数学の授業で、自然対数やオイラーの公式で用いる、いわゆるネイピア数「e」の定義を生徒に教える時があった。
僕は物理と数学専攻だった。化学専攻の生徒は、ネイピア数「e」を見るなり突然化学の参考書を引っ張り出した。とある一項に、ネイピア数「e」がひょっこり登場していた。
「eって一体何なんですか?」
この質問に答えられる数学の先生は何人いるのだろう。もしくは教員試験などで当然のように問われる内容なのだろうか。
eって、何だろう。
ネイピア数eを知らなくても、円周率π(パイ)を知っている人は多いことでしょう。eとπは、表面上の意味として似ている部分は多いです。
どちらも超越数、限りなく数字が続くので、文字で代わりに置いているのです。
e=2.71828 18284 59045 23536 02874 71352 …
π=3.14159 26535 89793 23846 26433 83279 …
人生においておよそ関わらない数字ですが、不思議ですよね。自然界でこういう限りない数字が存在するのです。数学的に定義されたものですが、物理や化学の分野でも登場するってことは、確かに奴らはこの世に隠れ潜んでいます。
ネイピア数といいますが、元々eを見つけたのはオイラーさん。オイラーの公式とは数学の中でも最も優れた発見の一つで、特にオイラーの等式は人類が発見した最高の宝物と呼ばれるくらいです。
少し前に映画化され話題を呼んだ「博士の愛した公式」でもこの式は紹介され、物語の重要なカギを担っていました。
数学嫌いの僕も、さすがにこの式を知った時は嘆息しました。
あくまでネイピア数は数学的な数字です。あったら便利だから定義したまで。だから、人に分かるように説明せよなんていわれても、そう定義されてるから使うのですとしか言いようがありません。
しかしどうやら、利子の複利計算においてこのeは登場するのだと、恥ずかしながら私今夜初めて知りました。これは実生活において多少なりとも反映されるかもしれません。
銀行にお金を預けていると、少しは複利ってのがついて貯金が増えます。1年に一度だか、半年に一度だか。すずめの涙ほどですけどね。
それでも、少しずつ少しずつ、貯金額は増えていくのです。魔法みたいなお話なんですけど。
これを長期的に見る、つまり数学的にいえば「無限大に引き伸ばす」と、最初に預けていた額の約2.7(=e)倍にまで増えるのです。(ただしこれは、ネイピア数の定義における(1+1/n)^nのときに限られます。(1+◯)^△において、◯と△が逆数の関係になければeへは収束しません。コメントにてご指摘いただき、そのお方の言葉を拝借して、ここで補足いたします。失礼いたしました。2011年9月9日)
例えば、100万預けていたとすると、どんなに少ない金利だろうとも、待ち続ければ必ず270万くらいまで増えるということです。それが1年後か、10億年後かは知りませんけれど。
なるほどそういうときにネイピア数は登場するのか。経済にも化学にも現れる、なんとも割り切れない憎い奴。数学だって少しは人のためになるんだってことを、多少なりとも証明してくれた彼に、感謝と敬愛の気持ちを込めながら今夜も熱帯夜を越えるとしましょうか。冷房ガンガンのこの部屋で。
僕は物理と数学専攻だった。化学専攻の生徒は、ネイピア数「e」を見るなり突然化学の参考書を引っ張り出した。とある一項に、ネイピア数「e」がひょっこり登場していた。
「eって一体何なんですか?」
この質問に答えられる数学の先生は何人いるのだろう。もしくは教員試験などで当然のように問われる内容なのだろうか。
eって、何だろう。
ネイピア数eを知らなくても、円周率π(パイ)を知っている人は多いことでしょう。eとπは、表面上の意味として似ている部分は多いです。
どちらも超越数、限りなく数字が続くので、文字で代わりに置いているのです。
e=2.71828 18284 59045 23536 02874 71352 …
π=3.14159 26535 89793 23846 26433 83279 …
人生においておよそ関わらない数字ですが、不思議ですよね。自然界でこういう限りない数字が存在するのです。数学的に定義されたものですが、物理や化学の分野でも登場するってことは、確かに奴らはこの世に隠れ潜んでいます。
ネイピア数といいますが、元々eを見つけたのはオイラーさん。オイラーの公式とは数学の中でも最も優れた発見の一つで、特にオイラーの等式は人類が発見した最高の宝物と呼ばれるくらいです。
少し前に映画化され話題を呼んだ「博士の愛した公式」でもこの式は紹介され、物語の重要なカギを担っていました。
数学嫌いの僕も、さすがにこの式を知った時は嘆息しました。
あくまでネイピア数は数学的な数字です。あったら便利だから定義したまで。だから、人に分かるように説明せよなんていわれても、そう定義されてるから使うのですとしか言いようがありません。
しかしどうやら、利子の複利計算においてこのeは登場するのだと、恥ずかしながら私今夜初めて知りました。これは実生活において多少なりとも反映されるかもしれません。
銀行にお金を預けていると、少しは複利ってのがついて貯金が増えます。1年に一度だか、半年に一度だか。すずめの涙ほどですけどね。
それでも、少しずつ少しずつ、貯金額は増えていくのです。魔法みたいなお話なんですけど。
これを長期的に見る、つまり数学的にいえば「無限大に引き伸ばす」と、最初に預けていた額の約2.7(=e)倍にまで増えるのです。(ただしこれは、ネイピア数の定義における(1+1/n)^nのときに限られます。(1+◯)^△において、◯と△が逆数の関係になければeへは収束しません。コメントにてご指摘いただき、そのお方の言葉を拝借して、ここで補足いたします。失礼いたしました。2011年9月9日)
例えば、100万預けていたとすると、どんなに少ない金利だろうとも、待ち続ければ必ず270万くらいまで増えるということです。それが1年後か、10億年後かは知りませんけれど。
なるほどそういうときにネイピア数は登場するのか。経済にも化学にも現れる、なんとも割り切れない憎い奴。数学だって少しは人のためになるんだってことを、多少なりとも証明してくれた彼に、感謝と敬愛の気持ちを込めながら今夜も熱帯夜を越えるとしましょうか。冷房ガンガンのこの部屋で。
これは間違いです。
(1+1/n)^nで、nが∞のときにeになるのです。
利息計算の例では、長く預ければいくらでも増えます。例えば、1.0001の100000乗は22000以上になりますので。
1/n (n=>∞)
を指していて、「限りなくゼロに近い」金利を意味していたつもりです。
そうなるとやはり(1+1/n)^nはeで、貯金額は最高270万円です。
言葉のあやといいましょうか、とらえにくい形で書いてしまったことは申し訳ありませんでした。
つまり、金利のめちゃくちゃ低い日本の銀行に対する揶揄だったのですが・・・・・・いえ、別になんでもないです・・・・・・。
(1+◯)^△において、◯と△が逆数の関係になければeには収束しません(例えば(1+1/n)^(2n)や(1+2/n)^nであれば、nが∞のときe^2に収束します)。したがって、今回の議論が成り立つのは、n期間について1期間あたりの金利が1/nとなる場合のみです。言い換えれば、金利がそのように設定されていない限り270万円には収束しません。その場合の金利は当然取る期間によって変化するわけですが、金利が固定されている分には、やはりいくらでも増えます。
数学のブログではないようなので細かいことは無視していいと思いますし、本来の意図的にはそのようなことはどうでもいいと思いますが、誤解される読者の方がいるといけないので少し補足しました。
記事削除しようかとも思いましたが、滅多にコメントのない私ブログでせっかくこのようなやり取りをさせていただいているので、記事を修正した上で再掲載のかたちをとる、ということで落ち着かせていただけませんでしょうか。
安直な勢いだけで、数学を曲解したものを書いてしまい申し訳ありません。まずは訂正させていただき、その後また何かありましたらご指摘いただければと思います。ありがとうございました。
自分も一応は数学を教えたり考えたりする立場であるはずなのですが・・・・・・まだだいぶ未熟でした。ううむ、反省。
おかげで良く分りました。