GNSSDOを製作して、ほぼ満足のいく結果を得ていますが、持ち運ぶにはちょっと不便です。そこで、OCXOを使って基準発振器を製作することにしました。いくら安定な発振器(OCXO)を製作しても校正できなければ無意味です。しかし、GNSSDOを使えば、かなりの周波数確度に校正することができる筈です。
OCXOとしては、Bliley社のNV47A1282を採用しました。このOCXOの中古品は、ネットショップやオークション等で比較的簡単に入手することができます。私は、GNSSDOの発振器としても、NV47A1282を使っています。NV47A1282の良い所は、今でもネットでデータシートをダウンロードすることができる点です。NV47A1282は、DC5V電源で動作し、外部に5kΩのトリマー抵抗を付けるだけで、発振周波数を微調整することができます。
私は、IC-9700をアンテナ直下の犬小屋に置いてリモート運用する場合を想定しているので、OCXOの電源もDC+13.8Vにしました。シリーズレギュレータ(7805)で13.8Vから5Vに変換する場合、シリーズレギュレータの損失が大きいため、大型のヒートシンクを取付けました。OCXOのオーブンが暖まれば、消費電流は0.2A程度に落ち着きますが、パワーオン時には約0.6Aの電流が流れ、約5Wの損失が生じます。NV47A1282のVref端子から4Vが出力されているので、5kΩの多回転トリマーを接続します。トリマーのワイパー端子からVcont端子に制御電圧を供給して、周波数を微調整します。ケースはタカチのMB8-6-8(W/H/D=80/60/80)を使用しました。
校正はデジタルオシロスコープを用いて、リサージュ図形を描画させて行います。リサージュ図形として描画される楕円が静止すれば、周波数がピタッと合致していることを意味します。10秒周期で楕円が一周するならば、10MHzの10分の1・・・すなわち10ppb(0.01ppm)の確度に調整できていることになります。仏作って魂いれず・・・と言われるように、測定器は校正してナンボです。GNSSDOは手軽にルビジウム発振器の周波数確度を手に入れることができるので、それを周波数(時間)の基準器として校正に役立てることができます。質量や長さなどの次元では、こんなに簡単に基準器を手に入れることはできないでしょう。
所詮、アマチュアなので自己満足の世界ですが、ニンマリしています。