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もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

キジムナーフェスタ「アルジュナの瞑想」によせて

2012年07月23日 | 那覇、沖縄
 今週末から沖縄で開催されるキジムナーフェスタ2012(国際児童青少年演劇フェスティバルおきなわ)で三日間上演する演劇「アルジュナの瞑想」は、すでに2010年の前回の公演「ドゥコット魔王の物語」の公演の最中に、次の演目としてバリの友人と相談していた演目でした。私は2003年にオランダにいるとき、デンハーグでバリの人々によるこの演目の上演を見たことがあります。ガムランもほんのわずか、また出演者も数人でしたが、十分に可能性を感じた公演で、いつかこれを大きな公演で、自分なりに大規模なガムラン編成のもと演出してみたいと思っていました。
 この私のアイデアに対してすぐに私の友人たちも同意して、2010年8月にこの演劇を自分の村で創作してしまったのです。この写真はそのときのものです。もちろんその公演の場にも私は立ち合い、日本で上演する場合についていろいろ意見をしました。今回はそうした数回の議論の中で創られたもので、プナサル(従者・道化)にはバリにはない新しい半面を創作しました。それから2年、今、この演目が日本で上演されようとしていることに、ある意味、感無量です。
 このフェスティバルの招待公演はさまざまな補助金の申請の結果を待たなければなりません。それがわかるのは3月。この公演も同様で、本格的なガムランの練習も役者手配もすべて3月中旬から始まりました。そんな急な準備の中、協力してくれている東京の舞踊家や演奏家、そして何よりも沖縄のメンバーたちには感謝しても、感謝し足りないくらいです。本格的なガムランの練習も3月からで、しかも曲を知っている私が4月1日に沖縄から異動。沖縄のメンバーはそれでも私から習った曲を一生懸命に練習してくれました。
 今回は、バリからの4名(I Made Suarjana, I Wayan Sutartha, I Made Desyantho, Ni Putu Kartika Saridewi)の招聘に加えて、東京からは、舞踊家・役者として小谷野哲郎さん、車田れい子さん、松村綾子さん、演奏家として皆川厚一さん、伊藤祐里子さん、沖縄からは阿嘉修さん、仲本久乃さんが参加します。沖縄のメンバーも入れると総勢30名以上。この演劇はワヤンと同様に、カウィ語を用いる主人に仕える従者たちが日本語を使います。もちろん阿嘉さんは、沖縄の観客の方々を方言を交えて、存分に楽しませてくれるはずです。
 この公演ではバロンとランダが登場するだけでなく、猪のバロン(バロン・バンカル)も「豚」役として初お目見え。1時間強の舞台ですが、バリのエッセンスを詰め込みました。
  あいかわらず沖縄限定の公演ですが、沖縄にお住まいで、インドネシアの芸能、ガムラン音楽に興味をお持ちの方、あるいは阿嘉修さんの大ファンの方々、(僕のファンの方も大歓迎です?)、ぜひ、会場に足をお運びください。なお、30日にはガムラン・ワークショップがあり、私とスアルジャナさんが二人で、初心者の方にわかりやすくガムランの楽しさを教えます。12歳以上ならばどなたでも参加できます。

 上演は以下の通りです。
 「アルジュナの瞑想」――マハーバーラタ物語より
会場:野外特設テント
28日(金)13:00~14:00
29日(土)19:00~20:00
30日(日)19:00~20:00
入場料:前売 おとな(18歳以上):1,500円、 こども:1,000円
    当日 おとな(18歳以上):1,800円、 こども:1,300円

 ガムラン・ワークショップ
30日(月)9:30~12:00
会場:野外特設テント 
12歳以上、30名程度
参加費:500円

なお、これ以外にも6公演に入ることができる「キジムナーくらぶ6」5,000円があります。公演、ワークショップなどの詳細は、キジムナーフェスタのHPをご覧ください。ワークショップ、公演、シンポジウムも含めると150もプログラムが用意されています。これだけの演劇祭はなかなかありません。
http://www.jp.kijimuna-festa.org/