近年、「タイは急速に高齢化社会を迎えている」 という指摘が、よく 話題になります ・・・
多くの国々で抱えている高齢者問題ですが、タイも例外ではなく、2008年に人口の1割
だった高齢者 (60歳以上) が、16年には14%に拡大しました。 25年には20%となり、
36年には人口の3分の1を占めるとされています。 因みに現在の人口は約6,815万人です。

65歳以上の人口となると これから30年で、現状の700万人から1,700万人に膨れ上がると予想され、
労働者人口は減少し、今後 福祉や医療制度に大きな負担がのしかかることが不安視されています。
しかも 中所得国であるタイは、高所得国への仲間入りを果たす前に人口の高齢化を迎えてしまいます。
この点は、シンガポールなど高齢者向けの財源がある他の高齢社会国との大きな違いでしょう。

タイ政府として現在、高齢者に対して月に500バーツ以上の助成金を支給、今年は約2,870億バーツ
(約9,270億円) を支出しています。 ちなみに19歳~59歳と高齢者の割合は、現在4対1ですが、
25年後には2対1にまで縮まるとされ、当然 現在の予算ではカバーできません。 施策はあるのか?
プラユット首相は先月初め、同問題を解決するため 4つの施策を発表しています。
1) 高齢者の雇用促進。 企業が高齢者を雇った場合、一部で法人税を免税する。 条件は、
高齢者の数が全従業員の1割までで、月給は1万5,000バーツ以内。 また、タイ全土で
職業訓練センターを設置し、来年から施行する。

2) 高齢者向け住居の建築。 チョンブリー県、チェンマイ県ほか4県に、“シニア・
コンプレックス” という高齢者専用の住居を建て、低家賃で提供する。 4㎡あたり
月1バーツで、入居は30年契約とする。
3) 不動産を担保に政府貯蓄銀行が生活費を支給。 条件は、不動産ローンを完済し、
その家に住んでいること。 受給額は、年齢や資産価値などによって変動し、受け取りは
一括や月払いを選択することが可能。 不動産所有者が死亡すると、政府貯蓄銀行が
不動産を転売するシステムとする。

4) 15歳~60歳の労働者を対象に、国民年金基金の義務化。 これは義務退職積立金を
支払っていない約1,137万人の労働者向けのもので18年に実施する。 社員100人以上の
企業が導入を義務付けられる。
これはあくまで計画ですからネ。 さぁ~ 施策どうりに上手く事が流れますか?
高齢化社会問題では、日本は超先進国です。 日本が成功しているとは言えませんが、様々な問題に
取り組んでいる最中。 このような問題こそ、日本から多くを学べば良いのに、と いつも 思います。
この話、明日に もう少し続けます ・・・


高齢化が進んでも、子供が増えれば問題は少ないのですが、タイ国の場合、少子化が深刻になっています。
少子化が深刻な日本の場合、出生率は1.5前後ですが、タイ国は1.4です。
最も深刻なのがバンコクで、出生率は0.8と1.0を切っています。
日本人はなんとなく、タイ国は子沢山という印象を持っているようですが、実情は日本より深刻なのです。
アセアン10か国でも、少子化・高齢化が深刻なのはタイ国とシンガポールの2カ国です。
フィリピン、インドネシア、ベトナムなどは若年層が多く、理想的な人口ピラミッドが形成されています。
経済発展には労働人口(15歳~64歳)の総人口に占める比率の向上が不可欠です。
いわゆる「人口ボーナス期」という概念です。
反対に、タイ国のように、少子化・高齢化により労働人口割合が減少し、高齢者の医療・福祉の財源確保に汲々とし経済発展が阻害される減少は「人口オーナス期」と言います。
フィリピン、インドネシア、ベトナム、マレーシア(ゆくゆくはミャンマーなども)が人口ボーナス期を迎えて経済発展が期待される中、タイ国は人口オーナス期に入り、経済発展が期待しにくい国になっています。
http://thaitabi.com/thai-population/
タイ国の少子化に関しては、タイ国にはゲイやニューハーフ、レスビアン(トムボーイ)が異常に多過ぎる、という説がありますが、実証論はまだありません。
早々に 活用させていただきました。
これからも宜しくお願いします。