鴎外試論(11) 2007年10月30日 13時39分28秒 | 読書・鑑賞雑感 『カズイスチカ』という短編の主人公、若い大学出の医師・花房は、 市井の開業医である父の仕事を手伝ううちに感じ始める。 「自分が遠い向こうに或物を望んで、 目前の事を好い加減に済ませて行くのに反して、 父はつまらない日常の事にも全幅の精神を傾注している」と。 「カズイスチカ」とは臨床報告といった意味らしいが、 鴎外の言葉で言い換えれば、「日の要求」であろう。 生きているということは、この世に生 . . . 本文を読む