。
 「ところで、緞帳の閉まった舞台の前とかで演奏できないですかね。」といわれたのだが、ガムランをそんなに狭く、横長な場所で演奏できるわけはない。そこで、今度は「静」のガムランではなく、「動」のはげしいガムラン演奏を提案したのだった。それが行列しながら演奏するブレガンジュルだった。
 曲目変更で練習時間があまりない。普段、演奏する曲ではあるが、重要なのは曲の練習だけでなく、振付である。客席を練り歩くとしても、バリで道路を行列するわけではないのだし、やはりホールでの演奏には「聞かす」ばかりではなく、「見せる」ことも重要。しかも沖縄の観客はエイサーを見慣れているために、「見せる演奏」に目が肥えているのだ。とにかく急場しのぎでありながら、振付を考え、今回は演奏者が180度まわるなど新しい振付を取り入れたのだった。
 たった10分の演奏だったが、オープニングで会場は意外に盛り上がった。もちろん両耳を手でふさいでいる方もいたけれど、その一方で、ノリノリの「オバア」がいたりして、演奏しながらそんな観客を楽しむことができたのはよかった。とにかく、不幸中の幸いである。成功、成功。