Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

植木屋にて

2010年03月15日 | 那覇、沖縄
 きのう植木屋に寄った。苗木を眺めていると、買い物客の一人が私に話しかけてきた。
 「これ、ゴーヤね? それともナーベラー(ヘチマのこと)ね?」
前触れもなく、突然尋ねられたので少し驚いたが、沖縄風に「わからんさ」と答えてみた。おばさんは「そーね」といって、他の年配の女性の買い物客に同じ質問をした。やっぱり「わからんね。お店の人にきいたらどうね。」と言われていた。
 どちらも似たような葉だから素人にはわからない。それに特別価格で一株20円だったし、店屋の人はいちいち種類を書くのも面倒だったんだろう。植えてからのお楽しみってことだってありだし、沖縄ではナーベラーだって「たわし」にしないで、食べちゃうから結果的には、ゴーヤと同じにお腹に収まるのである。
 しかし、いくら安いとはいえ、わが家は一軒屋ではないし、三階のベランダで棚をつくる苗は育てられない。なんとなくそんな会話を経験したからか、私はその一連の流れの中で、一株50円の「大葉」の苗を一株買った。しかし、帰りの車の中で、私が経験した「一連の流れ」はすべて仕組まれたものだったのではないか、と考え始めてしまった。あの女性たちはすべて私が苗を一株買うための「仕掛け」だったというものだ。考えすぎだよ。そう思うのだが、ぼくの記憶からは、あの二人の女性たちが、ある時点からすっぱりと抜け落ちている……。


 

お風呂で考えたこと

2010年03月14日 | 那覇、沖縄
 午後、佐敷の高台にあるホテルのお風呂にでかけた。以前は厚生年金のウェルネスリゾートだったのだが、赤字が問題になったとき、民間に売られたのだった。私としては、民間であれ公共であれ、お風呂が残ればそればよかった。幸い、入浴料も変わらず、今も存続している。

 なんといっても窓から見る海の眺望がすばらしい。温泉ではないが、眺望を楽しみながらゆっくり大きなお風呂には入れるだけで、十分に温泉気分を味わえる。今なお私の癒しの場の一つなのである。昔は「この海は西伊豆なんだ」と自分に信じ込ませて、本土の温泉気分を楽しんだものだったが、今はもう「ここは沖縄の海」と認識して風景を楽しむことができるようになった。山はいつも青々として、あでやかな鳥たちが飛び回る風景。風呂のさまざまな彩りの水音で、ガラス越しに見える亜熱帯の風景はまるで音を消したyoutubeの画面を見ているようだ。

 ほんとうならば今日は、息子と2人で大阪と京都を旅行しているはずだった。しかし息子は急遽、九州に試合に行くことになり、その練習もあって親子の旅行はあえなく中止になった。それもしかたあるまい。中学生にもなれば、息子はもう親の都合にあわせて動くことはできないのだ。小学生低学年の子どもと楽しそうにお風呂に入っている親子連れをみながら、ぼんやりそんなことを考えた。

 ふと自分を振り返った。私だってきっと中学生、高校生のころ、自分のクラブの試合やら学校の予定で、親との約束が破談になってしまうことがあったはずだ。きっと私の両親も今の私と同じような気持ちになったことも多々あったことだろう。それなのに、私には父がその都合で、私との約束をキャンセルした幾度かの記憶しか残っていない。人間は勝手なものだ。自分の被った痛みはずっと記憶に残っていても、自分の都合で相手をがっかりさせたり、傷つけたりしたことはすぐに忘れてしまう……。

ものすごい?出会い

2010年03月12日 | 家・わたくしごと
 昨晩のわが家のできごとだった。時間はだいたい午後23時30分。息子が寝る支度をして部屋から出てきた。ドアが開くと、部屋の中から「ベト7(べとしち)」が聞こえてきた。「ベト7」とは、ベートーヴェン交響曲第7番のこと。「のだめ」のドラマで使われたこともあり、かなり日本ではメジャーになった曲なのではないだろうか?
 しかし、私が「ベト7」を聞いたことが、「ものすごい出会い」のはずがない。クラシックおたく少年だった私はベト7なんて小学生から聞いているのである(サラリと書きながら、自慢するPの心のうちが見え隠れする)。それでは出会ったものとは何と何のか?
 息子がリビングに出てきたとき、私は高田渡の《生活の柄》をしんみりと聞いていたのだった。歌詞を読みながら、ほとんど歌の世界に没頭していたといっても過言ではない。そのとき突然ドアが開き、「ベト7」が流れた。その瞬間、「ベト7」と「生活の柄」が出会ったのだ。なんとすばらしい出会いではないか?まさに文化相対主義の境地である。1812年と1971年という異なった時代の、かつては異なる社会階層が聞いていた、異なった音楽文化が2010年に沖縄で出会う!こんなことは文章に書いて云々論じることじゃないのだが、とにかくぼくはまたもや「感動した!」。それにしても、高田渡を聞いていた私を見る息子の目が、少しばかり冷たかったのは気のせいだろうか?

「知る楽 こだわり人物伝」の2月は…

2010年03月11日 | 家・わたくしごと
 2月のNHK「知る楽 こだわり人物伝」は、高田渡だった。先週、東京のガムランのメンバーからこの4回分の録画をいただいた。昔、日本の首相が国技館で「感動した!」と言ったが、ぼくはこの録画を見て、きっと、その十倍くらい感動した。
 本を買いに行こうと思っていたのだが、このところの寒さと、雨続きで首里から那覇の街までなかなか行けなかった。だってバイクだし。とうとう本日、気温16度の中、重装備でバイクを飛ばしてジュンク堂で本を買う。
 買って読めばいいのに我慢できず立ち読み。子どもみたい。なぎら健壱のおしゃべり風な文章が面白い。音楽が無性に聴きたくなるのだが、これがかかると歌詞が気になって仕事ができないので18時をじっと待っている。やっぱり18時までは研究室でまじめに仕事をしなくてはダメだ!
 私のワヤンの演奏して下さる若いメンバーの方々。私が歌う高田渡の歌を聴きながら「これ、いったい誰?」なんて思わないで、「NHK知る楽 2-3月号」を本屋で立ち読みしてみよう(きっとあなたは、その本をレジに持っていき、690円を払ってしまい、その足でCD屋に寄り「ごあいさつ」を買ってしまうだろう)。そしてあなたも高田渡のとりこになるはずである。

14 < 15

2010年03月10日 | 家・わたくしごと
「えっ、ほんと?」
 昨晩、天気予報を見て目を疑った。明日の那覇の最高気温が14度、そして東京の最高気温が15度!これまでは10度くらい沖縄の気温が高いなんてざらだったのに、この三月に沖縄の最高気温の方が低いなんて。
 この時期の沖縄でこれだけ寒いことが今まであっただろうか?かみさんは、クリーニング屋にもっていくはずだった服をひっぱりだし、布団を2枚、そしてなんと湯たんぽまで用意している。ある意味、「寒さ」を楽しんでいるようにみえる。
 そして今朝。やっぱり寒かった。
 「たまには寒いのもいいわよね。」かみさんの今朝の表情は、気のせいかいつもより明るい……。

サクラサク

2010年03月08日 | 家・わたくしごと

 サクラが咲いた。沖縄のヒカンザクラ(緋寒桜)ではなくて、ソメイヨシノ。かみさんが大事に育てたソメイヨシノの小さな苗から一輪の花開く。しばらく春の本土には戻っていないかみさんはきっと、沖縄でソメイヨシノが見たかったのだろう。
 「でもね、このサクラ。葉が大きくなってしまっているわ」と少しさびしそうに彼女がつぶやく。
 「ソメイヨシノかどうかわからないけれど、でも正真正銘のサクラだよ。」 私は彼女を元気付けるつもりでそう言った。
 葉があろうがなかろうが、沖縄ではじめて「サクラ」を見たんだ。画期的じゃないか。しかも小さなわが家のベランダで。たかだか小さなサクラの鉢植えかもしれないが、私たちにとっては大事なサクラ。その一輪を見つめがら今夜はゆっくりと夜桜を楽しもう。

 これまで書いたサクラに関するブログはこちらで


「あやぐ食堂」でCランチに負けた歌

2010年03月03日 | 家・わたくしごと
カロリー超過とわかっていても
たまには食べたい味がある
メタボが怖いとわかっていても
たまには食べたい品がある

「あやぐ」の軒先 人だかり
いつもは横目で 過ぎるだけ
それでもたまにはいいじゃない?

今晩、ごはんを食べぬとか
明日の食事を減らすとか
すべては私の意志次第

食べちゃお、食べちゃお、食べちゃおう
(繰り返し)

(旋律は軍歌風、四七抜き短音階で、右手を直角にまげて、元気よく2拍子で振りながら、歌いましょう。)

Good bye

2010年03月02日 | 家・わたくしごと
JALの路線見直しで、那覇⇔神戸線は消えちゃうらしいぜ。
ラウンジはないかもしれないけどさ
ここにはすごいオープンデッキがあるんだ。
食堂階から階段をひとつ上ってごらんよ。
180度、広い海を見渡せ、潮の香りをいっぱいに吸い込むことができるし、
神戸の街の夜景だってばっちりだよ。
それに空港の近くにはIKEAだってあるしね、
買い物好きにはたまらない。
これが最後かもね。
だからGood bye 神戸空港……。