PGAツアーと欧州ツアーがサウジの政府系ファンドPIF(パブリック・インベストメント・
ファンド)とパートナーシップを組み、新会社を設立するという衝撃のニュースが流れたのは
6月5日。それから20日ほどが経っていますが、欧米のゴルフ界は混乱の日々のようです。
各メディアでも、その統合に米国上院議会の小委員会が、7月11日に「聴聞会」を行なうと、
PGAツアーのモナハン会長、PIFのヤシル・アルルマヤン会長、そして PIF 傘下のLIVゴルフの
CEOを務めるグレッグ・ノーマン氏の三者へ正式に召喚状を送付していることに触れています。
小委員会の議員は 既に、独占禁止法違反の疑いがあるとして司法局に調査を要請しており、
各ゴルフ団体に、統合に関する通信と記録の提出を求めていますので、それらが揃った上で
PGAツアーと欧州ツアーがLIVゴルフとの事業統合に関し「聴聞会」が行なわれるのでしょう。
<ジョンソン上院議員はトランプ前大統領の熱烈な支持者として知られている>
先頭に立ち召喚したのはリチャード・ブルメンタル議員(民主党)とロン・ジョンソン議員
(共和党)の二人。連名で送られた召喚状には、“小委員会の聴聞会では、PGAツアーとPIFの
統合条件、PGAツアーやLIVゴルフで戦う選手たちへの影響、また PIF が米国プロゴルフ界へ
どのように参入するかを、聞いたり話し合う” と記されていると、マスコミが報しています。
<トム・ワトソン氏>
7月11日の「聴聞会」の内容公表に注目ですが、米国ゴルフの「レジェンド」であるトム・
ワトソン氏(73)も、今回の電撃和解に疑問を投げかけています。 タイガー・ウッズ、
ローリー・マキロイ選手といった現役の大物選手ですら、直前までその事実を知らないほど、
一部の幹部だけで進められたことに、ワトソン氏も居ても立っても居られなかったのでしょう。
米国のゴルフダイジェストによると、ワトソン氏は PGAツアーのモナハン会長などに宛てた
公開書簡で、 “今回の統合においてのコミュニケーションは誤って処理され、PGAツアーが
PIFとの提携案に合意したプロセスは、正当な手続きなしに実行されている” と指摘。
様々な疑問を提示している上で 更に、“このパートナーシップを受け入れることは、ツアーに
とってどんな意味があるのか? 我々は何を得るのか? 私たちは何を放棄するのか?
なぜ、この取引は秘密裏に行なわれ、なぜツアーの政策決定機関に選手の一人さえも含まれて
いなかったのか?” などと疑問を投げかけ、説明を求めています。 尤もな意見でしょう。
いまさら両ツアー側の責任者が、ワトソン氏の疑問に回答することは無いでしょうが、
ワトソン氏やジャック・ニクラウス氏(80)のような年長者でPGAツアーに長いこと
貢献して来た人達も無視してはねぇ~ 「聴聞会」でどこまで公表されるか興味津々です。
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