前回のファーストチェアの2017につづき、今回もセレクションセール上場馬のゼフィランサスの2017を紹介したいと思います。
なお、本馬の牝系解説文はこちらをご参照ください。
7月4日時点での測尺は以下のとおりです。
【体高】155cm 【胸囲】173cm 【管囲】20.5cm
母のゼフィランサスにとって3番仔になる本馬ですが、これまでの仔出しを見る限り、彼女は父似の産駒を出す傾向にあるようです。
母はそれほど体高はないものの張りのある好馬体の持ち主で、将来の繁殖牝馬として残す意味もあって、当場の馬主名義で競走生活を送りました。
ゼフィランサスの2017はその母の1歳時よりも馬格があり、一方で素軽さを感じさせる馬体であることから、父のキズナの雰囲気が出ていると思います。
この世代はキズナの初年度産駒でありますが、当場を訪れる調教師の先生やオーナーサイドの方々の話しを聞くと、そういう素軽さを残したディープインパクトの血を感じさせる馬が多いとのこと。
同じディープ系種牡馬でも、ディープブリランテの産駒は比較的幅もあるしっかりとした馬体が多い印象を受けることから、キズナはどちらかと言えば彼の父ディープの雰囲気を伝える種牡馬なのかもしれません。
2月生まれということもありますが、ゼフィランサスの2017も前回紹介した上場番号2番ファーストチェアの2017同様、他の1歳馬たちより立派な馬格をしています。
気性的にピリッとしたところがあり、この気性はモガミヒメの牝系らしいと言えます。
馬体的にある程度距離をこなすイメージがありますが、気の強さが前面に出るようならば、この牝系らしいスピードに秀でた馬に出るかもしれません。
ゼフィランサスの2017は、父こそ違いますが、半兄のダンケシェーン(父ヘニーヒューズ、現2勝)に血統的特長が似ています。
このきょうだいに共通しているのは、父がStorm Catの血を持っている点であり、このStorm Catがゼフィランサスの2代母モガミポイントと相似クロスを形成するのが特長です。
Storm Bird≒NijinskyというNorthern Dancer系×Bull Page系の組み合わせがあるほか、Secretariat≒ボールドラッドによる4分の3同血クロスもあるなど、Storm Cat≒モガミポイントは血統的に相似性が高い関係だと言えます。
ゼフィランサスの2017のもう一つの血統的特徴としては、ディープインパクト≒キングヘイローの相似クロスも挙げられます。
いずれの血脈もHalo、LyphardそしてSir Ivorを持つ関係であり、相似性の高さを窺わせます。
ディープインパクトとキングヘイローの両馬は、馬体的にそれほど大きくはなく、そのためこれらの特徴がストレートに反映されると小柄な馬が生まれる可能性もあるかと思います。
しかしながら、キズナのようにディープの血を引く馬ながら馬格に恵まれた種牡馬との配合においては、キングヘイロー牝馬との相性も良いはずだと考えました。
結果として、当場の狙い通りに立派な産駒として生まれてくれたのがゼフィランサスの2017です。
同じくセレクションセールに上場予定のファーストチェアの2017とは放牧地も同じで、僚馬と言える存在です。
セールでは2頭とも購買者の方々に評価していただけるように、セール当日までしっかりと管理していきたいと思います。
なお、本馬に興味のある方は当場HPを通じてご連絡頂くか、当ブログに連絡先を添えてコメント欄にご記入下さるようお願いいたします。(表示はされません)
当場から折り返し連絡させて頂きます。