Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

寒いから東伊豆みたいだね

2010年03月30日 | 那覇、沖縄
 沖縄北部海岸の舗装された道を走りながら、どことなく、この道が東伊豆の海岸沿いを走る道路に思えてきた。そう考え出すともう妄想はとまらなくなり、具体的に「舞鶴」なんて土地名まで出てくる始末。運転しながら、妄想ワールドは果てしない広がりを見せるのだ。
 とにかく沖縄の風景の中に、自分が長年経験してきた本土(ヤマトゥ)の風景を探してしまうのである。この行動はある種、本能的であるといってもいい。体がアイデンティティを呼び覚ますんだろうか。
 この日がもし晴天で、海が太陽の光に輝き、青空が海面に映し出されて海も真っ青に澄んで見えたのならば、きっと私は「伊豆」の風景を思い浮かべなかっただろう。伊豆の海岸の砂は黒いし、海は青ではなく、ぼくには緑色に見えるからだ。すべては、この曇り空と、荒れた海、そして寒さがぼくの本能を呼び起こしたに他ならない。少なくてもこの日の海は青いどころか、どんより曇った空の色に黒のインクを少し流し込んだような深い灰色に見えたし、白波があちこちにたっていたのだから。そして私はジャンバーのジッパーを一番上まであげて、冷たい海風ををしのいでいたのだから。
(本稿をもって、「沖縄は寒いぞ」三部作完結)

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