鴎外試論(4) 2007年10月15日 19時36分45秒 | 読書・鑑賞雑感 鴎外の『余興』という小品は、同郷人の懇親会の席での話である。 内容は薄いが、鴎外の人品を窺わせる処があり、採り上げたい。 主人公の「私」は、余興に赤穂浪士の浪花節を聴かせられる。 これが、ひどくヘタクソで聴くに耐えない。 だが、先輩諸氏の手前、退席するわけにもいかない。 物語が終わるや「私」は「鎖を断たれた囚人の歓喜を以て」、 一同に打ち交じって拍手をする。 その後に、顔見知りの芸者が「私」に . . . 本文を読む