Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

チョコレート

2008年02月23日 | バリ
 2月14日はインドネシアに滞在していた。バレンタイン・デーはインドネシアでも、花やチョコレートを贈答する日である。といっても女性から男性という一方通行の贈与行為が行われるだけでなく、両方向的である。ようするにどっちから渡してもいいわけだ。ちなみにジャカルタでは、バラの値段が、国内産で50パーセント、輸入もので30パーセントの高騰だとニュースで言っていた。それほど盛んに行われているということだろう。
 この日、村での調査から夜10時前に戻り、パソコンを開いて調べたことの整理を始めようと思ったとき、ホテルのドアを叩く音がする。「こんな時間に誰?」と思ったが、日本語で「先生」という声が聞こえたので開けてみると、現在インドネシアの大学で勉強しているガムランの教え子である。
 「バレンタイン・デーなので、チョコレート持ってきました」と箱を渡される。バリ・ベーカリーの大きい箱である。開けてみると、小さなチョコレートがたくさん入っているではないか!
 学生が帰っていって、もう一度、箱を覗いた。調査とか研究とか、そんな生活をおくっていて、バレンタインなど全く自分とは無関係だと感じてしまう「日常」と少々かけはなれた生活をしていた中、私はこの箱の眺めることで、突然、「日常」に引き戻されたようだった。しばらくそんな「日常」の余韻を楽しみながら、無我夢中になって一日中調査に明け暮れる自分の姿を見つめながら、苦笑いしてしまう。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。