タイのプラユット首相がよく使う言葉があります。何でしょう? それは「クワーム・
ペン・タイ」。英語で「Thainess」と訳されていますが「タイらしさ」という意味です。
プラユット首相が言う「タイらしさ」は、“タイには欧米や日本・中国の文化ではない、外国と
異なるタイの伝統文化がある。他国の文化や考え方に 過度に振り回されることなく、自分達の

伝統文化に自信をもって、それを大切にしていこう” と、事あるごとに訴えています。
クーデター後、欧米 各国から軍事政権を批判される際にも よく言葉にしていましたよネ。
「日本らしさ」「タイらしさ」って、いい言葉で良い響きです。タイが好きな私も同感です。
でも、どうも首相がいう「タイらしさ」は、政府にとって都合のよい「タイらしさ」であり、
自分に都合のよい「タイらしさ」ではないかと、思ってしまい、ちょっと心配にもなります。
来年の民政復帰に向けた総選挙でプラユット首相の続投を支持する「パランプラチャーラット党」が
先週29日、バンコク郊外で結党大会を開いたようです。そこで、党首にウッタマ工業相、幹事長に
ソンティラット商業相を選出されています。これで完全にプラユット首相の党になった感じですネ。

<ウッタマ氏(右)とソンティラット氏>
また その二日前には、現政権が打ち出した「20カ年国家戦略」について、タイ国家経済社会開発
委員会主催のフォーラムの席上で「これはこの先20年間の長期国家開発の方向性を示したものであり、
その遂行を政治家たちに邪魔させはしない。 国家戦略は今後の国の発展を目指したものであり、
廃止することは許されない」と明言もしていたようです。
それは、もし他の複数の政党が来年の総選挙で勝利して政権をとった場合、この「20カ年国家
戦略」を撤廃するという考えを持っていますから、このような強い姿勢に出ているのでしょうネ。

しかし他党が政権を取った場合、この先20年間もクーデターで誕生した軍事政権の同戦略に
従わなければならないとなれば、新政府は政権運営が縛られるうえ、自由裁量権も制限される
ことになります。 これはフェアではないとの批判を受けるのも止むを得ません。そう言えば、
先月にAKB48が、今年末にタイで開催するコンサートをPRするため来タイした際、首相はメンバー6人と
バンコクの首相府で面会しました。AKB48の海外姉妹グループで、バンコクを拠点とするBNK48も活躍

していますが、プラユット首相はそのメンバーとも度々面会していています。 これは総選挙をにらみ、
タイでも人気のAKB48にあやかって “若者の支持をとりつけたい思惑がありあり” と憶測されています。
ヒット曲『恋するフォーチュンクッキー』を披露した時は、首相と高官たちはペンライトを振っていた
というから笑っちゃいます。表向きは “タイと日本の関係強化” ということで招待された彼女達ですが、
他党の政治家からは「まるで宴会に呼ばれたコンパニオンのようだ」と、言われてしまっています。
プラユット首相、「タイらしさ」ではなく「自分らしさ」を出し過ぎているような気がします。


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