【ストーリー】本作では依頼がすでに決まっているので上段に記載。
場所は高知の圓月院。
頼み人の廓の総代・鶴富楼お倉によれば、標的の破戒僧・宗純は三人の女郎をかどわかして、自分の寺である来迎寺で乱暴を働いていると言う。
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高知に入った一行は、有名なはりまや橋で坊さんがかんざしを買う姿を目撃するが、その坊さんこそが今度の標的・宗純であった。
晋松は情報を集めるが、驚いたことに宗純は僧になる前はお倉の娘・お光の夫で、お倉にとっては婿養子だったという。
一方、直次郎はオカマに変装して来迎寺へ潜り込み、三人の女郎がこき使われている様子を確認する。
仕舞人たちは宗純を殺すために来迎寺へ乗り込むが、彼らはそこで驚きの光景を目撃する。
宗純が三人の女郎に厳しく接していたのは、彼女たちを世に出し一人立ちさせるためだったのだ。
京山もその真意を知り、間接的に三人の国越えに協力する。
その頃、宗純に自ら手を下すことを決めたお倉は来迎寺へ向かうが、お光が宗純をかばうため手を下せない。
そこにやって来た廓の副総代・亀屋と入船屋は、邪魔な宗純を殺し、ついでに日頃から不満を持っていたお倉までも殺してしまう。
【知ってるゲスト】
高峰圭二、田中弘史
【名シーン】
①坊さんかんざし買うを見た
↑嫌われ者の宗純。このかんざしは何に使うつもりなのか…。
②宗純の企み
宗純は女郎たちを国超えさせるために、京山一行の通行手形を盗もうとする。
直次郎「弱っちゃったなぁ、あいつ俺たちの一座に強盗に入るんだってよ」
京山「ほう、いいよ、入っておいで…直、あの女郎たちを助けてやろうじゃないか」
↑宗純の真意を知り、京山も女郎の足抜けに協力することに。
③直次郎七変化
↑オカマの直次郎。
↑泥棒の直次郎。師匠に包丁を突きつけるので謝るシーン。
④宗純と女郎たちの別れ
宗純は女郎たちの髪に自らかんざしを挿す。女郎たちは皆泣いている。
女郎「ありがとうございました!」
宗純「ほな、この通行手形で頼むぞ」
直次郎「へい」
宗純「お前には何の支度もしてやれなかったが、まぁ男や、逃げられるだけで堪えてくれ」
宗純は直次郎に手形を渡す。そして彼女たちにも声を掛ける。
宗純「では、必ず逃げ切ってくれよ」
女郎「必ず逃げ切ってみせます」
宗純「お前らが無事に逃げ切れば、あとに続く者の励みになる…頼んだぞ!」
直次郎「へい!」
↑かんざしは彼女たちへのプレゼントだったんだね。
↑実はいい人だった宗純さん。
直次郎も彼を認め、「頼んだぞ」と言われたあとの返事はとても素直なものに。
⑤ラスト
芝居小屋に庵主がやってくる。その手には亡くなった三人の位牌があった。
京山「何か?」
庵主「京山さん、評判の手踊りを見せては頂けませぬか?
仏の供養のために…それに鶴富楼の女郎衆たちにも是非…」
皆はかんざしを買う宗純の姿を思い出す。
庵主の要望に応え、よさこい節を披露する京山一座で終わり。
↑この庵主様も最初は宗純を憎んでたけど、今は彼の供養のために京山の元へ行く。
↑最後はしんみりとなるけど、なかなかの良回でした。