Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

おっとっと階段

2009年01月14日 | バリ
 この階段、バリの芸術高校のホールにつけられた階段である。ちょっと見ただけではなんの変哲もない階段に見えるが、よく見てみると何かおかしいことに気づくだろうか?実はこの階段、上から下りていくと最初の三段とそれ以外の高さが違うのである。
 日本人だからなのかもしれないが、不思議なもので山登りでもなければ、階段の高さは同じだと考えている。そのため一段降りたところでそれ以外も同じ高さの階段だと脳が指令を出してしまうのだが、この写真の階段、その指令通りに降りていくと、4段目に降りた瞬間、「おっとっと」となる。つくはずの階段に足がつかないわけだから。
 ある意味これはとても危険である。場合によっては捻挫をしたり、転げ落ちたりすることだろう。事実、私は統計局のこの手の階段から足を踏み外したことがあるのだ。しかしこの手の階段はバリでは日常である。階段の高さは同じだ、と考えること自体が間違っているのであり、バリの人々の脳からは、常に階段の高さは違うものだと信号が送られているため、運動神経は、階段の高さの違いにもしっかり順応する。郷に入れば郷に従えであるが、階段の高さについてはなかなか対応できるものではない。ちなみにこの写真の階段で私自身も「おっとっと」だった。それだけで済んだことが幸い・・・。