海岸に様子を見に来たキャプテン・クロは、怒り心頭でジャンゴとニャーバンブラザーズを叱りつけた。ジャンゴと、ニャーバンブラザーズは、ビクビクとキャプテン・クロに怯えた。
3年もの間海賊をやめていたキャプテン・クロだったが、その強さは衰えてはいなかった。
両方の手から長い爪のような剣が伸び、同時に目にも留まらぬ速さで移動し、ゾロがてこずったニャーバン兄弟を、一瞬で子供扱いしてみせた。
この様子を見ていたジャンゴが言った。
「あの男の【抜き足】は無音の移動術。気配を感じる事なく殺される。おれ達はこの計画から逃れられやしねェんだ。おの男の癖を見た時はゾッとしたぜ、【猫の手】で自分の顔を傷つけねェ為の、あの男の奇妙なメガネの上げ方・・・また戦いを忘れてねェ証拠だ・・・!!」
そのキャプテン・クロが口を開いた。
「5分やろう。5分でこの場を片付けられねェようなら、てめェら全員おれが殺す」
この言葉に部下達は震え上がり、ゾロに攻撃の目標を絞った。
この戦い、ゾロに勝ってもらわないと自分やウソップ、そしてカヤさんの命がないと判断したナミは、危険を顧みずに落ちているゾロの刀を足で蹴りあげた。
「てめェは・・・・!!!おれの刀まで足蹴に・・!!」と一瞬驚いたゾロだったが、刀が見事に自分の手の内に落ちてきて、ナミの意図を悟った。
ナミの「お礼は?」という言葉に素直に「あぁ・・・ありがとう!!」と答えた。
実際、ゾロは1本と3本でその力の発揮が全然違った。
【三刀流・虎狩り】で、ニャーパン兄弟を一撃で斬った。
三刀流になった途端のゾロの強さに、C・クロ以外のその場に居た者は目を見張った。
ナミもウソップも、まさかゾロがここまでの剣士だとは思っていなかった。
「心配すんな。5分も待たなくても、お前らは一人残らずおれが始末してやる。」そう見栄を切ったゾロだったが、ニャーバン兄弟は再び催眠術で起き上がってきた。
今、この状況に必要なのはルフィの力だと判断したナミは、再び危険を冒してルフィを叩き起こしに走った。
ナミがそ寝ているルフィを踏みつけた時、ジャンゴの投げた輪状の刃が、ナミ目がけて飛んだ。
「ナミ危ないよけろっ!!!」ゾロの声が響いた。