施主夫婦と子どもが並ぶ
鏡割り
担がれる施主
「おめでとうございます!」
拡声器でガラガラ声の若者が絶叫する。
「バンザーイ、バンザーイ、バンザーイ!」
ラッパの音が一度、三度、五度の順に音をあげていく。
「ウイショ、ウイッショ」
この叫び声で、太鼓のリズムが刻み出し、ラッパの旋律が奏で始める。
これが初子祝いの始まりである。とにかくすごい。家の前に施主(たいては夫婦とその子ども)が立ち、その家(店)の前をグルグルまわり、それが終わると口上となり、その後、鏡開きと相成る。施主(子どもの父親)が、皆の「ヨイショ、ヨイショ」の掛け声で、力いっぱい樽のふたを木槌でたたく。何回目かに蓋がわれて酒が飛び散るやいなや、あっという間に施主は肩車され、その瞬間、再びラッパと太鼓が始まる。施主は担がれて、家(店)の前を何周かまわる。田町ではそのとき、かならず鏡割りをした樽のふたを持つ担当がいる。この瞬間が最も興奮する時ではなかろうか?
樽酒や食事がふるまわれて、その後、施主や役員が大杯で酒を飲み、それが終わると万歳三唱で、次の場所へと移っていく。その際も何度も家の前をラッパ隊と百人近い組員が回るのである。とにかくすごいのは、拡声器をちょっとはすにかまえてわざとハウリングを起こしているんじゃないかと思うハスキーな声で叫ぶ若者である。ものすごい指示と統率力。この人の指示には誰も逆らえない。
うれしそうに涙が流す施主の姿を見て、こっちまでグスン。デジカメの画面が見えないよ…。
用意された食べ物
以上を持って三日間の浜松まつり(初日、二日目、三日目編)のブログは終了です。今までは一つの話には一枚の写真と決めてきましたが、これは自分の記録の意味もあって写真を複数掲載しました。あと数分で5月5日が終わり、6日になります。まだ遠くでラッパの音やホイッスルの音がします。これで終わっちゃうんですね。ものすごく喪失感があります。祭りのあとの空虚さ、というか…。参加していない私がこうなのだから、参加しているみなさんはどんな気持ちになっちゃうだろう。数日はぼんやりしながら、リハビリに励みます。ブログを読んでくれた方、ありがとう。私感ですから違っていることもあるかもしれません。でも、いろいろ楽しめた三日間でした。浜松のみなさんに本当に感謝しています。