
その頃、凄まじい逃げ足で郊外まで来たウソップは、キス魚人の「チュウ」に【水鉄砲】を撃たれて血を流して倒れていた。
魚人は水の一滴を、銃弾のような威力で投げつけてくるのだ。
だが、本当は当たっておらず、血にみせかけた【ケチャップ星】で死んだフリをしていたのだ。
(恐ろしい種族がいたもんだぜ、ナミは可哀想だが、死ぬのはパスだ・・・。戻ったら何て言おうか、もう少し体を汚した方が死闘の後らしいか・・・)と、言い訳を考えながら、ウソップは仲間の事を思い出していた。
ルフィは「おれ達もう仲間だろ」と言った。
ゾロは「死んだ方がマシだ」と命を懸けて戦っている。
サンジは「レディーを傷つけるようなクソ一味より100倍いいか」と意思を見せた。
ナミは、自分の体を刺してまでウソップの命を守ってくれた。
ジョニーとヨサクも、ノジコも、村の人達も皆、いまも必死で命がけで戦っている・・・。

そう思うと、ケチャップ血のりをつけて逃げようとしている自分がみっともなくて泣けてきた。
怖いことに変わりはない。だが、気付けば「ちょっと待て、サカナ野郎ォ!!!」と叫んでいた。

海に出た瞬間から、もう捨てたはずだ。平穏や安全なんて・・・!!
毎日命はって生きてるから、あいつらは本当に楽しそうに笑うんだ!!!だからおれは海へ出ようと決意した!!!
あいつらみたいに、めェいっぱい笑いたくて!!!今ここで全力で戦わなかったおれに、あいつらと同じ船に乗る資格なんてねェ!!!
あいつらと、本気で笑いあっていいはずがねェ!!!!

ウソップが必死で撃った【必殺火炎星】も魚人には通用せず、ウソップは顔面を強打された。
今度は本当に血を流して倒れながら、ウソップはつぶやいた。「もう…終わったんだ。」と。
「くそっ見てろよ!旧ウソップ海賊団!!カヤ!!おれは本物の"勇敢なる海の戦士"になる、"海賊ごっこは終わったんだ!!!!」
ウソップはチュウに酒を浴びせてから【火炎星】を打ち込み、チュウはまるこげになった。
ウソップは無我夢中で、倒れたチュウをハンマーでたたきのめして、興奮気味に叫んだ。
「おれだって・・!!やりぁあ出来るんだ!!!なめんなチキショオ!!!」

チュウ 対 ウソップ、ウソップの勝利。
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