Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

フィールドワーカーズ・ハンドブック

2011年05月27日 | 
 『フィールドワーカーズ・ハンドブック』という本が出版社から送られてきました。書店には来月から並ぶそうです。
 Pは、この中の第6章を書いています。「体得するフィールドワーク」に焦点を当てたもので、ガムラン関係者から見れば「体得するのが当たり前じゃーん」なんて思うかもしれませんが、文化人類学のフィールドワークの方法の中で、このように取り上げられたのははじめてだと思います。この中では、音楽や芸能の体得の重要性やインフォーマントとの関係、そのまとめ方などを書いてみました。
 あくまでも「私(民族音楽学)流」のフィールドワークの方法の一つですが、録音や録画、インタヴューなどに加えて、「体得」もまたフィールドワークの一つの方法として、本書の中で取り上げてもらえたことを嬉しく思っています。この本自体は、文化人類学にとどまらず、民族音楽学を学ぶ学生にも役に立つ本です。

 日本文化人類学会(監修)
 鏡味治也・関根康正・橋本和也・森山工(編)
 『フィールドワーカーズ・ハンドブック』
  世界思想社、2011年
  定価:本体価格2,400円+税



ハトの日向ぼっこ

2011年05月27日 | 大学
 昨日は久しぶりに大きな太陽が顔をのぞかせました。地面からは水蒸気が立ち上りそうな、そんな勢いの眩しい光が街全体に注がれていました。湿気で身体も心もそんな太陽の下で乾かしたいと思うほど。でもそんな陽気を横目に、節電で蛍光灯が歯抜けになった、時代遅れの病院のような廊下を歩いて、研究室まで行かなくてはなりません。
 そんなことを考えながら憂鬱になりかけたぼくの目にふと、右側の羽だけを広げて、全身の力が抜けて地面にペッタリとはいつくばるようにして休むハトが目に入りました。正直なところ、瀕死のハトではないかと思ったほどです。でも近づいてみると目をクリクリさせて、にこやかに笑っているようです。ネコには嫌われてしまうぼくも、ハトには拒否されないようで、首を微妙に動かしながら、それでも微笑んでいるように見えます。
 ハトの日向ぼっこ。ハトの身体と心の乾燥時間!きっと、幸せな時間を満喫しすぎて、ぼくに対する警戒心も薄れ、動くのが面倒になってしまったのでしょう。いくぶんハトの目がトロンとして、温かさの余韻に浸っているようにも見えるのです。そんなハトを見ていたらちょっぴり元気が出てきた気がします。
 気のせいか、手が幾分大きく振れるようになった気がして、しばらく歩いてからハトが気になって振り返ると、その姿はもう見当たりませんでした。「ハトはもう飛び立ったんだよ。しっかりしなくちゃ。」となぜか自分に言い聞かせていました。