ミューズの声聞こゆ

なごみと素敵を探して
In search of lovable

2019年05月20日 | 珠玉

 窓の外が妙に明るいので玄関から出て夜空を見上げると、玉のような月が雲間に浮かんで輝いていた。

 

天平19年(747年)4月20日、離任して京へ戻る越中守大伴家持は送別会を催してくれた現地の部下の大目(だいさかん)                    秦忌寸八千島(はだのいみきやちしま)との別れを惜しんで歌を詠んだ。

 

吾が背子は 玉にもがもな 手に巻きて 見つつ行かむを 置きて行かば惜し 

(わがせこは たまにもがもな てにまきて みつつゆかむを おきていかばをし)

 

あなたが玉ででもあってくれれば

それなら手首に巻いて

見ながら行けるのに

別れて置いて行くのは

なんとも残念だ

 

 以前紹介したが、家持は隣国に異動した部下、大伴池主(おおとものいけぬし)にも情の深い歌を贈っている。なんて人たらしな。

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