自由広場

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能書き好きよ集え!

2008-11-28 00:34:56 | どーでもいいことつらつらと。
今までここでは深く言ってきませんでしたが、実は僕「能書き」ってのが大好きなのです。お菓子についてくる説明書きや薬品の裏にある効用まで、色々なところで見ることのできる能書きを読むのがたまらなく好きです。

「自然の恵みがたくさん詰め込まれたお菓子です」なんて能書きを見たら、「ビニールに包装してある時点で全然自然ちゃうわ!」と意味もなく関西弁で心の中で突っ込んだりします。「添加物として、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレリングリコールを含有する」という能書きなら、即座に「知るか!」と叫ぶと同時に、その表記を見て「ふんふんなるほど」とたくわえた髭をもっさもっさと撫でるつわものがいるのだろうかと想像したりします。能書きは無限大の想像力を僕に与えます。

そんな能書き愛好家の僕なわけですが、今日は久々にレベルの高い能書きと出遭うことが出来ました。運命です。




それではご覧いただこう。












お分かりいただけただろうか。



いやーこの流れをいつかやってみたかったんだけど、まさかこんな形で書けるとは思わなかったです。




「北欧、イングランドタイプのキャラメル風味が特徴の本格派ピュアーミルクチョコレートです。」と書かれています。

能書き評論家の僕としてはこの能書きは相当レベルの高いものと予測します。イングランド「タイプ」、キャラメル「風味」、本格「派」。これらの単語は全て婉曲的な表現であって、あくまでもタイプであり風味であり派なのです。だから決して本場イングランドに倣っているわけでなく、キャラメルぽくありつつもキャラメルの味はせず、路線は近くても絶対に本格ではないのです。こんな曖昧な言葉ばかりを余すことなく見事に散りばめた3行能書きは古今東西中々見ることができません。さらには極めつけのピュアーミルクチョコレートってのがよく分かりません。ピュアーではないチョコレートもあるのか、そもそもピュアーとは何なのか、様々な憶測や物議をかもし出します。

実際袋を空けて食したところ、何のことはなくただのチョコレートでした。キャラメルの味なんて全然しない。
しかも画像でも少し見えますが、商品名がハイミルクってんだから意味わからん。



突っ込みどころが多すぎてもダメ、少なすぎてもダメ。この能書きはリズムよく、惰性を感じさせることなく簡潔かつ丁寧に、具体性に欠けた言葉を並べています。最終的には、「結局何なの?」という突っ込みで終わらせられるという、漫才でいうところの「もうええわ」と相方をどついて終わるような着地の安心感が高得点をマークする所以です。
久々にこのような素晴らしい能書きと出遭えたことに感謝します。今日書いたことは全て褒め言葉です。


能書き。それは普段何気なく目にしながらもついスルーしてしまいがちな、誰が考えたかも分からない非常に曖昧な言葉単語の列。是非どうか今一度、皆さんが好んで食べるお菓子や、本やCDに付いている帯、ゲームやDVDケースの裏に書かれている能書きを読んでみて、その具体性を帯びない曖昧なニュアンスを楽しんでみてください。また面白い能書きを見つけたら載せます。めちゃくそつまらん記事でごめんなさい。自分的にはこういう馬鹿っぽさ満点の内容の方が好きなのです。