Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

自転車がいけなかったんです!

2013年06月13日 | 家・わたくしごと

   夕方のお話。会議が終わんないし、浜松駅の逆側の小学校の校長に会わなきゃならんし、という状況で、もう約束時間まで10分というところで、もうあきらめて会議を中退し、大学職員の方の自転車を借りて速攻で小学校に向かったのでした。小雨、歩道濡れてる。そして案の定、こけた…。自転車は無傷。でも私…腰痛。

 決めました!決めちゃいました!決めたんです!もう自転車なんて乗ってる場合じゃない。やっばりバイクだよ、バイク。つじつまが合わないって?つじつまなんて必要ないんだよ。この一年、ぼくは自分にずっと嘘をつき続けて生きてたんだ。バイクに乗らなくたってぜんぜん平気じゃーん、なんてたいそう偉そうなこと呟いてさ。「嘘つきは泥棒の始まり」っていうのに、もう1年だぜ。泥棒の始まりじゃなくて、完璧、「泥棒」だよ。
 
 悟りを開いた僕は、腰痛のまま、自転車に乗ってバイク屋に直行。いったいこのおじさんとこれまで何度、値段の交渉したんだろうね。しかし、もう僕の「買うなら、今でしょ!」というどうにも止まらない気持ちを察してか、おじさんは観念して安くしてくれたので・し・た。やっぱり僕の熱意が伝わったんだ(と信じたい)。だから…

 買います!買っちゃいます!買うんです!HONDA SUPER CUB110を買っちゃうんです。すべては自転車でこけたせいなのです。あの濡れた、憎たらしいタイルのような敷石がいけないのです。あいつらが、ぼくの背中をむちゃくちゃ強引に押したのです。しかも僕のガラスの腰にケリいれやがって!

 買うときめたら、今度は色です。110ccのカブは、青空みたいなパールブルーか、それとも全面ブラック?この件、バイク屋のおじさんは次のように馴れ馴れしく、しかもクールに語るわけです。
 「あのさあ、今はもう歳なんて関係ないのよ。派手なバイクにのってるライダーがね、メット(ヘルメットの省略)とったら、白髪なんて、ぜんぜんふつうだよ。」
 「あのー。僕、結構白髪混じりなんですけどー」なんて言いませんでしたよ。「おめえ、おれに挑戦してんのかよ」とも言いませんでした。なんたって腰痛だしー。バイクの屋の椅子、うちの大学の講義室の椅子みたいで、「腰が痛い人」が座るなんて全く想定されていないから。まあ、腰痛の人、バイク乗らないしー。そういうことで、僕は一晩、色について…

 悩みます!悩んじゃいます!悩むんです!こんなことで悩むなんてなんて幸せな夜なんでしょう!今晩は、悩みつくします。もちろんバッハのトッカータをがんがんかけまくります。バッハとバイク、どっちも「バ」がついて相性がよさそうです。だから、きっといい答えが出せるんだと思います。そろそろ今日のブログはシャンシャンとこのへんで閉めましょう。すでにバイクに乗って暴走している状況で、文章は支離滅裂な気がするし。

 


 


グールドのトッカータ

2013年06月13日 | CD・DVD・カセット・レコード

 先週の日曜日、久しぶりに新宿のディスクユニオンのクラシック館でCD4枚の大人買いをしました。まあ全部中古だから新譜1枚分より安かったけれど、それでも4枚というのは「裕福な買い方」だと、若い頃はレジにならんだ隣のオジサンをみて思ったものでした。それがまさか自分になるとはね。
 買った中にはグールドのトッカータのCD2枚組があります。かつてレコードで持っていたのですが、CDではなぜか買わずじまいでここまで来てしまった一品。高校から大学にかけて聴き続けた演奏でした。あれからグールドのトッカータの記憶がぱったり途切れたまま、30年が過ぎたってわけ。
 日曜日に夜遅く東京から戻って部屋で聞きました。今、こうして聞いてみるととても新鮮に感じるものです。でもヤバイですね。もう完全にヤバイです。好きだったハ短調(BWV911)なんて、もう今の私の心にグサグサ刺さるようなそんな演奏。30年前のあの頃も、自分の進路や生き方にさんざん悩んで、グールドの神経質な、なんだかこちらが息を止めてしまうようなストイックな演奏から何から得たり、立ち止まったりして自分の立ち位置を確認して、でも一歩一歩確実に前に進んでいたんだと思います。(結局のところベタな音楽愛好家なんですよ。)
 今は浜松での「静かなる傍観の一年」が終わり、再始動を始めながら、始めての経験にとまどって、毎日、毎日立ち止まって周りをしっかり見据えてがんばらなくちゃいけない時。やっぱりこのCDに手がいってしまったんですね。無意識です。買う予定なかったんだもの。でも30年の空白があって、突如、私の前に姿を現したグールドのトッカータは、かつて自分が悩んで悩んで選択した生き方が間違っていなかったことを私に気づかせてくれるような演奏です。あの頃、大きな夢を抱いて歩き出した少年は、30年たっても同じ夢を見続けて生きいるのですものね(進歩ねえー)。さあ、今日もがんばって仕事に行くぜ!