南米エクアドルのとある港町。郵便を飛行機で運ぶ小さな会社のマネージャー(ケイリー・グラント)と巡業を終えたニューヨークのショーガール(ジーン・アーサー)が出会う。
「石を投げれば昔の女に当たる」と同僚(トーマス・ミッチェル!)に言わしめるほどのモテ男なのに硬派な彼は彼女に対して何かとつっけんどんな態度をとるのだが、ヘタなピアノをたしなめられムッとしながらも横で弾いたその確かな腕前に感心して言う、
「ハロー・プロフェッショナル。」
ハワード・ホークス監督のこの「コンドル」(1939年)は傑作とまでは行かないが、その後のホークス映画のすべての要素が散見される、大切な作品である。
ハロー・プロフェッショナル、には甘いニュアンスはない。男が、このガッツある女性を対等の相手として認め、敬意を持って仲間に迎え入れる、そんな名セリフだ。
「コンドル」。右からジーン・アーサー、トーマス・ミッチェル、ケイリー・グラント。
「スミス都へ行く」。右からトーマス・ミッチェル、ジェームス・スチュアート、ジーン・アーサー。