八百万(やおよろず)の神にかしずかれた姉は、いつにも増してまばゆい輝きを放っていた。天岩戸が閉じた時の闇の本当の暗さ、恐怖を彼らはもう決して忘れることはないだろうし、そのため彼女をより一層大切にするだろう。騒動の原因を作ったのが自分自身であるにもかかわらず、スサノヲは満足だった。手足の爪を全部抜かれた彼はよろよろと高天原をあとにした。姉の放つ光でできたおのれの影を踏みながら。
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