ミューズの声聞こゆ

なごみと素敵を探して
In search of lovable

このたびの東日本大震災で被災された多くの皆様へ、謹んでお見舞い申し上げます。

大震災直後から、たくさんの支援を全国から賜りましたこと、職員一同心より感謝申し上げます。 また、私たちと共にあって、懸命に復興に取り組んでいらっしゃる関係者の方々に対しても厚く感謝申し上げます。

パール

2022年12月08日 | 日記

「僕は彼女をパールと呼んだ。彼女の誕生日にちなんだ、ちょっとしたジョークだった。ねえ、パール、きみは本当におしゃれだね。そうかな?真紅のセーターにツイードのパンツ。あるいは、ヘレン・カミンスキーの帽子にクリーム色のトレアドール・パンツ。漆黒のボブ・カットの彼女は、非常に顔の輪郭が濃く、深いまなざしをしていた。

このコロナ禍の中で、要らないものをどんどん捨てた。真っ先に捨てたのはやはり洋服だ。捨て過ぎて、スカスカになってしまうのでは、と何度も心細くなりながらの作業だったが、数日後、終わってみると、表現がおかしいかもしれないが、ワードローブがひどく濃くなっていた。本当に好きなものばかり残って、どれから着ても、僕そのものだった。

パールにそれを話すと、そういうものよ、とにっこり笑った。

そういうものなのか。」

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

クリス・クリングル

2022年12月05日 | ハリウッド

1947年版

 

Miracle on 34th street deaf girl - YouTube

1994年版

 「三十四丁目の奇蹟」(1947年)をジョン・ヒューズがリメイクした「34丁目の奇跡」(1994年)が唯一オリジナル版より優れているのは、あの聾唖の少女のシーンだろう。オリジナルの、英語を話せないオランダの少女から改変されているのだが、少女と向き合った時のクリス・クリングル(リチャード・アッテンボロー)の胸のざわめきが、観る者にも伝わって来て苦しいくらいだ。

ちなみに、1973年のテレビ版ではスペインの少女という設定で、トーマス・ミッチェル(スカーレット・オハラの父)がクリングルを演じた1955年版では、エピソード自体なかった。

 

サンタの存在を信じない女の子(天才子役時代のナタリー・ウッド)と、メイシー百貨店に勤務するそのお母さん(モーリン・オハラ!)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「逃亡者」(下)

2022年12月02日 | ハリウッド

 計4シーズン続いた人気テレビシリーズの「逃亡者」の記念すべき第1話はジョン・フォードやヒチコックに寵用された名花ヴェラ・マイルズがゲスト出演している。

なにせ第1話なので再放送されても観逃すことが多かったが、それでも二回ほど観た記憶がある。

とある町にバスで到着したキンブル医師(デビッド・ジャンセン)。新聞の求人欄で見つけた酒場でバーテンダーとして働き始めるのだが、その店でピアノを弾いているのがマイルズだった。彼女もまたDV夫から子供を連れて逃れ、小さな借家でひっそりと暮らしているわけありの女性だった。

1962年当時すでにDVという重いテーマを扱っているのが、今考えるとすごいが、夫役が「風とライオン」でセオドア・ルーズベルトを演じていた押し出しのいい偉丈夫のブライアン・キースで、線の細いキンブル医師は非常に旗色が悪く、ハラハラする。

また、フォードやヒチコックたち大監督の演技に対するさまざまな高い期待と要望に応えてきたヴェラ・マイルズの繊細な感情表現と向き合うと、ジャンセンの演技はひどく単調で見劣りしているのも気になる。そんなこともありこの回は、観れて嬉しいのか、心配なのか、よくわからなくなってくる。きっと、初回ということで制作陣もマイルズの出演を奮発したのだろうが。

 これに対して「逃亡者」の最終回は、個人的に大好きなJ・D・キャノンがゲストだ。終わり良ければすべて良しとは行かないうら寂しいムードが漂っているが、こちらは観るたび嬉しくなる。

 

J・D・キャノン。「警部マクロード」の上司役で知られている。

 

「逃亡者」第1話のエンディング。

 

ジョン・フォード監督「リバティ・バランスを射った男」(1962年)より。左からヴェラ・マイルズ、その父母(ジャネット・ノーラン、ジョン・クォーレン)、ポンピー(ウッディ・ストロード)。ジョン・クォーレンは「捜索者」でもマイルズの父親役を演じている。笠智衆か。

 

「逃亡者」に、ジャネット・ノーランは西部劇俳優の夫ジョン・マッキンタイアと夫婦で出演していた。

ちなみに、ヒチコックの「サイコ」(1960年)にはマイルズ、ノーラン、マッキンタイアが揃って出演している。

エプロンが似合うノーランだが、オーソン・ウエルズの「マクベス」(1948年)ではレディ・マクベスを演じた名女優だ。

 

「サイコ」のヴェラ・マイルズ。髪はかつらだ。

 

 

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする