院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

リニア新幹線と農業の発明

2013-10-09 06:01:16 | 文化
 局所だけを捉えた批判を私は好まない。

 例えばリニア新幹線構想に対して、東京-名古屋間を40分縮めて何か良いことがあるのか!?と批判する人がいる。

 そういう人は、リニア新幹線ができても、まさか乗らないでしょうね。いや、絶対に乗ってはならない。


(「リニア中央新幹線」のホームページより。)

 リニア新幹線は従来の新幹線技術の上にある。リニア新幹線を批判する人は、もとになった普通の新幹線も批判すべきである。そして、従来の新幹線にも乗ってはならない。

 そもそも人々が集まって国家というものを作ったから分業や協同が行われ、古くはピラミッド、新しくはリニア新幹線が可能になったのだ。

 国家のもとは農業の発明にある。余剰のないその日暮らしでは巨大国家は作れず、あらゆる古代遺跡は存在しなかった。

 ここで自然破壊の元祖は農業の発明であると言われて、すぐに納得できる人は感度がよい。里山を賛美する声があるけれども、里山はすでに農業を前提としており、存在自体がじつは自然破壊である。

 すべての元凶は農業にある。原爆もリニア新幹線も農業の発明なしにはありえなかった。リニア新幹線を否定する人は、まず農業を否定してほしい。

 農業の発明によって人類が豊かになったと考える人が多かったが、最近の考古学では、農耕時代の人骨より前の狩猟時代の人骨のほうが栄養が豊かだという説もある。狩猟時代のほうが労働時間が短かったとも推測されている(1日3時間ほど)。

 農業の発明は人類に輝かしい未来を保証したのではなく、逆に人類転落の口火を切ったとの解釈もできるのである。