脳辺雑記帖 (Nohhen-zahts)

脳病と心筋梗塞を患っての独り暮し、Rondo-Nth の生活・世相雑記。気まぐれ更新ですが、気長にお付合い下さい。

鴎外試論(5)

2007年10月17日 10時47分39秒 | 読書・鑑賞雑感
鴎外という人は、 天空を飛翔する鷹のような眼を持ちながらも、 己が地上の身の丈を、着実に生き抜いた人物である。 鴎外は壮語を以って吐き出した力で、 自身を高みに押し上げることがない。 「世界」に対して背後に身を置き、 それへと静かに肩をたたくような、隔てた親しさを持つ。 彼の見え過ぎる眼は、超越的でないことによる。 眼は、現実を縦に眺めるより、横に連なる流れとして受け止めている。 この流れに覚 . . . 本文を読む