南無ちゃんのブログ    https://namva.net

天下御免の夢中人=南無ちゃんは、今日も元気で明るく楽しく逞しく生きてゆく。

430MHzの落成検査に向けて(その2)

2023-01-31 15:53:20 | アマチュア無線

 昨日設定した構成で、500W出力時のスプリアスを確認しました。まず、432MHz±50MHzをスイープしました。M1~M4はいずれも70dBc以下のレベルなのでOKです。

 次の画像は30MHzから530MHzをスイープしたものです。

 M1, M2は-70dBc以下なのでOKです。M3@168MHzにある-63.39dBcのスプリアスは、以前から問題にしていたものですが、スペアナのスプリアスなので除外します。

 次の画像は、400MHzから3GHzをスイープしたものです。

 M2@864MHzに-68.47dBcの第2高調波、M3@1.296MHzに-61.81dBcの第3高調波によるスプリアスがあります。これらは-70dBc以下というハードルをクリアする必要があります。マーカを付けていませんが、2.4GHzあたりに-70dBc以上のスプリアスがありますが、これはスペアナのスプリアスなので除外して考えます。

 次の画像は432MHz±62.5kHzをスイープしたものです。

 帯域外領域は、必要帯域幅(F1Dの場合30kHz・・・±15kHz)よりも外側で±62.5kHz迄の領域です。この領域のスプリアスは、-60dBc以下というハードルをクリアする必要があります。M1@432MHzに-56.69dBのスプリアスがありますが、-2.697kHzなので必要帯域幅内であり、帯域外領域ではありませんので、OKです。M2@431.994MHzも-8.092kHzなので必要帯域幅内であり、かつ-61.45dBcなのでOKです。M3@431.984MHzは-18.9kHzなので帯域外領域ですが、-61.27dBcなのでOKです。

 以上、ざっと点検したところ問題なのは864MHzの第2高調波と、1.296GHzの第3高調波だけです。これらを除去できればスプリアス規制の基準を満たします。

 1月14日に製作したLPFを30dB300Wアッテネータとスペアナの間に挿入して、LPFで除去できるかどうか試してみました。このLPFはSMAコネクタなので、いきなり500Wを加えるのは抵抗があったので、あくまでも味利きがてらです。

 上の画像に示すように、M2もM3も-70dBc以下になりました。3次チェビシェフ型LPFで十分にスプリアスを抑制できることが分かりました。

 LPFを500Wに耐えるように作り直して、後日テストしてみたいと思います。

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430MHzの落成検査に向けて

2023-01-30 16:24:21 | アマチュア無線

 この1ヵ月はフィルター設計について興味を惹かれたので、やや脱線気味でしたが、これも430MHz帯のQRO落成検査の準備の一つとして欠かせない学習だったように思います。

 色々紆余曲折はありましたが、エキサイターはIC-705にするよということで変更申請の変更をすることにします。IC-705とリニアアンプの間にBPFを挿入して、IC-705のヘテロダインによるキャリア近傍(±40MHz)および第2高調波のスプリアスを除去します。BPF無しでは、いくら優秀なリニアアンプを使っても-70dBc以下というスプリアス規制のハードルをクリアすることができないことは、これまでの実験で分かっています。

 1年程前にHenry-radioで購入したBirdの30dBアッテネータの容量は300Wなので、このままでは500Wでのテストができません。どうしたものかと思案した結果、アンテナの部品として用いられる430MHz帯用2分配器を用いて、HF帯の試験に用いていた定格不明のダミーロード(500W ~1kW)に半分の電力を消費してもらうことにしました。分配器には周波数特性があるので、スプリアス測定の正しい方法ではないことは承知していますが、アマチュア的には可とにしました。

 IC-705の出力調整を88%にすると、500Wをやや上回る位になります。エキサイターをIC-705にすることで、オーバードライブによるリニアアンプの損傷を回避することができて、丁度良いバランスなのかもしれません。

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マイクロストリップラインで作る430MHz帯用BPF(その2)

2023-01-29 15:49:09 | アマチュア無線

 一昨日製作した430MHz帯用BPFを改良するために、KiCadでアートワークして、CNC3018Proで切削加工しました。切削するのに2時間近くもかかりましたので化学的にエッチングした方が精度が出て良かったかもしれません。以下にVNAuhfで測定中の写真を示します。

 VNAuhfでの測定結果は次のようになりました。

 流石に、インピーダンスマッチングはちゃんとできていて、SWR=1.17@434MHzですが、挿入損失(S21)が5.5dBもあります。スカート特性は良好なので、NFの小さなMMICの前段に置いてLNAを作る場合などには利用できるかもしれませんが、送信系には使えそうにありません。

 MarkiのHPで周波数特性が確認できないのが残念ですが、挿入損失が大きい原因は、三つのマイクロストリップラインの間隔が広すぎることだと考えられます。これを狭くするようにPCBの厚みを変えるとか通過帯域を広くするとかすれば、挿入損失を小さくできるかもしれません。

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LoTWでFT8WW等をコンファーム

2023-01-28 09:23:50 | アマチュア無線

 昨日、12月と1月にQSOした中で目ぼしい相手にOQRSでQSLを請求しました。今朝、その結果を確認するためにLoTWを開いたところ、多数のNewをコンファームできました。

 中でもFT8WWはMixedでもNewなので、これらの中ではピカ壱です。まだまだサイクル25は始まったばかりなので、これからピークに向けてハイバンドのコンディションが上昇する中、ハイバンドで取りこぼしのないように一つ一つバンドニューをモノにして行きたいと思います。

 

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マイクロストリップラインで作る430MHz帯用BPF

2023-01-27 16:15:43 | アマチュア無線

 430MHz帯用BPFが作りたくてインターネット図書館で色々調査しています。昔のCQ誌などでよく見かけたキャビティー型やトラフ型のBPFの製作記事や設計方法に関する文献が少なくて残念です。代わりに、マイクロストリップラインを使ったBPF等の設計に関する文献が多く、今頃流行りの5G携帯電話用と思われる4GHz帯のものなどを沢山見つけることができました。

 4GHzに近い2.4GHz帯や5GHz帯などにもアマチュアバンドがありますが、今の処、興味がありません。今製作したいのは430MHz帯ですが、設計手法は参考になります。

 高周波関連部品メーカであるMarkiのサイトでBPFを設計することができます。LCフィルターの他、マイクロストリップラインでBPFを設計できるので、それを利用して432MHz±10MHzを通過帯域とするBPFを設計してみました。

 図のように3つのマイクロストリップラインで構成されています。94.79mmという長さは、432MHzのλ/4に相当するものなのでしょう。この長さは使用するPCBの誘電率や厚さに左右されます。3本のマイクロストリップラインの内の両端のものは図中下端で、真ん中のものは図中上端で裏面(GND)にショートし、それぞれショートスタブとして動作します。(図中左側のDimensions Legend参照)

 マイクロストリップライン相互の間隔は、マイクロストリップライン間を結合するキャパシターの値となります。入力端と出力端の引き出し口(上図でtの長さ)はインピーダンスに影響を与えるものと考えられます。マイクロストリップラインの幅が2.778㎜というのは、このPCBにおける特性インピーダンスが50Ωになる長さです。

 Markiの設計サイトでは、残念ながら、LCフィルターの場合にはS11, S21の周波数特性を確認することができるのですが、マイクロストリップラインの場合には、それができません。どっちみち、机上で確認するだけでは面白味が少ないので、実際に作って、周波数特性を確認することにしました。

 例によって、PCBと銅テープでちゃっちゃと試作しました。銅テープの幅や間隔などは手作業なので精密さを欠いていますが、本当にそれらしい特性になるのかどうかに興味があります。

 VNAuhfを用いてS11, S21の周波数特性を測定した結果を以下に示します。

 作りが雑だったためなのか、インピーダンスマッチングが今一つなので、実用には堪えませんが、S21のスカート特性は中々のものです。

 ちゃんとアートワークしてエッチング処理すれば、もっとまともな特性が得られそうです。

 

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