院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

ラジオ体操の意義

2006-07-21 14:27:48 | Weblog
 夏休みである。各地で子供たちの朝のラジオ体操が始まった。

 今はラジオ体操を行うのは夏休みの一部だけらしいが、私が子供のころは夏休みの間中、毎日だった。早起きするのがつらかったけれども、皆勤の賞品めざして子供なりに頑張った。でも、やはりつらかった。

 なんのためにラジオ体操をするのだろうか。子供たちの生活が夏休み中に乱れないようにとの配慮からだろうか。

 少なくともラジオ体操に運動的な意義はない。数分間、音楽に合わせて手を上げ下げしても運動量は知れている。

 大人でもラジオ体操を好む人がいる。当人は「健康のため」と言うけれども、どの程度健康に役立つかは疑問である。ラジオ体操をしないと一日が始まらないというほど熱心な人もいる。むしろ、そのほうが解る気がする。

 むかし、隣りのお婆さんが毎朝、木魚を叩いてお経をあげていた。お婆さんは、一日の始まりに必ず仏壇の前に座らないと気がすまないのだという。

 ラジオ体操もそうだろう。一群の人たちにとっては、ラジオ体操は一日が始まる儀式なのだ。

 このように儀式的なことを、子供たちや他人に押し付けるのはいかがなものか。毎朝同じ時間に、国民全員が同時に手を上げ下げしている図を想像してみてほしい。どこか、そら恐ろしくはないか。