Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

「先生、患者が待ってますけど」

2017年09月05日 | バリ

  「プンティン(大正琴)が好きだって?おお、それはいい。すぐに来なさい。話をしよう。」
紹介されたプンティンの演奏者は耳鼻咽喉科のお医者さんで、連絡をしたらすぐにおいで、といわれて場所を探しながら彼の家に出かけた。そして行ってみると、まさに開業中だった。17時から20時までの開業で、インドネシアでは大きな病院に勤めている先生が、夜に自宅で開業して診療するのはふつうである。
  とはいっても開業中とは聞いていなかったので、少し驚く。戸をノックするとまさに診療中。遠くから
「日本人か。よく来た。今、治療中だから待合室で待ってくれ」といわれる。
  幸い、私以外で待っている人はなく、患者が帰ると私を診療室に迎え入れた。そこから長い話と、彼の演奏が始まった(始まってしまったのである)。
  10分、20分と、そのくらいまではあまり気にならなかったのだが、なんだか待合室に結構な人がいる気がした。何度もお医者である演奏者にそれを私が伝えるのだが、とうとう奥さんまで出てきたプンティン談義、演奏。そこまでくると、患者が気になって話が頭に入ってこないのだが、彼のエンジンは完全にかかってしまい、もう止められなかった。
  なんとか話が終わり、待合室をみたら10人以上が待っているではないか。でもみんなニコニコしているのである。中には
「先生の演奏はうまいだろう?」と私に声をかける患者までいるほどである。
  いやはや、この地はまさにプンティン天国である。

   このブログがアップされた0時55分に、私はデンパサールから成田に向かいます。今回はほとんど毎日、ブログを更新してきました。読んでくださった方、ありがとう。帰国したらまたブログを更新できないかもしれません。気長に更新をお待ちください。細く、長く続けていくつもりです。
 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。