安倍元総理の国葬が行なわれました。
武道館での国葬。靖国通りを封鎖して……
そのニュースをみていて、私はタイマーズの「カプリオーレ」という歌を思い出しました。
足の速いカプリオーレ
さすがのお前も今日は走れない
すべてのハイウェイ鎖された
というこの歌は、直接的には昭和天皇の大喪の礼をモチーフにしています。
国を挙げてのお葬式の日は
彼女のトラックも走れない
やだな やだな
やだやだやだな
すべてのハイウェイ鎖された
エンジン休ませてカプリオーレ
高速道路にポリスが並ぶ
なんだか大変だね ご苦労さん
私としては、君主制が存続している国で君主の死去に際して国葬というのは、まあ儀礼的なものとして受け入れられなくもありません。
しかし、政治家という場合はどうか。
警備のためにずらりと居並ぶ警察官……私には、どこか異様に感じられます。
タイマーズというのはいうまでもなく忌野清志郎がやっていたバンド。こういう仰々しさ、ものものしさを茶化す諧謔精神が今ほど必要とされるときはないんじゃないでしょうか。
いっぽう葬儀に対して反対するのは失礼だというような意見もあるようですが……これは国葬だといっているわけですから、そういう話でもないでしょう。
個人が私的に行なう葬儀であれば、誰も反対はしません。しかし、多数の警官を動員して、公道を通行止めにして公的行事として行うとなれば、話は別。反対派は黙っていろなどという態度は、国家儀礼の私物化というそしりを免れません。
また、タイミングとしては、静岡の水害・断水というのもあります。
カナダのトルドー首相はハリケーン被害に対応するために直前で出席をとりやめましたが、この国では静岡の水害があっても国葬を実行するという……これがすべてを象徴しているように私には思えます。
世論調査をみても、軒並み反対多数という状況。
おそらく、実行する側にもやめたほうがいいと思っている人が少なからずいると思うんですが、しかし、そう思っても言い出せないというところでしょうか。それだとロシアみたいなことになってしまうわけですが……