今こそ、分都(首都機能移転)を。

世の中が止まっているので、空気が良く、空も澄んで青が綺麗だ。
何だか子供の頃見た、懐かしい空の色に似ている気がする。
毎日、コロナばかりで、自粛生活は飽き飽きだね。
この手の我慢って、現代人には１か月が限度かな。

私のようなリタイア者は、何とか運に恵まれている。
コロナ禍中にある商売のヒトたちは、家賃や給料の支払い
その他、現場の切実さ、金銭的逼迫は、身を切られる思いだろう。
失業したヒト、カネもなく住まいまで追われたヒトもいるだろう。

私の処には、未だマスクさえ届かないが、個人への１０万円給付ての
も、いつになるのやら。この定額給付金は、当然非課税扱いだろうが、
国の持続化給付金や雇用調整助成金、都の感染拡大防止協力金は、
営業・雇用への補償とはいえ、経済的利益の受益として、課税の通則
から言えば、課税対象になるのだろう。

でも今の局面、この課税常識は、世論・国民感情をこじらせそうだ。政
治は特例で対応を配慮するのだろうか。今喫緊の問題でもある、事業
者家賃の補償も、非課税を特例設定しないと、課税所得になると思う。

外出自粛のせいで、テレワークや宅配、オンライン何とかが持てはや
されている。オンライン会議までは分かるが、オンライン帰省はこじつけ
だ。オンライン法事やオンライン墓参りも出そうだ。当然、結婚式も。
来年の初詣は、オンラインで画面に合掌する式だろうか。寺への賽銭は
ネット決済か。ヒトは動かずに、モノの方が動いてくれる社会って、一部
の例外を除いては、私には、どうも不健康・不健全で、やや馴染めない。

私は平時からヒトの密集や密接は嫌いなので、元来「三密」は避けたい
方だが、東京あるいは首都圏という、この密集空間と、そこにおける通勤
電車等の息苦しい混雑は、今更言うまでもなく、都市設計の失敗であるし、
東京一極集中を是正する気のない政治の無策と無能、不動産業等の業界
圧力の、迷惑な賜物だろう。

＊　　　　＊　　　　＊　　　　＊　　　　＊　　　　＊　　　　＊　　　　＊

今から３０年前のこと。１９９０年に、衆参両院が国会と政府機能の移転決議
を行い、両院で特別委員会が設置され国会移転法が制定された。その後、
国の審議会が候補地(福島県等)の答申をしたり、当時の試算では、移転に
伴う費用は１２兆円とも言われた。だが、この「首都機能移転」の話は、２１世
紀に入ると、誰も言わなくなってしまった。

コロナ時代、対人について非対面・非接触・物理的距離化を求めるのなら、
在宅勤務や時差出勤、リモート社会化の推進と併行して、今一度、首都機能
移転或いは、東京を分都化してはどうなのか。来年末でも、コロナ禍の完全
な世界的終息はなかろう。人心が離れているオリンピックなど、無駄な維持
経費を払うくらいなら、今すぐ遅くとも年内には、中止宣言を出すべきである。
（今や、喝采を浴びる英雄は、スポーツ・メダリストではなく、多くの医療従事者
たちである。）

五輪の残余財政や資産も投じて、次の経済プロジェクトとしても、東京の脱「三
密」化案としても、首都移転の再始動はどうなのだろうか？　また、東京の下町
一帯はやがて海面上昇により水没して土地がなくなる。その被災住民の移住先
としても考えて欲しいし、当節のこと、防疫に十分特化した都市の社会空間を創
造して貰いたい。

(この案を、ネットで検索したら同じ主張をしている方を発見しましたが、マネでも
知り合いでもありません。私は単に、人ごみが嫌いだから、東京からヒトを減らし
たいだけです。)