脳辺雑記帖 (Nohhen-zahts)

脳病と心筋梗塞を患っての独り暮し、Rondo-Nth の生活・世相雑記。気まぐれ更新ですが、気長にお付合い下さい。

鴎外試論(2)

2007年10月11日 19時05分21秒 | 読書・鑑賞雑感
鷹の眼は俯瞰する。 鴎外は『阿部一族』で殉死を題材にしている。 武家社会の本質が、 死を巡るゲームとして作動する器械であることを描いている。 君主・忠利の死に際して、 殉死というボールを争うのは、近親の家来ばかりではない。 殉死という観念の妖怪は、 殿中から城下を徘徊し、鷹や犬まで殉死させてしまう。 実用本位で考えれば、殉死は人材の損失でさえある。 実際に、君主自身の意向にも、 殉死をさせるよ . . . 本文を読む